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家族が原点となった医療従事者の幸せサポート事業 大阪市中央区 株式会社GIVERS BANK

       

この情報は2022年5月3日時点の情報となります。

    画像提供:井澤 貴典さん(撮影者:RedNok 児玉典貴さん)

    2020年に大阪で創業した株式会社GIVERS BANK。医療従事者を対象とする「お悩み相談室」部門を設け、人間関係・働き方・お金・恋愛に悩む医療人を日々サポートしています。その筆頭に立つのが高知県高知市出身の井澤 貴典さん。

    助産師の母をはじめ、家族の影響を受けて現在の仕事を志したという井澤さんに、大阪に出てこられた経緯から事業のこと、故郷・高知への思いをうかがいました。

    学生起業で経営の面白さにふれ 独立を志す

    画像提供:井澤 貴典さん(撮影者:RedNok 児玉典貴さん)

    ―高知から出てこられた経緯を教えてください。

    井澤さん:生まれてから高校3年生まではずっと高知で、京都産業大学への進学を機に関西へ。京都産業大学は、父の母校でもあります。

    ―お父さまと同じ大学を選んだ理由は何だったのでしょうか?

    井澤さん:父は病院などの会計に携わっていて、母は助産師で祖母は看護師。家族それぞれが内外から医療に関わっている環境で育ったんです。祖母や両親の背中を見ているうちに、医療に貢献する仕事につきたいと自然に考えるようになりました。

    一時は医師も目指したのですが、自分はどうも父と同じく医療を外から支えるほうが性に合っていると感じて。そこから「父の道=京都産業大学への進学」へと舵を切り、京都産業大学経営学部へ入学しました。

    ―どのような学生生活だったんでしょうか?

    井澤さん:経営学部といっても、教鞭をとる方が全員経営経験者かといえばそうではありません。そこでもっと多くの経営体験にふれたいと考え、経営者と出会える確率の高い割烹やバーでアルバイトを始めました。

    また、多くの大学・短期大学が集まる京都の特性に着目し、京都の魅力をより高めることを目的とした地域連携プラットフォーム「大学コンソーシアム京都」が用意していた単位互換制度を利用して、他の大学で開講されている医療系の授業をたくさん受講しました。

    そこで自分と同じく医療従事者を親に持つ同級生と出会って意気投合。「ゆくゆくは起業を」という夢をよく語り合ったものです。こうした学生生活を送っている時に、アルバイト先でとある医療系の会社経営者と知りあいました。

    医療施設への人材紹介、クリニックや薬局の開業支援を行う会社の社長さんでしたが、私が医療への思いをお話しすると「一度経営をやってみなさい」と。20歳くらいの時に、その会社のフランチャイズに近い形で学生起業をさせてもらったんです。

    ―そのときの事業というのは?

    井澤さん:医療従事者の人材紹介がメインのお仕事でした。それがめちゃくちゃ面白かったんです。仲間とチームを組んで、思いきり働いて、オフはオフでしっかり遊んで。そんな暮らしが楽しくて仕方がありませんでした。しかも医療に関われる仕事でしたから、言うことなしですよね。この体験を通して、「経営者になりたい」という思いがより強くなりました。

    医療人が元気になれば、患者さんも笑顔に

    画像提供:井澤 貴典さん(撮影者:RedNok 児玉典貴さん)

    ―卒業後はどのような道を歩まれましたか?

    井澤さん:製薬と金融、各業界に数年ずつ身を置かせてもらいました。社会人生活の中でいろいろな方とご縁をいただき楽しく仕事をさせてもらっていましたが、医療従事者のサポートをしたい思いは年々強くなっていきました。

    そんな私の志に共感してくれる方と出会い、ありがたいことに「好きな仕事で世の中の役に立とう。そんな会社を一緒にやろう」とお誘いいただいて、株式会社GIVERS BANKに参画。今まで以上に日々が充実しています。

    ―そもそもなぜ、対象が医療従事者なのでしょうか?

    井澤さん:そこは母の影響が大きいです。母が働いている病院を受診した時、同僚はもちろん、患者さんにも頼りにされながらテキパキ働いている姿が本当に格好よかった。自慢の母親です。

    「母は強し」を地で行く人で、私を含め兄弟3人、好きなことを好きなだけやらせてもらうことができました。その点でも本当に感謝しています。

    そんな母がしんどそうな顔をすることがあって。母にとっても誇らしい仕事だったのは間違いありませんが、それだけにストレスも大きかったようです。でも、子どもだった私にはどうすることもできない。たくましい母がふと見せた表情は、何もできない歯がゆさも相まって特に印象に残っています。

    ―そういうご経験から、医療従事者にサポートが必要だと考えられたのですね?

    井澤さん:激務で体がつらく、休日も外へ出る気力がわかない。すると、人間関係が職場に限られていき、新しい刺激を受けにくくなる。なんとなく閉塞感を覚えるようになり、心にも疲れがたまっていく。そんな環境にいる医療従事者の気持ちが少しでも上向きになるようなお手伝いができれば嬉しいですね。

    医師をはじめ医療スタッフが元気だと、話しかけられた患者さんの気分もよくなって、いい循環も生まれていくと思うんです。

    ―具体的にどのようなサポートをされているのでしょうか?

    井澤さん:人間関係・働き方・お金・出会い、4つの側面からサポートを行っています。

    たとえば、「人間関係」では職場でのコミュニケーションがよりスムーズになる話し方や聞き方をアドバイスしています。医療従事者にはメンタル系のコミュニケーションスキルを高めていきたい方も一定数いらっしゃるので、そうした場合はカウンセラーさんや臨床心理士さんをご紹介して経験談を聞いてもらったり。あとは、私自身がひたすらお悩みごとを聞く。誰かに聞いてもらうだけでも、すっきりする部分はありますからね。

    「働き方」は、人材や転職先の紹介です。転職が決まった方の引っ越しをお手伝いしたこともありました。「お金」は、教育要素が強いです。医療従事者のみならず日本にはまだまだお金の知識にうとい方が多いので、「金融商品で賢く資産を増やすには?」といったレクチャーを中心に。

    最後に「出会い」。恋愛系はもちろんですが、ドクター同士の勉強会など自己成長を目的とした同業種・異業種との交流の場を設けることもしています。これがとても好評で。集まれるようになったらざっくばらんに情報交換ができる座談会なども開催したいですね。

    あふれる人間愛  高知愛で地球を幸せに

    画像提供:井澤 貴典さん(撮影者:RedNok 児玉典貴さん)

    ―高知県への思いや、高知県人としての誇り、あるいは高知県への恩返しの構想などがあれば教えてください。

    井澤さん:ご存じの通り高知県は首都でも経済圏でもないし、テーマパークもありません。でも、みんな高知県が大好き。たとえ外に出て行っても、すぐに帰ってきちゃう。理由を聞いたら「やっぱり高知が好きだから」と返ってくるくらい、高知愛が強いんです。

    ただ、高知への愛は共通でも、私のようなギラギラ系でバリバリ仕事をしたい高知人もいると思います。そういった人に「井澤のような働き方もあるんだ。自分もチャレンジしてみよう」と思ってもらえる一種のアイコン的存在になれたらと思っています。

    ―具体的なイメージはありますか?

    井澤さん:医療のコンサルティング業を高知で始めて、若い人達が故郷でバリバリ働いてお金を稼げるようにサポートするビジョンはあります。地域医療、ひいては高知自体へも貢献できれば、と。

    サッカーをやっていた経験を活かして、サッカーチームと企業を結び付けるのもいいなと思っています。サッカーチームが強くなって、その企業に入りたいという人が出てくれば、地域活性化や人口増にも繋がります。

    これからどんな事業を行うにしても、基本軸はやっぱり「幸せサポート」ですね。皆の幸福値が上がっていけば、この地球はさらに明るく丸くなってくれると思っています。

    企業情報

    画像提供:井澤 貴典さん(撮影者:RedNok 児玉典貴さん)

    株式会社GIVERS BANK

    住所:大阪府大阪市中央区平野町1-8-13 平野町八千代ビル9階

    TEL:06-6204-6704