グルメ
【高知グルメ】並んででも食べたい旨いラーメン「鶏と魚」ほっとこうちおすすめ情報
この情報は2021年3月22日時点の情報となります。
高知家の家族をご紹介!人のあたたかさや、大自然が自慢の高知県。そこで暮らす人たちにフォーカスをあて、日々の生活や仕事について魅力を探る。
高知県の東南端、室戸市で「土佐あかうし」の繁殖農家を営む松本拓也さん。「土佐あかうし」は年間出荷量が約500頭、国内に流通する和牛の0.1%という希少な肉用牛だ。
松本さんは高知で生まれ、東京の大学へ進学。卒業後は、沖縄で会社員として社会人生活を過ごしていた。しかし、社会人として思うように能力を発揮できない自分に悶々とする毎日。
このままではダメだ!と心機一転、興味のあった畜産業を学びに北海道へ。その後、24歳の時に実家のある高知県へ戻り、畜産研修制度を活用し、土佐あかうしの繁殖に携わるようになった。
高知での畜産研修制度を利用した研修期間は2年半。最初の1年は室戸市佐喜浜町の畜産農家山口さんのところに住み込みで、知識と技術を学んだ。
山口さんからは、手取り足取り繁殖農家になるためのイロハを教えてもらった。
住み込みの期間が終わり、2年目は実家のある芸西村から研修地まで片道約70kmもある道のりを自転車で往復したそうだ。研修期間中の収入は補助金のみだったが、移動は自転車だったこともあり、出費は家賃と食費くらいだったという。少しだけ貯金にまわすこともできていた。
そうして2年間の研修を終えた松本さんは、山口さんを通じて離農される畜産農家さんの牧場と牛舎を譲り受けることに。高知で生まれた出会いによって、トントン拍子に話が進んでいった。
放牧地を開拓する際には、室戸市役所の方々にも助けてもらった。
繁殖農家としてのスタートは、将来の母牛になる子牛の仕入れからからはじまる。
仕入れた子牛が大きくなったら種付けを行い、母牛から子牛が生まれたら出荷。妊娠、出産を経て、子牛が大きく育って出荷するまで、はじめの約2年間は収入がない。
収入はなくとも、エサ代などの出費はある。そのため、はじめの2年間は肉体的にも精神的にもしんどい期間が続くのだという。
大変なのはそれだけではなく、生き物相手なので休みがなかなか取れないこと。また、自然災害や病気の流行、放牧場での事故など、防ぎようのない事でダメージを受ける可能性が常にあることだ。
それでも繁殖農家を続ける理由は、「秘密基地を作っていくような感覚が味わえるからだ」と松本さんは言う。
牛のお産のために泊まり込みで対応できるよう牛舎内にロフトを作るなど、自分の思い描いた計画を実行し、達成できることにやりがいを感じているのだ。
生活のほとんどの時間を仕事に費やしている松本さん。仕事への情熱は誰よりも熱く、牛への愛は誰よりも強い。
松本さんが飼育している「土佐あかうし」は、牛舎ではなく、広い山を自由に行き来し暮らしている。
山地放牧をはじめた理由は、大きな牛舎を建てるための莫大な資金、広大な牧草地が必要なく、その時の自分の状況に合うと判断したからだという。
山に生える野草をエサにできるため、エサ代も抑えられて処理する糞も少なくて済むそうだ。
そして強靭な足腰と、暑さに強い身体、さらに温厚な性格をあわせもつ「土佐あかうし」と山地放牧との相性がいいのだと松本さんは言う。
のんびりとした時間が流れる山地で、ストレスフリーな生活を送る牛たちの様子が写真からうかがえる。
私のような繁殖農家や新規就農者は日本中にいますが、TVや取材に取り上げていただけるのは人の少ない室戸市だからです。
室戸市は、挑戦した人が主役になれる可能性が高い場所だと思っています。
繁殖農家になりたい!という方がいましたら、一緒にやりましょう。将来的には、牛の繁殖から加工までの一連の流れを室戸市の中で完結できたらいいなと思っています。
情報提供
参考:https://kochi-iju.jp/koe/interview/matsumotosama202101/
文/さたけゆうや