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この情報は2024年10月12日時点の情報となります。
来る10月19日(土)、高知県立県民文化ホール・オレンジホールで「第41回 高知フライデー・ウインド・アンサンブル 定期演奏会」が開催される。
「高知家の〇〇」取材班が伺った真剣で熱い練習風景と、定期演奏会への意気込み・思いをお届けする。
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去る9月7日(土)、高知市春野町の春野文化ホール ピアステージにて、10月19日(土)の「第41回 高知フライデー・ウインド・アンサンブル定期演奏会」に向けた練習が行われた。
「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」は1979年(昭和54年)に、高知県立高知西高校(再編計画により令和5年4月1日高知県立高知国際高等学校に統合)の吹奏楽部OBたちを中心に結成された吹奏楽団で、その後も吹奏楽・音楽を愛するメンバーが集まり、現在20代~60代の50人ほどで活動をしている。
年1回の定期演奏会の開催、さまざまな施設や地域イベントへの参加など精力的に活動を続けており、団員たちは高知市の筆山文化会館に毎週金曜日に集まり熱心に練習を行っている。
この日春野文化ホール ピアステージを訪れると、ステージ上では皆で力を合わせ設営が行われていた。
一気に楽器を搬入し、椅子を並べると、時間が惜しいとばかりにそれぞれ楽器を響かせ始める。
様々な音がホールを埋めていき、音の渦となって空気を震わせる。
指揮者が位置につくと、思い思いに鳴らしていた楽器の音が止み、指揮者の合図でこの日の練習が始まる。
さっきまでの音の渦は、息の合った一つの音楽となってホール全体を包み込んだ。
この日の練習は、今回の公演の見どころのひとつである、「吹奏楽と沖縄三線のコラボレーション」から始まった。
今回初めての試みで、沖縄民謡&島唄ライブが楽しめる民謡酒場で感銘を受けた団員の大野恭平さんが、「高知県沖縄三線愛好会」の森雅博さんにコラボレーションを相談したところ、こころよく承諾。
話を聞いた団長の矢野友治さんは「不安がなかったわけではないが、それ以上に面白そうだという気持ちの方が大きかった」とほかの団員たちとも相談し、今回のコラボレーションが決定した。
「しかしやってみたら難しい部分や、やらなければならないことがすごく多くて、練習しながら試行錯誤の連続です。そこが面白いところではあるのですが」と、団長の矢野さんはおっしゃる。
吹奏楽用の譜面を探すのにも一苦労であり、さらには吹奏楽と沖縄三線では楽譜自体が違う。
沖縄三線の譜面は「工工四(くんくんしー)」と呼ばれ、縦書きの枠の中に勘所(かんどころ。左手で抑える場所のこと)を表す漢字や奏法記号を書き込んでいる。
この「工工四」と吹奏楽の譜面で演奏を合わせていくのは、かなり骨が折れる作業のようで、この日も練習が繰り返されていた。
その中で頼りになったのが「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」と「高知県沖縄三線愛好会」の両団体に所属する横山加奈さんで、ステージを見ながら何度も大きな声で指示を出していた。
「吹奏楽も三線も大好きなんですけど、普段指揮者のいない三線と一緒に演奏するのは思いのほか大変です。ですが、親睦会(飲み会)もしっかりやり切りしましたし、お互い音も気持ちも合わせられるよう練習を重ねて、少しでもいい演奏をお届けしますので楽しみにしていてください」と横山さんは笑っていた。
さらに今回の演奏会では高知県では「高知県沖縄三線愛好会」しか行っていないという、「エイサー」も披露される。
「エイサー」とは沖縄県と鹿児島県奄美群島の伝統芸能で、旧盆の最終日(ウークイ)に先祖の霊をあの世に送り出すために、歌と囃子に合わせ、踊りながら地区の道を練り歩くものだ。
近年は太鼓をもって踊ることが多くなっており、今回の演奏会でも太鼓を打ち鳴らす。
吹奏楽に合わせて踊る「エイサー」はまず見ることができない。ぜひ、その「芸」と「技」を楽しんでいただきたい。
この日の練習が始まったのは13:00。途中休憩をはさみながら21:00まで練習は続けられた。
ひとつひとつの音を大切にしながら、少しでもいい演奏をと練習に取り組む姿は皆真剣だ。
「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」が練習を行うのは毎週金曜日のため、この日は連日の練習となる。
普段の仕事もあるため、疲れていないわけがないのだが、これだけ練習に取り組むのは、演奏が心から楽しく好きであることとともに、定期演奏会に来て下さるお客様に音楽を楽しんでいただきたいと思っているからに違いない。
今回の定期演奏会では、第1部で吹奏楽のだいご味を聞かせる曲として、春の訪れの明るさ美しさを表現した、巨匠アルフレッド・リードの名曲『序曲「春の猟犬」』や、誰しもが一度は聞いたことがあるであろう、グスターブ・ホルストの『組曲「惑星」より「木星」』などが演奏される。
第2部では「高知県沖縄三線愛好会と愉快な仲間たち」と題し、高知県高知市出身で「嵐」や「King & Prince」、「hyde」など多くのミュージシャンを手掛けており、打ち込みサウンドを多数散りばめた緻密な編曲が特徴である、吉岡たく氏に編曲を依頼した『三線の花』や、THE BOOMの名曲『島唄』などで会場を盛り上げ、第3部ではミシェル・ルグラン作曲でフランスのミュージカル映画「ロシュフォールの恋人たち」のために作曲された『キャラバンの到着』やザ・ピーナッツの『恋のフーガ』や『恋のバカンス』などをメドレーで送る『ザ・ピーナッツ・ホリデー』などで吹奏楽の楽しさを見せてくれる。
どうか皆様に楽しく心躍る時間を過ごしていただきたいと願いながら、記者も心から楽しみにしている。
「高知フライデー・ウインド・アンサンブル」団長の矢野さんは「音楽が、そして吹奏楽が大好きな仲間が集まり、出来る限りの演奏をいたしますので、どうか皆様、定演演奏会にお越しください。そして音楽を目一杯楽しんで下さい。」と語る。
10月19日(土)「第41回 高知フライデー・ウインド・アンサンブル定期演奏会」に赴き、心温まる素敵な時間を過ごされてみてはどうだろうか。
【開催日時】2024年10月19日(土) 開場:17:45/開演18:30
【会場】高知県立県民文化ホール・オレンジホール
【チケット】一般 1,000円(当日1,100円)/学生(高校生以下)500円(当日600円)