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この情報は2021年6月25日時点の情報となります。
普段、私たちが何気なく使っているATM。正式名称は、Automatic Teller Machine、直訳すると自動窓口機械。意外と知られていないその機能や疑問を、前編・後編に渡って探っていこうと思う。
今回は、その後編。ATMのユニバーサルデザインとこれからについて伺った。
前編に続いて、四国銀行の北添さんに、私たちの知らないATMの不思議について教えてもらうぞ。
【記事】キーワードは「誰でも」ATMの不思議を探るとこれまで気づかなかった使う人への優しさを知ることに【前編】
さっそく、前編では聞ききれなかった普段抱いている疑問をぶつけていく。
-銀行やスーパーに併設されているATMなど、普段いろんな場所で使っていますが、全て同じ機種ですか?
北添さん:四国銀行では、現在2種類のATM「BankIT」と、その後継モデルである「BankIT Pro」を導入しています。これらは振り込みや引き出しなど使える機能には大きな差がありませんが、少しずつ違うところがあるんです。
北添さんが代表的な違いとして挙げたのが、年齢や身体的状況などに関わらず、全ての人にとって使いやすい「ユニバーサルデザイン」だ。
北添さん:「BankIT Pro」の横にある三角の形の凹み。これ何だかわかりますか?
これは車椅子で利用される方が、手をここに引っ掛けて、車椅子を引き寄せるための凹みなんです。
あと、このATMの横に設置されている受話器。これは何かトラブルがあって銀行員を呼ぶためのものではないんです。
目の不自由な方のためのもので、受話器の内側のボタンを押して、入金や引き出しができるんです。
生活に必要なATMだからこそ、全ての人に使いやすいようにデザインされているのか。今まで何百回と使ってきたのに、そういう視点で見たことが無かった。
北添さん:ATMは説明書を見ながら使うものではないので、初めて使う方、ご高齢の方、障がいのある方など誰もが使いやすいデザインであることが大切です。「BankIT Pro」を初めて導入する時には、私自身も車椅子に乗ってATMの使いやすさを試してみました。
また、画面表示は文字のサイズを大きくしたり、コントラストを調整するなどして視認性を高めるための変更を加えているという。
北添さん:「誰にとっても使いやすいように」ということは、常日頃から意識しています。これがATMというサービスを提供する上で、一番大切なことかもしれませんね。
無人であるからこそ、いかに分かりやすい、そして利用しやすいかが追求されたATM。
そして運用する側も、その視点を持ち続けることが大切なのだ。
よりユニバーサルに進化しているATM。
今後は、どのような機能や装備がついていくのだろう。
北添さん:ATMは皆さんの生活の一部として定着している存在です。これまで使ってきた人の目線を考えると、劇的な変化はないかと思います。それでも、これまでも変化してきたように「誰にとっても使いやすい」という視点を取り入れた進化というのはこれからもあるのではないかと思います。この先も、ATMを必要とする幅広い世代の方に使っていただけるサービスを提供していきたいです。
そうした機能がついたものや、私たちの予想を超えるサービスを備え付けたATMが、いつか街角に現れるかもしれない。
いつも使っているけれど、意外と知らなかったATMのあれこれ。話を聞いてみると、使う人への優しさがサービスの根底にあった。
四銀ルーム
https://www.shikokubank.co.jp/room/
文/長野春子