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Back To 高知家の◯◯!「道の駅 布施ヶ坂」のちょっと変わった地場産品と天狗が待ち受ける100メートル級!ローラー滑り台
この情報は2018年5月21日時点の情報となります。
全国津々浦々にある商店街。高知県内にも高知市を中心に個性的な商店街が点在している。
そんな商店街をぶらりと歩いてみるこの企画。普段は気付かない新たな発見があるかも?
高知県の中央に位置する高知市。
市内には大小さまざまな商店街があり、それぞれの雰囲気も個性にあふれている。
今回は、とさでん交通大橋通電停の南にある「天神橋通商店街」。
かつては「南大橋通り商店街」と呼ばれていたそうだが、昭和42年から今の名称になったという。
この商店街の周辺は、自由民権運動の祖である板垣退助や幕末から明治にかけて功績を残した後藤象二郎、さらには板垣らと共に自由民権運動で活躍した片岡健吉らの誕生地跡が点在するなど、幕末の偉人を生んだ土地でもある。
そんな歴史にもゆかりの深い商店街をぶらっと散策してみた。
電車通りから南に向かうとまず目に留まったのが、店名が不思議すぎる八百屋「咳する坊や」。
この八百屋らしからぬネーミングが実は以前から気になっていたのだが、この機会に店主にいろいろ話を伺った。
元々このお店は昭和55年に居酒屋として開店したのだが、10年以上前に居酒屋をやめて八百屋を始めたのだそうだ。
肝心の店名の由来だが、かつて店主が外国航路の船員をしていた頃、航海中の暇つぶしに読んでいたのが19世紀のフランス人作家エミール・ゾラの作品群「ルーゴン=マッカール叢書」で、その作品のひとつ「居酒屋」に登場する居酒屋の店名「咳する坊や」にちなんでこの名をつけたという。
まだ居酒屋だった頃には有名作家が執筆していた雑誌のコラムに取り上げられたことがあったのだが、その作家は「咳する坊や」の由来がエミール・ゾラの小説だったことに気付かなかったそうだ。
ちなみに現在は、店頭よりもインターネット通販サイトでの販売が主体になっているそうで、文旦や小夏など季節の果物や生姜を中心に高知の農産物を全国に発送している。
居酒屋から八百屋、そしてインターネット販売と、時代の流れに乗って変貌を遂げた「咳する坊や」。
店名といいその歴史といい、なかなかユニークなお店だ。
さらに商店街を歩いてみて気になったのが、すぐ近くで2軒の和菓子店が共存しているということ。
それが電車通りに近い「御菓子司 小笠原」と、少し鏡川寄りに位置する「御菓子司 新月」だ。
「御菓子司 小笠原」は昭和24年に創業。
2代目のご主人が得意とするのは高知の魅力を取り入れた創作和菓子。
名物はサンゴ由来のカルシウムやミネラルを包んだバター生地をもなか皮で包んだ風味豊かな味わいの創作和菓子「よさこいくじら」。
また、暴漢に襲われ怪我を負いながらも自由民権の思想を曲げなかった頑固一徹な板垣退助にちなんだ「板垣がんこまんじゅう」という商品もあり、カリッと堅めの頑固な歯ごたえと黒糖のコクがクセになると評判なのだそうだ。
一方の「御菓子司 新月」は昭和28年創業の正統派和菓子にこだわり続ける和菓子店。
こちらのお店には店内にイートインスペースがあり、小さな七輪の炭火で自分が焼いたお団子がいただける。
お団子を自分で焼いて食べる機会はそうそうないはず。そして何より、インスタ映え間違いなし!
味付けはみたらしとあんこの二つの味が楽しめるので大満足だ。
その他、板垣退助がルイ・ヴィトンを日本で初めて持ったとされるエピソードにちなんだ「美惇最中(びとんもなか)」など、見た目にも楽しい和菓子がたくさん販売されている。
(取材時は売り切れで写真が撮れず…残念)
また、毎月新月の日には和菓子づくりのワークショップが開催されるので、興味のある方はぜひ和菓子づくりの楽しさを体験してほしい。
ランチタイムに向かったのは、天神橋通商店街のアーケードが途切れた少し先にあるラーメン店「純 手打ちラーメン とがの」。
製麺機で麺を作ることが主流のラーメン業界。
しかし、店名の通りこのお店では店主自らが麺を打つ珍しい手打ちラーメンを提供している。
麵はさすが手打ちならではのモチモチ食感。喉越しもつるりとしている。
決して昨今の流行に乗ったラーメンではない昔ながらの雰囲気の残るラーメン店。麺を打つ音をBGMにいただくラーメンは懐かしい味がした。
2018年5月26日(土)には、毎年この時期恒例の「板垣退助誕生祭」が開催予定。(ちなみに板垣退助の誕生日は1837年5月21日)
つきたてのお餅の販売や1,000円以上の買い物で貴重な「板垣退助100円札」1枚がおつりとしてもらえるなど、イベントもあるそうなので要チェックだ!
■天神橋通商店街
http://www.tenjin-bashi.com/
文/大山 祐司