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【高知グルメ】メニューごとに異なる特製ダレに絡めて仕上げた焼肉屋さんランチ「焼肉はりまや」ほっとこうちおすすめ情報
この情報は2022年4月3日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹にとんかつ、フレンチにエスニック、そしてスイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす「美食おじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する高知家の〇〇の人気連載記事「高知満腹日記」。今回は、高知で古くから愛されている老舗イタリアン「アミーゴ」の人気メニューをいただいてきました。
店長の笹岡さんにお聞きした。
「お店のおすすめか、一番人気はなんですか?」。
すると、即答だった。
「ポタージュスープです」。
今まで、たくさんのお店に行ったが、おすすめ料理や一番人気で、ポタージュスープを勧められたことはない。
いや、例えそうだとしても、そう答える店は少ないだろう。
「では、次に人気なのは、どれですか?」そう聞くと、やはり即答だった。
「エビライスです」と言う。
そう来たか。パスタやピザ、肉料理を超えて、ご飯ものですか。
きっとピラフだろう。
エビの出汁を入れて炊き込んだ本格ピラフかもしれないと思い聞いてみた。
「エビライスってピラフですよね?」
「いやチャーハンです」。
ここは創業62年となる、イタリアンである。
三階建の堂々たる一軒家で、都会にもこんな立派な佇まいのイタリアンはない。
ただ、イタリアンなのに店名が「アミーゴ」とスペイン語であり、古い店らしい。
メニューを開けば、パスタの欄には、トマトソーススパゲッティや自家製パンチェッタのカルボナーラ、ミートソースに混じってマカロニグラタンもある。
自家製でパンチェッタ(塩漬け豚バラ肉)を作っているとは本格的だが、本来イタリア料理店にはないマカロニグラタンも置いているとは、長らく庶民に愛されてきた証拠だろう。
「そのほかに人気はなんですか?」と、聞けば
「チキンカツです」との答えが返ってきた。
人気はパスタでもピザでもない。
ポタージュにエビライスにチキンカツである。
長らく店をやられていると言うことは、このように多様なニーズを柔らかく吸収していくということなのだろう。
こうやって箸が用意されているあたりからも、そのことが伝わってくる。。
「それでは、ポタージュスープとエビライス、自家製ソーセージ。トマトソーススパゲッティにカモッラというピザをください」。
人気のポタージュスープとエビライスは頼まねばならない。
そしてイタリアンとしての実力も推し量るためには、基本の基本であるトマトソーススパゲッティも頼まなくてはいけない。
そしてピザも人気と聞いていたから、その中で変わった、おそらくオリジナルのカモッラも頼もう。
さらには自家製ソーセージも食べてみようと言うわけである。
やがて薄茶色のポタージュスープがカップに入れられて、赤いテーブルクロスの上に置かれた。
見た目は普通のようである
一口飲んで頷いた。
店の人気がポタージュですと言われた時は面食らったが、理解できる。
白胡椒が効いていて、スープの甘みを引き立て、その中に茶色い肉片のような ものが点在している。
それが旨味の後押しをする。
ほかにはない味である。
聞けば、玉ねぎと牛肉とルーで作っているという。
バターや生クリームと牛乳も入っているとのことで、いい意味の純朴な田舎っぽさがあって、舌と心を温める。
こりゃあ、ここにきたら、まずは飲みたくなるわけだなあ。
次に、「ピラフではなくチャーハンです」と、正々堂々と言われた「エビライス」が運ばれた。
一口食べる。 強さと優しさ。
完全にチャーハンである。
いや焼き飯といったほうがいい。
具は、ベーコンとエビと玉ねぎにマッシュルームで、パラリと油で炒められて、醤油の香りが漂う。
よく見れば、存在感は薄いが卵も見え隠れしている。
ローマの中国料理店で出される炒飯といった雰囲気があって、クセになる。
思い出すと無性に食べたくなる味である。
一番出るというのが理解できた。。
こうして文を書いていても、味が蘇ってきてまた「アミーゴ」に行きたくなってきた。
ではピザやパスタはどうなのだろうか?
昭和的日本のイタリアンの味なのか?
それとも本格的なのだろうか。
その話は、次号でお届けしたい。
高知県高知市廿代町「アミーゴ」にて