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【高知グルメPro】地元愛されイタリアンから人気の和食屋に夜の〆の屋台餃子までそろう「廿代町」のおススメグルメ6選 食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記セレクション
この情報は2024年7月28日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす食いしんぼおじさんことマッキー牧元さんが高知の美味しいお店や生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は、四万十市中村の天神橋商店街にある居酒屋「飲み食い処 掘食(ほたべ)」にお邪魔してきました。
高知ではどの居酒屋でも、店に入ったらまずカツオの刺身を注文する。
それによって、ある程度店の実力が分かるからだ。
しかし、高知県人は思っている以上にカツオにうるさい。
だからどこに行っても、おいしいカツオの刺身が食べることができる。
その点は他県から抜きん出ている。
それでも、今まで数多くの高知のにてカツオの刺身を食べてきた自負から、つい頼んでしまうのだ。
ここ、四万十市中村の天神橋商店街にある「掘食(ほたべ)」は、比較的新しい店のようである。
そのせいか、店員が若く、客も若者であふれている。
メニューを見てみると「ビリガツオ」とある。
ビリガツオとは今日獲れた、新鮮なカツオを指す。
今日は市場が休みなはずなのに、大丈夫だろうか。
不安がよぎる。
でも先の法則に従い、頼んでみた。
ビリガツオの刺身が運ばれる。
鮮やかな赤が皿の上で映えている。
口に運んで驚いた。
歯を押し返す、モッチモチの弾力があって、かなり質の高いビリガツオならぬモチガツオである。
高知市内でも、なかなかこの質はないだろう。
モッチモチとかめば、鉄分の爽やかな香りに混じって、カツオ自身の甘味が湧き出て来る。
おぬしやるじゃないかと、すっかり嬉しくなって、次々と料理を頼む。
トビコが天に飾られた「ポテトサラダ」は、芋がマッシュポテトに近く、芋自体の甘さがある。
潰れた芋に対しての、キュウリが放つ歯触りのアクセントがいい。
「ニラ入りだし巻き卵」は、たっぷりの卵でふわふわに巻かれていて。ニラの香りが爆発する。
おじさん大好き「タコさん赤ウインナー」は、ケチャップにタバスコ,マヨネーズが添えられて、いろいろつけて食べるのが楽しい。
モモ肉と砂肝の焼き鳥も、熱々で、芯までしっかりと焼けて香り高い。
ここ中村の居酒屋には必ずある定番料理、「チーズカリカリ」は、ワンタン風の皮に包まれ、中はクセのない白チーズを挟んであった。
このチーズに惹かれて、急にピザが食べたくなった。
「マルゲリータのシラスビザ」は、いわゆる市販のピザ生地だけど、シラスの甘みが生きていて、嬉しくなる。
このように、カツオの刺身からピザまで、何を食べても外さないのである。
しかもバリエーションがあり、まさに居酒屋の王道である。
これは混むわけだなあ。
思えば、突き出しのわかめときゅうりの酢の物も、まっとうな味わいだった。
最後に一風変わった店名の意味を聞いてみた。
「掘食(ほたべ)」には、「食材にこだわり、食を発掘していくという意味があるんです」と、答えられた。
付け合わせの野菜が力強い味だと思い、近隣にいい農家があるのか、と聞いてみると、「自家菜園の新鮮な野菜を使用しています」と言うではないか。
食を発掘する。
美味しい食を掘り下げていく。
いいではないか。
この素敵な店が、いやがうえにもこの四万十市中村の街を元気にしてくれるだろう。
高知県四万十市中村天神橋50「飲み食い処 掘食」にて