エンターテイメント, 三山ひろし
【三山ひろしのさんさん歩】四国で唯一!声を仕事にしたい人たちが通う「声優塾HUB」
この情報は2024年12月24日時点の情報となります。
四国銀行で配布している2025年カレンダー。
こちらに採用されているのが、高知県出身・在住の漫画家でイラストレーターのコマツシンヤさんだ。
これまでに「午后のあくび」や「8月のソーダ水」、「つるまき町 夏時間」といった漫画作品を刊行し、そのほかにも複数の絵本を手がけるなどしている。
(画像提供:コマツシンヤ)
また、どこか不思議で特別な魅力を持つコマツさんの絵はさまざまな本や雑誌に採用されており、子どもたちに人気の「銭天堂」シリーズ著者の廣嶋玲子さんが書く「トラブル旅行社(トラベル)」の絵を担当するなど、人気を博している。
(画像提供:コマツシンヤ)
最近では、「午后のあくび」が“漫画界のカンヌ”と言われるヨーロッパ最大の漫画の祭典「第51回アングレーム国際漫画祭」で児童向け部門で審査員特別賞を受賞した。審査員特別賞は、最高賞に次ぐ栄誉ある賞。
(画像提供:コマツシンヤ)
そんな、世界でも評価される漫画家・コマツさんが書き下ろしたイラストが、四国銀行2025年カレンダーに掲載されているのである。
今回は、コマツさんへのインタビューから、制作活動の裏側や高知での日常などを伺った。
-いつから創作活動は始められましたか?
コマツさん:高校生の時には漫画家になりたいという夢が固まっていて、学生の時にはイラストや漫画を描いて、高知新聞に投稿をしていました。挿絵として掲載してもらった時には嬉しかったです。高校卒業後は高知市にある専門学校「国際デザイン・ビューティーカレッジ」のマンガ科に進学し、そこで漫画の技術的な部分を学びました。
-では、専門学校を卒業後はそのままプロの道に進まれたのですか?
コマツさん:高知市にある書店「金高堂」などでアルバイトをしながら創作活動をしていました。2004年にデビュー作が漫画雑誌に掲載され、2011年に初となる自身の作品集「混沌気候」が発刊されました。2012年に「8月のソーダ水」という作品を連載することになったタイミングでアルバイトを辞め、漫画一本で取り組めるようになりました。
-不思議な魅力を持つ作品が多いですが、創作のアイデアはどこから生まれてくるのでしょう。
コマツさん:自分の気に入っているモチーフなどからイメージを膨らませていくことが多いですね。「つるまき町 夏時間」という作品では、意識的に高知の風景を取り入れています。
-出版社を通して作品を刊行されているほか、高知県内での活動も広がっているそうですね。
コマツさん:高知新聞が発行していたフリーペーパ「K +」(現在はZINEとして発売)での連載や、いの町観光ガイドブックなどでイラストを担当させていただくなど、2015年頃からちょこちょこと県内でも依頼をいただくようになりました。四国銀行さんは、2022年に配布したカレンダーから私のイラストを採用していただき、2023年から描き下ろしのイラストをポスターやカレンダーに採用いただいています。自分自身もそうですが、家族や友人が利用する身近な銀行で私のイラストが掲出されているのを目にするのは嬉しいですね。
いの町公式観光ガイドブック(画像提供:コマツシンヤ)
-2025年ポスターのイラストも可愛いですが、楽しみ方のポイントなどありますか?
コマツさん:四国銀行さんから、支店のある高知県と徳島県をモチーフにと依頼いただきました。1年間飾るカレンダーですので、見るうちに新しい発見があるようにとたくさんのモチーフを散りばめました。高知はクジラをドーンと大きく持ってきて、その周りに街が広がるイラストです。高知の野菜や果物、アイスクリンといった名物に加えて、やなせたかし先生や来春から始まるNHK連続テレビ小説「あんぱん」への敬意を表して、あんぱんやカレーパンの形をした気球が飛んでいるデザインです。
-高知での暮らしからインスピレーションを得ることはありますか?
コマツさん:普段からバイクで高知県内を移動しているのですが、山などの自然が近い田舎の方へ行ったり、街角にあるおもしろい風景を写真に撮ったりしています。そんなところからイメージが湧くこともありますね。
コマツシンヤさんのイラストが掲載された、2025年四国銀行カレンダーは各支店にて配布しているが、なくなり次第終了となる。
また、年始からは新たなイラストのポスターが各支店にて掲出されるとのことなので、そちらもお楽しみにしていてほしい。
高知を拠点に創作活動を行うコマツシンヤさん。コマツさんの魅力あふれる独自の世界観が、漫画や絵本、そしてイラストとなって、これから世界へと広がっていくことが楽しみだ。
文/長野春子