高知家の◯◯高知家の◯◯ 高知県のあれこれまとめサイト
高知県のあれこれまとめサイト
  • facebook
  • x
  • instagram
  • youtube
 

響き渡れ我らの音楽よ!「第41回 高知フライデー・ウインド・アンサンブル 定期演奏会」開催!

       

この情報は2024年11月14日時点の情報となります。

    令和6年10月19日、高知県立県民文化ホール・オレンジで「第41回 高知フライデー・ウインド・アンサンブル 定期演奏会」が開催された。
    今回はその感動と興奮、そして初めてとなる偉大な挑戦の模様をお届けする。

    今宵ステージにメンバー1年分の金曜日(フライデー)

    令和6年10月19日(土)、高知県立県民文化ホール・オレンジホールにて、「第41回 高知フライデー・ウインド・アンサンブル定期演奏会」が開催された。

    「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」は1979年(昭和54年)に、高知県立高知西高校(再編計画により令和5年4月1日高知県立高知国際高等学校に統合)の吹奏楽部OBたちを中心に結成された吹奏楽団で、吹奏楽・音楽を愛するメンバーが集まり、年1回の定期演奏会の開催、さまざまな施設や地域イベントへの参加など精力的に活動を続けており、20代~60代の50人ほどの団員たちが高知市の筆山文化会館に毎週金曜日に集まり熱心に練習を行っている。

     

    この日の定期演奏会第1部最初の曲は、吹奏楽界の巨匠であるアルフレッド・リード作曲の『春の猟犬』だ。

    春の訪れの明るさと美しさを表現したこの曲は、「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」の定期演奏会のスタートの曲としてぴったりだ。

    心がウキウキするような躍動感にあふれた演奏は、これからの演奏へのさらなる期待をおおいに膨らませてくれた。

     

    そして2曲目は福田洋介氏作曲の『さくらのうた』。

    日本を象徴する花である「桜」をテーマにした、ゆったりとしたテンポの親しみやすいメロディーとわかりやすいハーモニーのこの曲は、ごまかしのきかない、演奏者の基礎力が大きく問われる曲だ。

    演奏の自由度が高いだけに、演奏者全員の気持ちが一つになったこの日の演奏は非常に心地良く、聴いていて幸せな気持ちになるそんな演奏であった。

     

    3曲目に演奏されたのは、平原綾香さんのデビュー曲『Jupiter』でメロディを聞いたことがあるかもしれない、グスターブ・ホルスト作曲の『組曲「惑星」より「木星」』が演奏された。

    多様なリズムとアンサンブルの楽しさ、耳に残る聴きやすさと中間部旋律の美しさ、圧倒的な堂々たる終結部と、どれをとっても数あるオーケストラ曲の中でも最高の曲の一つだと言われるのに恥じない名曲だ。

    メンバーたちが全力で紡ぎあげるその演奏は、たまらないほどの高揚感を呼ぶ。

    音楽にゆっくりと浸るこの時間は何物にも代えがたいものだ。吹奏楽の醍醐味にじっくりと聴きほれる、定期演奏愛第1部は素晴らしいものであった。

     

     

    「島風に吹かれて おおきな輪」 高知県沖縄三線愛好会との偉大なる挑戦

    「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」定期演奏会第2部はがらりと雰囲気をかえて、高知県沖縄三線愛好会と愉快な仲間たち~島風に吹かれて おおきな輪~と題し行われた。

    「高知県沖縄三線愛好会」は高知で老若男女、「ゆるく楽しく、だが時には根性を入れて真剣に!」をモットーに、沖縄ゆかりの音楽や沖縄民謡を楽しんでいる沖縄音楽サークルだ。

    今回初めての試みとして、沖縄民謡&島唄ライブが楽しめる民謡酒場で感銘を受けた団員の大野恭平さんが、「高知県沖縄三線愛好会」の森雅博さんにコラボレーションを相談したところ、こころよく承諾。

    「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」団長の矢野友治さんは「演奏に対しいろいろな不安がなかったわけではないが、それ以上に面白そうだという気持ちの方が大きかった」とほかの団員たちとも相談し、今回のコラボレーションとなった。

    楽譜の移調や編曲など、やらなければならないことが多く、演奏の形態のまったく違う吹奏楽と沖縄三線のコラボレーションは試行錯誤の連続であったが、この偉大なる挑戦は素晴らしい結果を生んだ。

    それはこの日、会場に訪れたお客様がよくわかっていることだろう。

    BEGINの名曲『島人の宝』に始まり、喜納昌吉さんの『ハイサイおじさん』、森山良子さんの『涙そうそう』と続き、THE BOOMの『島唄』と、皆どこかで聞いたことがある曲に、会場は大盛り上がりで、大きな拍手に包まれた。

    さらにBEGINの『オジー自慢のオリオンビール』『三線の花』では、高知県では「高知県沖縄三線愛好会」しか行っていないという、「エイサー」も演奏に合わせて披露された。

    「エイサー」とは沖縄県と鹿児島県奄美群島の伝統芸能で、旧盆の最終日(ウークイ)に先祖の霊をあの世に送り出すために、歌と囃子に合わせ、踊りながら地区の道を練り歩くものだ。

    太鼓を打ち鳴らしながら、吹奏楽に合わせて踊る「エイサー」などはまず他では見ることができない。その「芸」と「技」に会場はさらに盛り上がりをみせ、手拍子が止むことはなかった。

    第2部最後の曲、沖縄民謡の『唐船どーい』ではステージのみならず、客席でも団員たちが舞い踊り、観客を巻き込んでいく。

    もう一度言おう。「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」と「高知県沖縄三線愛好会」の偉大なる挑戦は大成功であった。

    音楽は自由であり、素晴らしいものだ。もちろんたくさんの決まり事、たゆまない練習の上に成り立つものであるが、挑戦の先には素晴らしい演奏が生まれる。

    そしてこの日の演奏は、間違いなく音楽の喜びを感じる感動的なものであった。

     

    演奏は佳境に向けて 聞いてほしい私たちの演奏を‼

    第3部では第2部の勢いのまま、吹奏楽の楽しさを伝えてくれた。

    様々なTV音楽・映画音楽を聞かせてくれた『TV&シネマヒッツ』、ミシェル・ルグラン作曲でフランスのミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」のために作曲された『キャラバンの到着』と続き、「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」からのお客様への感謝の曲『From Friday To You』へと演奏は盛り上がりを見せていく。

     

    『愛の賛歌』が会場に鳴り響き、第3部最後の曲ザ・ピーナッツの『恋のフーガ』や『恋のバカンス』などをメドレーで送る『ザ・ピーナッツ・ホリデー』で第3部は幕を閉じた。

    常任指揮者であり、現在高知追手前高等学校に勤務する橋田 紀生氏はもちろん、団員たちも清々しい表情、そして笑顔をみせる。

    そしてアンコールの大きな手拍子に迎えられた団員たちはこの日最後の全力の演奏を聴かせる。

    アンコール最後の曲は尾崎紀世彦の『また逢う日まで』だ。

    「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」の来年の定期演奏会は令和7年10月12日(土)開催で、すでに決定している。

    そう、また逢う日まで「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」の練習はもう始まっている。

    是非皆さんも来年「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」の演奏を聴きに来られてはどうだろうか。