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「癒しのモルモットと水面から飛び出すペンギン」高知県立のいち動物公園日記その5

       

この情報は2020年4月29日時点の情報となります。

世界最大級の旅行コミュニティサイト「トリップアドバイザー」の動物園ランキングで、「高知県立のいち動物公園」が1位を獲得!そんなのいち動物公園の普段見られない動物のかわいい姿と、奮闘する飼育員を紹介するシリーズ「高知県立のいち動物公園」日記。

本来であれば、GW中には多くの観光客で賑わうはずの高知県立のいち動物公園は、現在、新型コロナウィルスの影響で5月6日(水・祝)まで臨時休園中。

行きたくても行けない方々のために、自宅からでも楽しんでもらえるよう、のいち動物公園を取材した様子をお届けするぞ!

※緊急事態宣言前に取材したものです。

関連記事はこちら⇒ 「高知県立のいち動物公園」日記1~4

第五弾としてご紹介する飼育員さんは、小西 克弥さん。小西さんは大阪府出身で、京都の動物専門学校を卒業後、のいち動物公園に就職。今年で29年目!のいち動物公園開園前から働くベテラン飼育員さんだ。

小西さ んは、ハシビロコウを除く、のいち動物公園で飼育されている動物のすべてを担当したことがあるという、まさにのいち動物公園のほぼすべてを知りつくした飼育員さんだ。

関連記事⇒ のいち動物公園の動かない鳥「ハシビロコウ」が動きまくる件

-飼育員を目指したきっかけを教えてください。

小西さん:幼い時、朝の情報番組で神戸市立王子動物園のチンパンジーの人工保育などを手掛けた飼育員として故 亀井一成さんが出演されていたのをいつも見ていました。元々動物好きではありましたが、その番組で飼育員という職業に憧れを抱いたのがきっかけですね。

-好きな動物はなんですか?

小西さん:魚類、両生類、爬虫類が好きです。

-自宅で飼っている動物はいますか?

小西さん:犬(ラブラドールレトリバー)とカエル(ブラジルツノガエル)を飼っています。

(小西さんが飼っているブラジルツノガエル)

今回は、小西さんが担当しているモルモットとペンギンをご紹介!ペンギンは勤続29年で初めての担当なんだとか。

 

愛くるしいモルモット

ふれあいコーナーで大人気の動物「モルモット」。みんなで団子になっている様子をパシャリ。団子になっているのは、寒さの影響かと思ったが、隅っこや群れでいるのが好きで、一年中この様子だそうだ。

現在のいち動物公園には、約60頭のモルモットがいて、そのうち約40頭が展示されている。

-他の約20頭は?

小西さん:今展示しているモルモットは、メスと去勢されたオスで、繁殖用にバックヤードで去勢前のオスとメスを飼育しているんです。

-去勢されないオスとして選ばれる条件などはあるんですか?

小西さん:血統のバランスを見たり、ある程度柄が遺伝するので、人気の柄のオスを選んでいますね。

ここでもう一点興味深い話が・・・

それは、モルモットが1回で出産する数!

モルモットはネズミの仲間であるが、ネズミは一回の出産で6~7匹を生むそうだが、モルモットは2~4匹と少ない数しか生まないそうだ。一体なぜなのか?

小西さん:モルモットの赤ちゃんは、ネズミなどと比べると割と大きいんです。また、毛も生えていて、目は見えている状態で生まれてきます。そのため、他の動物に比べると生存率が高いので、子どもの数が少ないと言われています。

生まれたての赤ちゃんは、大人のモルモットのミニチュア版。ゴールデンウィーク頃には赤ちゃんが生まれる予定なので、ぜひかわいい赤ちゃんモルモットを見てほしい。

取材班もモルモットと触れ合ってみることにしよう。

まずは、丁寧な手洗いをお忘れなく。ふれあいコーナー内にある石段に腰をかけたら準備OK。あとは、小西さんが膝の上にそっと、モルモットを乗せてくれるぞ。

人慣れしているためとっても大人しくて、かわいい~。

体温は37~39度ぐらいだそうで、膝の上にほんのり温かさを感じて癒される~。これは体験してみる価値あり!

ふれあいは、平日午前11時から午後0時まで。土日祝日は、午前11時から午後0時までと午後2時から午後3時までの2回行われている。

 

唯一のウサギ

ふれあいコーナーの真ん中には、ホーランドロップという種類の耳の垂れたウサギが。現在、のいち動物公園で飼育されているウサギはこの一羽だけなので、こちらも見逃し厳禁だ。

 

水面から飛び出すペンギン

のいち動物公園にいるペンギンは、「フンボルトペンギン」と「ジェンツーペンギン」の2種。


フンボルトペンギン

ペンギンと言えば、氷に覆われたような南極にいるイメージを持たれる方が多くいるだろうが、「フンボルトペンギン」は、南米大陸のペルーからチリにかけての沿岸部に生息しているため、温暖な日本の環境下でも飼育しやすく、全国の動物園でも多く飼育されている。

-エサは何を食べているんですか?

小西さん:のいち動物公園では、年中アジですね。北の方の動物園では、ホッケを食べさせているところもありますね。

アジだけを食べさせているのには理由があるんですか?

小西さん:色んな魚を与えていると、選り好みする可能性あるので大変なんですよ。例えば、春にしか捕れない魚を好きになってしまうと、他の時期に他の魚を食べてくれなくなりますからね。

ペンギンエリアに気になる看板を発見!

フンボルトペンギンは、冬の時期に繁殖期を迎える。繁殖期のペンギンは、職員が入れた竹などの材を穴に集めて巣を作るのだという。取材時には、5ペアが巣で卵を温めていた。

通常の観覧エリアからでは、なかなか距離があり、確認が難しいがこちらも特別に間近で撮影していただけた。

卵を大事そうに守っている姿にキュン!としてしまった。

ジェンツーペンギン

ジェンツーペンギンは、暑さにめっぽう弱いペンギン。そのため、約7℃と冷蔵庫に近い温度で管理された部屋で飼育されている。

通常の観覧エリアからの撮影は、ガラス越しとなり難易度高め。今回は、特別に約7℃の室内から撮影をさせてもらうことに。

すると、貴重な映像の撮影に成功!

息のあった動きや水中から勢いよく飛びあがってくる姿はまるでシンクロナイズドスイミング。思わず目を奪われてしまった!!

 

小西さんが描く絵にもご注目

小西さんは、絵を描くのが得意で、さきほど紹介したペンギンの看板は小西さんが描いたもの。そのほか、園内に掲示しているどんぐりポストにも絵を描いていて、子どもたちにもわかりやすいシンプルな絵を心掛けているんだとか。

-最後に、読者へのメッセージをお願いします。

小西さん:動物園から久しく足が遠のいている方々は是非来園してください。 昔の動物園は、檻が連なっていて、動物の数を増やす傾向がありました。今は、園内をエリア分けしたり、動物の福祉の観点から自然に近い環境づくりに取り組んでいるため、動物園に対するイメージが変わると思います。また、幼い時に来園して下さった方は、思い出がよみがえったり、新しい発見があると思います。臨時休園が解けた際には、ぜひご来園ください。

後日、のいち動物公園を訪問すると、あの時温めてたフンボルトペンギンのヒナが孵っていた。今年は、合計で4羽!すくすく育っているそうだ。

臨時休園が解けた際には、来園してモルモットやフンボルトペンギンのヒナ、小西さんの描く看板を見てもらいたい。

 

施設情報

高知県立のいち動物公園

住所:高知県香南市野市町大谷738


電話:0887-56-3500
営業時間:午前9時30分〜午後5時(入園は午後4時まで)
※5月6日(水・祝)まで臨時休園中です。
http://www.noichizoo.or.jp/