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高知に降り注ぐ豊かな太陽の力が凝縮したパスタで心を弾ませたの巻「バール・バッフォーネ」食べ歩きスト・マッキー牧元の高知満腹日記

この情報は2019年4月7日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。

ZUPPA 新玉ねぎのポタージュ。

Antipasto ツバスのエスカベーチェ、うるめイワシマリネ、はちきん地鶏の砂肝とじゃがいものアヒージョ、燻製せせりのピンチョス。

AllaCarta 本日のお魚のアクアパッツァ、窪川こめ豚のポトフ。

「ああすべて、片っ端から頼みたい」。

高知市のイタリア料理店「バッフォーネ」で、心が叫ぶ。

本日のおすすめと黒板に手書きされたメニューをみていると、大人買いをしたくなる。

後先考えずに、全部注文したくなる。

メニューの一つ一つに、長年にわたって高知の食材でイタリア料理を作ってきただろう、安定感があって、胃袋が刺激されるのである。

さあ、頼もう。

でも、この店に来たら必ず頼まなくてはいけない一皿がある

「スパゲッティ・ジェノベーゼ」である。

ご存知、バジリコを中心として、にんにく、松の実を潰し、パルミジャーノとペコリーノチーズとオリーブオイルを混ぜに混ぜたペーストで会えたパスタ料理である。

イタリア北西部リグーリア地方の郷土料理だが、この店の名物だという。

この店に来た人は必ず頼むとも聞いた。

しかし、ここはまずは旨味が深い「うるめイワシマリネ」からいってみようじゃないか。

お次は、燻製の香りがきいて、肉をかみしめる喜びがある「燻製セセリのピンチョス」。

2日に一度、高知市春野町から取り寄せるという、野菜のおおらかな味が広がる、芽キャベツ、インゲン、グリンピース、紫キャベツ、人参、パプリカ、菜花などの盛り合わせ野菜で、白ワインを楽しんだ後、パスタをいただくことにした。

そして、「スパゲッティ・ジェノベーゼ」である。

スパゲッティが鮮やかな緑色に染まって輝いている。

なにかこう、麺の一本一本が色に染まって、嬉しそうにしているような躍動感がある。

食べたら一瞬にして、バジルが茂る畑の中に立っていた。

青々しく爽やかな香りに抱きしめられる。

香りの高さだけでなく、暖かさが漂っていてほのぼのとする。

イタリア人でもないのに、懐かしさが漂う。

それは、高知に降り注ぐ、太陽の豊かさを感じるジェノベーゼである。

海の幸が豊富なリグーリア州は、地中海のリグリア海に沿って東西に長く広がっている。

高知もまた黒潮を望みながら東西に、長く広がる。

似たような地形が生み出す、太陽の力強さと土壌の豊かさがバジルに宿っているのだろう。

これは高知に来るたびに食べに来なきゃな。

豚脂とコラーゲンの甘い香りに満ちた「窪川米豚のポトフ」や、鉄分の濃さが噛みしめるほどに溢れる「土佐あかうしのロースト  木の子ソース」。

サンセバスチャンの名物を彷彿とさせる、苦味と甘みとチーズのコクが舌を捉える「ベークドチーズケーキ」も忘れることができない。

ああ、困ったなあ。

またひとつ嬉しい選択肢が増えてしまった。

最後に、オーナーシェフの青野摩周さんと奥様の明子さんの1枚を。

 

高知市帯屋町1丁目「バッフォーネ」にて