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朝ドラのモデルになった植物学者・牧野富太郎博士の名を冠する植物園でいただく美味なるランチ「レストラン C.L.GARDEN」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

       

この情報は2023年9月3日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、テレビ、ラジオ出演や料理評論、紀行、雑誌寄稿を超多忙にこなす「美食おじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回はNHKの朝ドラ「らんまん」のモデル・牧野富太郎博士の名を冠した植物園のレストランの美味しいランチをご紹介!

緑に囲まれたレストランである。

ここは、NHKの朝ドラ「らんまん」で有名になった牧野富太郎博士由来の「高知県立牧野植物園」にあるレストランなのだ。

床から天井までの大きなガラス窓から陽光が差し込み、遠くの山々まで、樹々が連なっている。

細長い店内は、どの客席もガラス窓に面しており、すべてのお客さんがこの素晴らしい光景を享受できる。

食べている人の表情を見ると、皆くつろいで、楽しそうに談笑されている。

植物園の食堂はこうでなくてはいけない。

以前あったカフェレストランも植物に囲まれていたが、新設された今回の店は、さらに植物館の食堂としてふさわしい景観をもつようになった。

こんな環境で食べるご飯は、もちろん美味しい。

「シェフ特製ハンバーグココットランチ」1400円は、冷製コーンスープ付きで、まずその冷たい甘さが喉に流れ込んで、食欲がぐっと湧く。

そこへハンバーグがやってくるのだから、たまらない。

ハンバーグにナイフを入れ口に運ぶ。

柔らかい肉の塊が舌に広がり、ご飯が恋しくなる。

次は、パスタといってみよう。

パスタランチは「海老トマトクリームサラダ」1400円。

パスタのてっぺんに、小さい車海老、つまり巻海老と呼ばれる海老(牧野だからマキ海老?考えすぎか)がちょこんと鎮座している。

さらには赤と黄パプリカ、茄子、ズッキーニ、インゲン、玉ねぎ、トマト、アサリ、鯛などが入れられた、海鮮サラダ風の豪華なパスタである。

そして、みんな大好きカレーは、「鶏ひき肉と野菜のカレー」1100円で、辛さは抑えられた、マイルドなカレーである。

だが、このカレーを食べながらゆっくりと外を眺めていると、樹々の香りが漂ってきて、カレーに降りかかるようで、ここにしかない希少なカレーの風味が広がった。

やはりコンクリートの中で食べる食事と違い、緑に囲まれ、開放感のある場所で摂る食事は、人間の思考を自由にする。

食事が喉を通るたびに、体が清められていく気がする。

さて、もう一つのランチも紹介しよう。

「麓の市場で仕入れたお魚ランチ  アクアパッツァ」2100円である。

麓といっても、車で走れば、十数分ほどで港に着く。

しかし、ここは五台山の上、高知ならではの地形が生む美食である。

港で仕入れた鯛を焼き、熱々のところに水とトマトなどを入れて蒸し焼きにした料理である。

塩分が的確で美味しい。

黒オリーブを使った南仏風のタップナードをつけて食べれば、なお旨い。

昼だけど、白ワインが恋しくなる味である。

途中から雨が降ってきた。

外の光景を見ながら、鼻から空気を吸ってみた。

窓は開け放たれてはいないけど、何故か樹々の爽やかな香りがあって、料理と抱き合い、魚が跳ねた気がした。

そんな気持ちにさせられる、ここ、牧野植物園内のC.L.GARDENである。

高知県高知市五台山 高知県立牧野植物園植物研究交流センター 3F「レストラン C.L.GARDEN」にて