高知家の◯◯高知家の◯◯ 高知県のあれこれまとめサイト
高知県のあれこれまとめサイト
  • facebook
  • x
  • instagram
  • youtube
 

聞こえるのは自然の音だけ 清流仁淀川で伝統の和船を体験!

       

この情報は2019年5月16日時点の情報となります。

清流仁淀川で「和船(わせん)」体験。モーターを使わない和船だから、聞こえるのは風の音、水の音、鳥の声だけという極上のリラクゼーション空間だった。

その青さから「奇跡の清流」とも呼ばれる仁淀川。その仁淀川が流れる越知町へやってきた中元アナウンサー。
今回は、NPO法人仁淀ブルー 代表の村田弘毅さん案内のもと「和船体験」をする。

和船は古くはこの地域に根付いていた運搬手段の一つ。上流にある仁淀川町から下流にあるいの町に、和紙の原材料や炭などを運んでいたという。その伝統を「観光遊覧船」として復活させたのが村田さんだ。

高知県産の杉を使用した綺麗な船。重量は400kg、定員14名の大きな船へ乗り込む。

船内には川底を見られる仕掛けがあり、水質日本一の仁淀川を泳ぐ魚たちを間近で見ることができる。

船にはエンジンなどの動力は付いておらず、「櫓(ろ)」と言われる船具と長い竹できた「棹」だけを使い、人力で船を操る。

風を切って進んでいく和船に乗っていると、ギッタンバッコンと櫓を漕ぐ音も心地よく、ゆったりと時間が流れているよう。

 

和船を製作したのは、なんと高校生

実はこの和船、高知県内にある須崎工業高校(現:須崎総合高校)の生徒さんたちが製作したものなのだ。

授業の一環として2年がかりで製作した、想いの込もった和船だ。

現在は和船を作ることができる大工さんが少ないため、伝統技術の伝承の思いを込めて、村田さんが製作依頼をしたという。

高校生たちが作った和船から眺める水面はキラキラ輝き、心を穏やかにしてくれる。

 

伝統の技術が光る、和船船頭を体験!

越知町は江戸時代、動物の「尾」のように川が3方向に流れていたことから「三尾村」と呼ばれていた。渡し船が盛んで「三尾の渡し」と呼ばれ、全国に名が知れ渡るほど有名な渡船場だった。

伝統ある和船の話と合わせて、村田さん自身のお話も伺うことができた。

NPO法人 仁淀ブルーの代表を務める村田さんは、4年前に埼玉県から越知町に移住してきた方。埼玉県では、全国でも数少ないカナディアンカヌー専門スクールを創業したんだとか。カヌーのインストラクターとして活動をしていたが、仁淀川の魅力に惹かれ越知町に移住したという。

2018年3月まで地域おこし協力隊の観光担当として活動し、3年の任期終了後にNPO法人仁淀ブルーを立ち上げた。
地域おこし協力隊の任期中から和船での遊覧船事業を計画し、今年4月27日に念願の遊覧船運行を開始した。

和船にかける熱い想いが形となり、和船体験や越知町の伝統を伝える場所を作ってしまった。

モーターを使わない和船だからこそ、風の音や水の音、鳥の声がよく聞こえる。これほどまでに仁淀川の自然を体験できるのは、和船だからこそだ。

 

いざ、船頭体験

村田さんに船の操縦を教わり、船頭体験をさせていただけることに。

和船の操縦は、「櫂(かい)」、「櫓(ろ)」、「棹(さお)」の3種類がある。今回は「櫓」と「棹」を体験させてもらった。

真剣な顔で「櫓」を漕ぐ中元アナウンサー。

思うように船が進まず、悪戦苦闘!「櫓」を使った操縦は思いの外難しいようだ。

お次は、「棹」を使って船を進める。実は3種類の操縦の方法の中で、一番難しいのが「棹」による操縦。川底を押すように船を動かしたり、漕いだりと、慣れない操縦。そして不安定な船の上で操作するとあって、漕いでいるのか、流されているのか、よく分からない状況に。

練習を重ねて少し上達し、思わず笑みがこぼれる。

船頭体験に大満足の中元アナウンサー。
大自然に囲まれ、仁淀川のせせらぎを聞きながらの、のんびりとした船旅は心を癒す最高のひとときだったようだ。

 

スポット情報

NPO法人 仁淀ブルー
HP:http://2410.blue/

※情報提供※ テレビ高知
文/さたけゆうや