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高知出身者が創設 地域に愛され50年以上続く老舗企業 大阪府高槻市「サンワテント株式会社」

この情報は2024年8月1日時点の情報となります。

    大阪府高槻市富田町にある「サンワテント株式会社」は、関西圏を中心に施工も行うテント・看板の制作会社。

    安心安全をモットーに50年以上の歴史をもつ老舗企業です。

    同社を創設した三本登(みもと のぼる)さんは高知県出身で、元高槻市会議員という顔も持ち、高槻市の発展にも尽力されてこられた方。

    今回は、そんな三本さんに創設者として自社の活動や出身地である高知県への想いについてお話をお伺いしました。

     

    「お店の発展に貢献するために」時流を読んだ経営を

    ─「サンワテント株式会社」の事業内容について教えてください。

     三本さん:基本的にテントや看板など、外観に関する施工を行っております。

    現在、人口減少により店舗が少なくなってきています。そのため、お店の発展を応援したいそんな想いが募り、ここ10年ぐらい時代の流れに合わせて広告業にも力を入れています。

     

    開業動機は高知県にいる両親と兄弟からの熱い想いに応えたくて

    ─どのような経緯で大阪の高槻市でテント店を立ち上げたのですか?

    三本さん:両親や兄からの言葉がきっかけです。機械いじりが好きで、もともとは車などのエンジニアを目指していました。とはいえ、うちはそれほど裕福でもなかったので、地元・高知で中学を卒業後、実家で暮らしながら精米の仕事をしつつ、趣味で機械いじりをしていたんです。それから、すでに大阪で暮らしていた兄の影響で、大阪へ出てきて自動車整備の仕事に就きました。当時、15歳でした。

    自動車整備の仕事でエンジニアとして技術を磨いている最中、両親や兄から商売をやって欲しいと言われたのが始まりです。私は、10人兄弟の中でも特に話をすることが得意だったこともあって、事業をするのに向いていると思われたようです。

    ─それで起業されるにことになったわけですね。当時、エンジニアの夢を持っていたとのことですが、夢をあきらめるというのはつらいことだと思います。それに関して当時の三本さんは、どういうお気持ちだったのでしょうか?

    三本さん:当初は、何度も断り続けていました。ですが、両親が高知県から大阪へ船に乗って説得にくるほどに熱心だったんです。それで「これはお世話になった家族の恩返しのために商売をするべきだ」という気持ちが芽生え、当時発展していたテント事業の商売を始めたのが起業の経緯です。

    ─当時のテント需要は、今とどう違ったのでしょうか?

    三本さん:インターネットはなく、商店街に活気があふれている時代だったので、テント需要がとても高かったんです。おかげで、事業の発展も好調でした。

    ─貴社の沿革を拝見しますと、創業は隣の茨木市だそうですね。そこから高槻市に移転されたのには、どういった経緯があったのでしょうか?

    三本さん:高槻市にご縁が生まれまして、それで高槻市に拠点を置くことにしたんです。その過程には、出会った人の縁や周りの人からの高槻市議会議員の推薦もありました。50年以上の年月が経った今でも、ここ高槻市で運営しています。

    ─高槻市の市会議員としても活動されていたところに繋がってくるわけですね。しかし、経営者・市会議員、どちらもとてもお忙しいお仕事かと思います。二足のわらじは大変ではなかったですか?

    三本さん:市会議員の活動を始めて間もなく、サンワテントの代表の座を妻へ譲りました。現在は、息子が経営者として務めてくれています。私から妻へ、そして息子へと継承したことで、高槻市で50年以上もの歴史をもつ老舗テント店として運営ができています。

     

    「とにかく人のために」地域から愛されるテント店

    ─経営理念やモットーなど、事業をする上で大切にされていることは何ですか?

    三本さん:安心・安全をモットーに事業を続けさせていただいていますが、一番大切にしていることは、「世のため、人のために動くこと」。これは人間として自然の原理だなぁと思っています。

    テント事業を立ち上げたころから現在に至るまで、テントや広告事業のほかにも周りの方のためになれば良いなという想いがあって、自分にできることは積極的に行動してきました。

    ─たとえば、どんなことでしょうか?

    三本さん:ユニセフの寄付ですね。テント事業で売り上げた利益を寄付金に充てています。

    そのほか、高槻市の市議会議員をやっていたこともあり、市民の皆様のためにいろいろな問題とも向き合ってきました。それらの問題解決ができたときは大変嬉しかったのを覚えています。

    ─問題解決の場面では、ときに難しいと感じることもあるのではないですか?

    三本さん:そうですね。全部が全部上手くいくわけではありませんが、自分の行動によって周りや家族が喜んでくれるのを見ると、自分が行動してよかったなぁと感じます。

    大阪に来て約66年もの間、高槻市と高知県にはいろいろな想い出があります。それと共に、今までたくさんの人に支えていただきました。

    テントや広告の事業を通してあらゆるお店の繁栄に貢献しつつ、地域密着型で運営している『サンワテント株式会社』で、その恩返しになることができたら嬉しいなと思います。

     

    今後の事業展開について

    ─今後、どのようなことに力を入れていきたいですか?

    三本さん:地域のお店の発展のために、広告事業にも力を入れていきたいですね。というのも、54年前にこのテント事業を立ち上げたときと現在では、需要も変わっています。人口減少もあって、商店街がもうほとんどなくなり、テントそのものが、かなり衰退してきました。

    ─シャッター街なんて呼ばれる商店街も多くなりましたよね。

    三本さん:ええ。それで、テント事業のほかにお店の発展のためにできることは何かを考えたんです。近年はオンラインショップなどインターネットで小売りをする人も増えていますから、広告事業に力を入れればお店に貢献できるのではと思いまして、10年ほど前から広告事業に特に力を入れるようになりました。

    テント事業ももちろんですが、今後も時代の流れに合わせて柔軟に事業展開に力を入れていく予定です。

     

    高知県への想い・高知県人としてのプライド

    ─高知県に対して想うことがあれば教えてください。

    三本さん:高知県がもっと発展することを期待しています。そのためにも、まずは新幹線の開通が必要不可欠だと考えています。発展性でいえば、日本列島の中でも四国4県だけが取り残されていると感じています。新幹線が通れば、観光客の呼び込みや企業誘致が飛躍的に伸びると思うのです。

    高知県は、新鮮な魚と野菜だけではなく、空気や水までも美味しい。さらに景色もとても良い。どこを取っても観光地にはぴったりなんです。時期になれば、よさこいだったりとか浜辺歩きだったりとかイベントもありますしね。

    ─たしかに、新幹線が開通すれば、本州との往来もさらに便利になりますね。

    三本さん:そうです。新幹線が通れば、高知でとれ立ての食べ物を当日の夕方には関西で販売することが可能になります。現地へ直接行けない関西圏の人にも、高知の美味しい野菜や魚を楽しんでもらえるようになるのです。

    良いところがたくさんある高知県をさらに活性化させるためには、やはり交通の利便性は大事なのです。高知県の活性や発展のためにも、私は新幹線の開通を願っています。

     

    会社情報

    サンワテント株式会社

    事業内容:テント事業、看板事業

    代表取締役:三本 満

    創業時期:1966年12月

    住所:〒569-0814大阪府高槻市富田町6-1-17

    URL:https://sanwatent.co.jp/

    電話番号:072-696-7700

    営業時間:8:30~17:30

    定休日:土日祝