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「ビーフパテなんていらないじゃん!威風堂々B級のエース カツオたたきバーガー」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

       

この情報は2020年12月6日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす美食家・食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は、高知B級グルメのエース「カツオたたきバーガー」をいただきました。

「カツオたたきバーガー」である。

いくら高知はカツオのたたきが名物だからといって、ハンバーガーにすることはないじゃないか。

味の想像がつかない。

バンズと合うのか? トマトと合うのか?

想像がつかない。

世にフィッシュバーガーは数多くあるけど、どれも白身魚である。

カツオで作るのは、無理があるのではなかろうか。

450円と高めの値段でもある。

さらには、このバーガーは高校生が考えたという。

ますます不安になった。

この「カツオたたきバーガー」は、道の駅「ビオスおおがた」で、唯一食べることができる。

「ビオスおおがた」のレストラン「ひなたや食堂」に入って注文したが、店内を見回しても、誰も食べていないじゃないか。

ますます心がざわついた。

やがて登場した「カツオたたきバーガー」は、威風堂々としている。

凛とした佇まいでもある。

大きく開いたバンズの間には、レタスにトマト、玉ねぎに挟まれて、鰹のタタキが鎮座していらっしゃる。

まさかケチャップは入れてないよな。

不安になりながら、ただちにかじりつく。

その瞬間に笑った。

そして思った。

「肉のパテ(ハンバーグ)いらないじゃん」。

カツオの炙った香りが最初に来て、次にみずみずしい玉ねぎが弾け、トマトの酸味や紫蘇の香りが漂う中、カツオの鉄分豊かな味わいが広がる。

そこを微かに辛子マヨネーズが引き締めるのが心憎い。

バンズとカツオの相性もいい。

そしてカツオは、たった一切れしか入ってないのに、主役としての役目を十二分に果たしている。

あらためてカツオの力を見直した。

入っている具材のバランスが良く、すべてに意味がある

女子高生の発想と軽んじていた自分を恥じた。

声を大にしていう。

高知を旅するなら、一度は「ビオスおおがた」に寄って、「ひなたや食堂」で「カツオたたきバーガー」を食べんしゃい。

 

高知県幡多郡黒潮町浮鞭「道の駅ビオスおおがた ひなたや食堂」にて