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【高知グルメPro】地元愛されイタリアンから人気の和食屋に夜の〆の屋台餃子までそろう「廿代町」のおススメグルメ6選 食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記セレクション
この情報は2024年9月10日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなすフードジャーナリスト&タベアルキストのマッキー牧元さんに、高知家の食材・生産者さんをめぐってご紹介いただく「高知満腹日記」。毎週土曜日に掲載していますので、是非ご覧ください!
まずはマッキー牧元さんと高知との出会いから語っていただきましょう。
1955年東京出身。立教大学卒 高知県観光特使/㈱味の手帖 取締役編集顧問 / タベアルキスト / 食ジャーナリスト
年間外食数600食 全国・世界中を日々飲み食べ歩き、雑誌、Web ラジオ、テレビなどでリポートする
高知のことを、まったく知らなかった。
それまでに高知を訪れたことは、2度ほどあった。
だが5年前に改めて旅をし、なにも知らなかったということを、思い知らされたのである。
高知の食に憧れを抱いたのは、丸谷才一の「食通知ったかぶり」がきっかけである。
登場する料理の数々に惹かれたからで、あれは20代の頃だった。
皿鉢料理にカツオのたたき、それに想像もつかぬドロメやクジラのたたきが、臨場感あふれる文章で綴られていて、もういてもたってもいられなくなった。
そこに檀一雄の「美味放浪記」が、追い打ちをかけた。
ここにも皿鉢料理のダイナミズムとカツオたたきが登場し、さらにまた想像もつかぬ、毛エビやニロギのことが書かれている。
これはどうしても行かねばならぬと思いを熱くし、ようやく20代後半に二回訪れて、高知の知人と皿鉢料理を肴に、浴びるほど飲んだ。
以来30数年間ご無沙汰していた。
今から5年ほど前、縁をいただいて高知の人数名と知り合い、
「ぜひシイラのおいしい6月に、きてください」と誘われ、訪れたのである。
4日間かけて、高知市や中村市、土佐清水や足摺を回った。
そこで、様々な食材を紹介してもらい、食べまくった。
今まで高知といえば、皿鉢料理やカツオ、柚子くらいしか思いつかなかったのだが、その食材の豊かさと質の高さに打ちのめされた。
豊富な魚種だけではない。
野菜、果物、米、牛、鳥、豚、塩など多面にわたって、日本有数の優れた食材が待ち構えていた。
これは、美食の神に導かれてこの地に来たのにちがいないと狂喜して、とにかく食べて、食べまくった。
以来高知に通うようになる。
高知に行くというと、友人たちは聞いてくる。
「魚を食べに行くんですね」。「カツオを食べに行くんですか?」
「いや魚も食べるよ。でも高知は、牛、鳥、豚も優れたものがある。米もうまいし、野菜、果物も抜きん出ている。四国の中では、圧倒的に優れた食材があるし、日本の中でも抜きん出ている県の一つなんだ」。というと、皆驚く。
得意げな顔をして、「知らなかったろう」というものの、知らなかったのは自分自身なのである。
大体において鰹のタタキからして違った。
色が違う、食感が違う、香りが違う。
単なるカツオだけでなく。スマガツオやモンスマガツオの素晴らしさを知ったのも、高知である。
牛肉、文旦、豚肉、キンキ、鯖、里芋、生姜、仏手柑、トマト、塩・・・。
これだけ多岐にわたって、心動かされる県は他に知らない。
と、高知の食のことはかなり詳しくなったつもりだが、まだまだ知らぬ“おいしい”があるに違いないと思っている。
全県下を回るほどに、再び「高知のことを、まったく知らなかった」と言うに違いないポテンシャルがあると思っている。
だから巡る。
東西距離 189.7km. 南北距離 166.3kmを巡りに巡って、至福を探す旅に出ようと思う。