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Back To 高知家の2019!ひとつひとつ丁寧に手作りされた変わらぬ味!四万十川名物「筏羊羹」

       

この情報は2022年5月10日時点の情報となります。

これまでたくさんの記事をご覧いただいている「高知家の〇〇」ですが、その中でも人気だった記事や、まだまだみなさんにご覧いただけていないおススメ記事を「Back To 高知家の20○○」としてご紹介します!
今回は2019年5月11日にご紹介した、四万十市の老舗和菓子店が作る「筏羊羹」の記事です。
これまでご愛読いただいている方も、初めて来たよという方も、是非お楽しみください!

高知県にゆかりのある方であれば、このCMソングを聴くと「懐かしい!」と思うのではないだろうか。

高知家○○取材班もそのうちの一人。今回は、その懐かしCMの筏羊羹を作っている右城松風堂を訪ね、高知市から西へ車で約2時間の四万十市に向かった。

天神橋商店街のすぐそばにある「右城松風堂(うしろしょうふうどう)」。創業80年の老舗とあって、外観、特に看板は風情を感じるたたずまいだ。

店内に入ると、ショーケースに高級感ある「筏羊羹」を発見!ばら売りから、3本、5本、15本、20本入りの箱売りまで用意されている。

お話を伺ったのは、田村太一さん。現社長(3代目)の息子さんだ。
田村さんは、高校卒業後は大学進学のため上京。その後は東京で就職していたが、2017年に家業を継ぐためUターンしたという。

-筏羊羹はどのようにして誕生したんですか。
田村さん:昔は四万十川の上流で切った木を、運搬するために「筏」にして下流まで流していました。それをモチーフにしたのが筏羊羹なんです。

なるほど、こんなイメージなのか。

-これをお菓子にしようと考えたアイディアがすごいですね。
田村さん:昭和30年頃、祖父(2代目)が発案しました。祖父は職人ではなかったですが、アイディアマンでしたね。歌を作り、CMを出そうと考えたのも祖父なんです。

-60年の歴史がある和菓子なんですね。昔と比べて、味や製法は変わっていないんですか。
田村さん:全く変わっていません。ちょうど作業をしていますので、よかったら見ていってください。

製造現場にお邪魔させてもらうことに。一体どのように作られているのだろうか。

 

製造工程を紹介

全体の製造は、製造開始から3〜4日かけて完成する。早速工程ごとに紹介しよう。

直径約60cmの銅鍋。上には、攪拌用の大きな羽根が見える。

まずはこの鍋に、水で戻した寒天と小豆で作った生あん、砂糖、水を入れて、かき混ぜながら加熱。
機械を使うのは、この作業が最初で最後。ここからは全て手作業で行われる。

粗熱をとったあとは、小さな鍋に移し替え、鍋から筒の中へ流し込んでいく。
この小さい筒の中に鍋から直接!?と驚く〇〇取材班だったが、その驚きは一瞬で払拭された。
片手にパレットナイフを持ち、どんどん流し込んでいく。プロの技だ。

横から見るとこんな感じ。うまい具合に鍋の位置を調整し、ほとんどこぼれることがない。もっと簡単に流し込める機械がありそうだが、田村さんによると試行錯誤の結果、お鍋がベストということになったそうだ。

筒の下には氷が敷き詰められており、このまま1日かけて冷却する。

次は、包装作業。一人がフィルムを巻き、

もう一人が、上下をしっかり閉じていく。

そして、もう一人が筏の要領で5本の羊羹の両端を結束していく。流れるような連携プレーだ。

山積みの筏羊羹!1日約1,000本製造するそうだ。

最後は箱詰め作業。

表面はなめらかでツヤがあり、甘さは控えめでしっとりとした食感。60年変わらない逸品だ。
常温で食べてもよし、冷蔵庫で冷やして食べてもよしと、温度の変化で違った味わいが楽しめる。

-昔食べた時に手がベタベタになりながら食べた記憶がありますが、上手に食べるコツはありますか。
田村さん:「フィルムに切れ目が入っているため、半分ほど剥がしてもらって、後は下から押し出すイメージですね。」


実際に下から押し出すと、羊羹がつるんと出てきた。

-県外でも販売されていますか。
田村さん:不定期で大手のデパートなどで取り扱っていただくこともありますが、主には県内の土産物屋さんやスーパーマーケットで取り扱っていただいている状況です。

3代目社長の田村昭子さんにも、お話を伺った。

-大変だったことはありますか。
社長:私自身、インターネットや制度などにはうとく、なかなか新しい取り組みへのチャレンジができなかったんですが、そんな時、息子が東京から帰ってきてくれて、取り組みの幅が広がりました。

親子愛を感じるエピソードでほっこりした〇〇取材班であった。

 

60年の歴史は筏羊羹だけじゃない

筏羊羹と同じく60年の歴史を持つ名物といえば、「鮎最中」だ。大小あって、大鮎最中は粒あんと餅が入っており、小鮎最中は白あんと四万十川特産のアオノリの贅沢な風味を味わえる商品だ。

-今後の目標はありますか。
田村さん:県民の方でも若い方は食べたことがない方が多いと思うので、そういった方々に食べていただけるよう取り組んでいきたいです。今後は、県外の方にももっと味わっていただけるような展開を目指していきたいです。

県内の方はもちろん、県外の方、そして子どもから大人までみんなに味わってほしい逸品「筏羊羹」。四万十市に立ち寄った際には、ぜひ店舗に足を運んでみてほしい。

 

店舗情報

右城松風堂

住所:四万十市中村小性町5
電話:0880-34-6161
営業時間:午前8時~午後6時30分
http://ushiroshofudo.jp/

 

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