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年を経るごと絆は強く「報本反始」の校是のもと 大阪府豊中市・高知商業高等学校校友会 関西支部

この情報は2024年8月8日時点の情報となります。

    毎年6月に開かれる高知商業高等学校校友会(以下、高知商業校友会)関西支部の総会・懇親会。その案内を心待ちにしている関西圏の会員の数は100名をゆうに超えます。

    迎えた当日、会場のそこかしこから聞こえるのは「元気そうやね」という挨拶の声。そして、そのまま話しこむOB・OGの姿。

    このような光景を見るたびに関西支部事務局を務める中越政人さんは「楽しみにしている方がいるかぎり、この会をお世話を続けたい」と、決意を新たにしています。関西で活躍するOB・OGたちを繋ぐ立役者・高知商業校友会について、中越さんにうかがいました。

     

    高知商業校友会に根づく、恩送りの文化。世代を超えて築かれた信頼関係こそ財産

    画像提供:高知商業校友会

    ─高知商業校友会 関西支部のご活動について教えてください。

    中越さん:高知商業校友会 関西支部の始まりは1986年。高校野球で名を馳せた吉井さんというOBがおられ、その吉井さんが関西におられたことに端を発します。吉井さんのまわりに野球部の先輩・後輩が集まって「高知商業の知り合いが増えてきたから、校友会を作れるんじゃないか」という声もありましたが、起源は「黄木会」であります。

    主な活動は、年に一度の総会・懇親会からなる催しとゴルフコンペ。総会・懇親会では、高知産のお土産をお一人に一つお渡しできるよう事前に高知県の業者さんに頼んでいます。関西では手に入りにくいものを取り寄せているため、皆さん喜んでくださいますよ。

    それともう一つ。母校・高知商業高等学校野球部が甲子園へ出るために関西へ出て来たときは、選手全員と監督を招いて祝賀会を開き、滞在費などに充てる寄付金を贈っています。

    甲子園出場には、もろもろの経費を合わせれば数千万円はかかります。寄付がないと、とても回りません。その点、校友会 関西支部は野球部OBが多く、後輩たちの活動を喜んでサポートしてくれる方が多いんですよ。

    ─総会や懇親会を催すうえで心がけておられることはありますか?

    中越さん:同窓生に会ってエネルギーをもらったり、ちょっとしたお土産から高知を感じたりするだけでも、不安やホームシックを感じている先輩方・後輩たちは大きな安らぎを得るはずです。こうした寂しさも癒せる会にしたいと考え、工夫を凝らしています。

     

    校是「報本反始」を胸に、謙虚さを忘れず、取り組み続けた数十年

    ─お聞きしていると、高知商業校友会に一枚岩の強さを感じます。

    中越さん:校友会の会議一つとっても、会長やほかのどなたかが発言すると全員で話し合います。こうした団結力の強さは、母校・高知商業高等学校が掲げる校是の影響を受けたからだと考えられますね。

    校是は「報本反始」。もとは中国の書物・礼記の言葉で、本に報いて始めに返りなさい、自分が今あるのは誰のおかげかを考える、そういう謙虚さを忘れてはいけないよ、といった考え方のことです。

    高知商業が甲子園に出場した際には、この「報本反始」を大きく入れた横断幕を応援席に張りだします。校是の精神で試合に臨みなさいというメッセージを込めて、選手たちを応援しています。

    ─校友会の皆さんだけでなく、現役の生徒の皆さんとの絆を感じられるエピソードですね。

    中越さん:実は、私自身も野球部OBです。野球で甲子園に行くために高知商業へ入ったようなもので、学生生活は野球一色でした。3年生の春に甲子園でベスト8、同夏はベスト4という成績をチームで収めたのはよい思い出です。

    当時は部長を通じてプロ野球から声かけいただきましたが、肩を壊したこともあって銀行へ就職。その後、一念発起して単身大阪へ出てきました。いろいろな仕事に挑戦し、たどり着いたのが保険の仕事です。

    「相手の立場で考える」「必要がない保険を提案しない」という軸を大切に歩んできた結果、おかげさまで東京海上日動さんの代理店48,000店中50位以内の店舗がもらえるTOPQUALITYの称号をいただきました。

     

    今後の活動展開について


    画像提供:高知商業校友会

    ─校友会運営について、今後の展望をお聞かせください。

    中越さん:総会・懇親会開催となれば最大110名ほど集まる関西支部ですが、年々会員は少なくなっています。校友会自体が高齢化していて、「行きたいけれど体が動かない」という先輩もいらっしゃいます。一方、若い層では友人同士が既にインターネットを介して連絡を取りあっていて、わざわざ集まりに来なくても会える・話せるといった気持ちが強い傾向にあるようです。

    ─世の中の変化に伴って、繋がり方が変わってきているのですね。

    中越さん:そもそも、高知商業校友会 関西支部があることを知らない方もいらっしゃいます。OB・OGを見つけたら参加を促していただいて。それぞれの代で必ず一人は役員をお願いしています。すると、役員を受けてくれた方が同級生を呼んできてくれるんです。

    「参加したら同級生と再会できた」という喜びの声を耳にすることも。毎年、集まりを楽しみにしてくださっている先輩方もおられます。こうした結びつきが生まれる場だからこそ、存続に不可欠な若い層の加入を促しつつ、できる限り校友会活動を継続していきたいと考えています。

     

    高知県への想い  高知県人としての誇り

    ─お話しの端々から、あふれる高知愛を感じています。

    中越さん:高知愛はすごく強いです。子どもの頃は四万十川でエビやウナギを獲って食べたり、釣ったカエルを売ってお小遣いにしたりと、自然の中で育ちました。38歳で独立・事業を始めてからずっと、恩返しとして高知に支店を出したいとは考えていました、未だ実現に至っていません。

    最後に、現在公立学校では、少子化により定員割れで廃校、統合が進んでいます。施設の老朽化も進んでいます。このことは全国的な問題です。母校・高知商業もその一つですが、学校長や文化部の努力によりかろうじて定員割れせず統廃合を免れています。

    高知市の税収を鑑み予算組みも大変ですが、高知商業野球部においては特に市外から通う生徒の寮や屋外練習場の老朽化が顕著です。しかし、そこでもっぱら私が希望するのは「部員たちの不便は自分達で考え改善する姿勢」をもってほしいということです。

    今だから出来ることもあります。生徒たちの清掃活動や草むしりは当然です。不便を感じたら他人任せにせず、一つの手段としては野球部員がまずは声を出し『無償型クラウドファンディング』の呼び掛けをし、生徒会、保護者会、後援会の協力を得るべきではと私は思っています。また、高松商業の様に元大リーガーの指導を仰ぐのも成長につながります。

    ─夢を実現されたのですね。

    中越さん:新社長も実は高知商業の後輩で、しかも野球部OB。現役時代のポジションと背番号も同じでピッチャー10番。同じ志を持ち、同じ方向を向いて進んでいける方だからこそ、社長の仕事と高知支店を任せようと決意できました。

    これからも報本反始の精神で、関わってくださる皆さんの喜びづくりをサポートいたします。

    団体情報

    高知商業高等学校校友会  関西支部

    事務局長 兼 副会長:中越 政人

    設立年:1986年

    住所:560-0023 大阪府豊中市岡上の町4-4-3 株式会社きんき保険ステーション内

    URL:https://www.kinki-hoken.jp/

    電話番号:06-6840-4545