商店街, 観光
合言葉は「Yes I do!」四万十市の小京都・中村天神橋商店街の“キュートパパ”に会える「たきざわ呉服店」
この情報は2024年11月29日時点の情報となります。
「おまち」に「帯ブラ」。
高知県民が買い物をしたり、食事を楽しんだりする場所といえば、「帯屋町商店街」。
「おまち」とは賑やかな高知市中心部エリアを指し、「帯ブラ」は帯屋町でブラブラとウィンドウショッピングを楽しむことを言う。「帯ブラする?」「おまちへ行こう」などの会話を友達や家族すると、ワクワクとしていたことを私は思い出す。
今回は、帯屋町商店街をはじめとする「おまち」の現状を教えてもらうべく、協同組合帯屋町筋の早川賢治さんと秋永剛志さんにお話を伺った。
協同組合帯屋町筋は「大橋通り」「帯屋町2丁目」「帯屋町1丁目」「壱番街」の4商店街からなり、土曜夜市などのイベントの開催や駐車券・駐車スタンプの発行などを行なっている。
写真:左から早川さん、秋永さん
早川さん:帯屋町商店街は、かつては地域住民の顔見知りが集う温かいコミュニティのような場所でした。しかし、時代の流れとともに、お客様のニーズや消費行動は大きく変化しています。飲食店が増え、ウィンドウショッピングを楽しむ人が減るなど、商店街を取り巻く環境は様変わりしています。
こうした変化に対応するため、組合はデジタル技術を活用した新たな取り組みを開始した。特に注目されているのが、AIカメラによる通行量や属性のデータ測定だ。
AIカメラは今年7月に試験運用開始し、全部で5箇所に設置。大橋通りや帯屋町、高知大丸前などの通行量と性別や年齢といった属性を測定している。
また、この測定とあわせて、商店街からモデル店舗を15店舗募り、デジタル化・データ活用のモデルケースを生み出す取組も行なっている。
早川さん:AIカメラを入れた商店街は全国を見ると他にもありますが、私たちのように店舗と一緒に本気で取り組んでいるのは他にありません。高知県、高知市や四国銀行、四国情報管理センター、SHIFT PLUSの方々が各個店の伴走支援に入っていて、そのお店のデジタル化に対してアドバイスや提案、計画策定の支援をしています。
こうした支援により、商店街の各店舗でもデジタルサイネージの導入など、新しい取り組みが進められている。そんな中で、デジタルに拠らない思わぬ効果も生まれている。
早川さん:四国銀行が担当した個店では、担当した時計店と印刷屋さんが連携し、時計店でギフトとして購入した商品を印刷屋さんがラッピング提案をするなど個店同士の新しいコラボレーションが生まれています。こうした事例がどんどん生まれていくことが商店街としての強みになっていくと思い、これからに期待しています。
秋永さん:AIカメラの導入により、商店街の通行量や来客者の属性を詳細に把握できるようになりました。これまでは感覚や経験に基づいた施策が多かったのですが、データに基づいた定量的な分析が可能になり、より効果的な取り組みを展開できるようになりました。
例えば、特定のイベント開催時にどのくらいの来客数があったのか、来客者の年齢層はどのようになっているのかといったデータから、より効果的な販促活動やよりよいイベントの企画に繋げることができる。
また、個々の店舗の売上データと組み合わせることで、詳細な顧客分析が可能になり、店舗ごとの課題解決や売上向上に貢献することが期待される。
今後、協同組合帯屋町筋では、こうしたデータを活用して商店街の将来像を描くビジョンを策定したいと考えている。
秋永さん:組合の皆様は店舗の経営者ということもあり、みなさん商売のアイデアを持っている方ばかりです。AIカメラから得たデータをヒントとして、新しい商売のアイデアやお客さまに喜んでもらう仕掛けなどを考えてもらいたいと思います。
早川さん:そして、そうした新しいアイデアを盛り込んで、商店街が目指す姿や、実現するための具体的な施作を若い経営者らと共に描いていきたいと考えています。
「おまち」は、より魅力的な商店街へ。
お客さんの変化するニーズを捉えて、より人が集う商店街になるようにと取り組みが始まっています。
クリスマスや年末年始など、お楽しみが多い季節を控えて、協同組合帯屋町筋ではさまざまなイベントを企画している。
まずは恒例となったイルミネーションは11月22日(金)から点灯され、また今年で3年目となるクリスマスマーケットは12月13日(金)から12月25日(水)の期間で、東洋電化中央公園(高知市中央公園)で開催される。
また、11月末からは「帯屋町筋 歳末大感謝セール」として、お買い物ごとに商品券が当たる抽選券をプレゼントする。
お買い物をして、ご飯を食べて、そしてイルミネーションを見て…「おまち」をブラブラする楽しみが盛り沢山だ。
文/長野春子