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秘境度MAX!一度は訪れるべき絶壁建築「聖神社」

       

この情報は2019年11月21日時点の情報となります。

今年6月に発刊された「絶壁建築めぐり」をご存じだろうか。この本の中で高知県で唯一掲載された神社が越知(おち)町に存在するらしい。絶壁建築とはどんなものか。この目で確かめてきたぞ。

全国屈指の秘境度を誇る聖神社

今年6月に発刊された「絶壁建築めぐり(発行:株式会社G.B)」には、秘境に建つ日本全国のお寺や神社が100件掲載されている。

掲載されたお寺や神社は、「規模」「秘境度」「眺望」の観点から評価が行われており、越知町の聖(ひじり)神社の秘境度は、全国でも数少ない満点の星5つ。
秘境と聞くと何だかワクワクしてしまうのは人間の性。これは絶対に自分の目で確かめないと!

と、いうことで向かった高知県越知町は、高知市内から西へ車で50分ほど。今回目指す聖神社は、越知町内からさらに車でおよそ40分の場所にある。

道のりの途中にある緑色の看板を目印にすると、初めてでも問題無く辿り着くことができた。

駐車場は、車が5台程度は停められるスペースで、秘境の割には十分な広さ。駐車場横にある小屋に入ってみると、そこには社殿までのルート案内板が。

まるで古地図のような案内板を眺めていると、これからお宝探しに行くような気持ちにさせられる。

ちなみに、案内板右上の丸印部分が社殿。社殿までのルートは、大きく二つ!社殿に直接向かうルートと、社殿を対岸から眺望できるルートだ。

今回は、対岸からの景色を望むべく対岸ルートを選択。

対岸ルートの入り口には「無事にカエル」と言わんばかりの木彫りのカエルが鎮座。

 

急斜面を登ること10分で見えてきたものは・・・

登りだしてすぐに、想像以上の斜面が続く。周囲は杉の木に囲まれ、森に迷い込んだのかと不安になってしまうが問題はない。所々に案内板が設置されており、人ひとりが通れる幅の登山道が整備されている。

登山道を歩くこと約10分。杉林から雑木へと景色が変わり、傾斜も緩やかになってくると、対岸ルートの撮影ポイントに到着。

お分かりになるだろうか…岩の中にポツンと建つのが聖神社だ。誰が何のために、こんな場所に神社を建てたんだろう。そんな疑問が頭の中を巡る。

まだ少し時期が早かったのか、紅葉に見ることは出来なかったが、大きな岩をくりぬいたように建てられた神社の姿が神秘的!

 

景色が一変。聞こえてきた音の正体は

対岸からの眺望に満足したものの、さて、どうやってアチラ側まで行くのだろう。案内板を見ながら歩いて行くと、聞こえてきたのは水の流れる音。

え?ここに川?と思っていると、小さな滝が見えてきた。どうやら自分は谷を歩いているらしい。

迫力ある巨石、その石を覆う緑色の苔。
先程までの景色とはうってかわって、どこかの渓谷に来たかのようだ。

そんな景色を眺めながら歩いていると、目の前に現れたのは、いかにも揺れそうな吊り橋。

ギシギシと音を立てて歩く吊り橋は、やはりスリルがある。吊り橋の定員は2名までなので、大勢の場合は注意が必要。

吊り橋を渡りきった先で待っていたのは洞窟。昔ここではマンガン鉱が採掘されていたらしく、その名残で今は洞窟になっている。

コウモリが怖いので、パンッパンッと手を叩き洞窟に入る。10メートルほど続く暗闇旅行。携帯電話のライト機能がこれほどまで役に立つとは。

 

社殿からの眺望もおすすめ

洞窟を抜けた先に見えてきたのは、「聖神社」と書かれた案内板。そうだった!滝や巨石・洞窟に夢中となり、社殿を目指すことを忘れかけていた。

気持ちを切り替え、目の前の急斜面を登り始める。疲れのせいか、先ほどより傾斜を感じるが、社殿を目指す気持ちは高ぶる。

急斜面を登ること数分、ついに社殿に到着。

傾斜がきつく、このアングルの写真が精一杯。

社殿入口には、聖神社の歴史について書かれた看板が。明治時代に長州大工によって改築されたことが分かっているが、それ以上の詳しい歴史は分からないとのこと。まさに神秘的。

明治以降、手入れがされず荒廃していたが、平成元年に地元の有志の方々によって、現在の形に修復された。

社殿の中に入ることができ、窓を開けると開放的な空間が広がる。

先ほどまで自分たちが立っていた対岸を見つめ、昔の人も同じ景色を見ていたかと思うと感慨深い。

 

帰り道も安全に

参拝をすませ、帰路の安全を祈願。

傾斜は、下るほうがその角度をよく感じる。慌てずゆっくり歩くこと15分程度で、無事に登山口に帰ってきた。

今回、ゆっくり歩いた対岸ルートの所要時間は1.5時間。直接社殿まで向かうルートであれば、往復40分程度と思われる。登山装備の必要は無いが、スニーカーは履いておきたい。

本に掲載されていた通り、聖神社の秘境度は高い。ただし、単なる秘境地という訳ではなく、滝や巨石・苔に癒される空間でもあった。

「絶壁」という言葉に興味を持ち聖神社に登ってみたが、登り終えてみると、程よい疲れと共に清々しさが残った。これから紅葉シーズンを迎える聖神社。秘境だけではない魅力がたくさんありそうだ。

 

参考情報

■聖神社までの道のり

高知市内から越知町までは車で約50分。
国道33号より越知橋手前を左折し、県道18号を桐見川方面へ約40分
※GoogleMap等で「聖神社」と検索すれば、聖神社入り口までの案内が表示される

文/越知町地域おこし協力隊 ヒロセシンヤ