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高知で繰り広げられる熱い闘いの「カシオワールドオープン ゴルフトーナメント」 と同時開催!12種類の自然体感&スポーツ体験イベントが実施されるぞ!
この情報は2020年11月11日時点の情報となります。
JFLリーグからJ3昇格を目指す「高知ユナイテッドSC」。試合の勝敗だけではなく、クラブの魅力を知ってもらうため、クラブの活動やチームの裏話をお届けする「目指せJ3!高知ユナイテッドも大家族やき」を高知家の〇〇で連載しています。取材担当は西村監督の個人マネージャー、通称“Nマネ”です。今週はビューティフルなピッチを維持するグラウンドキーパーのお仕事紹介です。
前回の記事ではピッチのライン引きを紹介しました。
記事を読む▶▶「超レア記事!これが無いと始まらない、手間暇かけた集中力命のライン引き解説」
今回はピッチの芝生を管理するグラウンドキーパーのお仕事を紹介します。
サッカー観戦に訪れると、まず目に入るのは青々としたピッチ。当たり前のような光景ですが、それはグラウンドキーパーによる日々の管理の賜物なのです。
高知ユナイテッドSC(高知U)がホーム戦で利用する県立春野総合運動公園の芝生の管理をするのは「春野フィールドネットワーク」に所属するグラウンドキーパーたち。公園内の芝生・土のグラウンドはじめ公園内の施設を管理しています。グラウンドキーパーの大石誠史さんと松原啓さんにサッカーに芝生についてお話を伺いました。
左 大石誠史さん、中央 西村監督、右 松原啓さん
【2種類の芝生の使い分け】
身近な公園などで見かける芝生は、春から夏にかけて青々していて秋になると黄色くなりますよね。一方ピッチでは通年青い芝生が見られます。それは夏芝と冬芝の2種類の芝を使用しているから。夏芝は7月から10月上旬までで、気温が低くなると葉が黄色くなり休眠状態に入ります。10月に入ると夏芝を下地にして冬芝の種をまき、1月下旬からのJクラブのキャンプ時に最高のピッチを作れるよう準備します。
芝生の種 イネ科で米に似た形状
【普段の作業】
普段の作業は、「芝刈り」「散水」「施肥(肥料やり)」の3つ。
芝刈りをすることで芝の成長を促しています。芝の長さは夏芝で18㎜、冬芝24㎜。芝刈りは週に1度。試合前には仕上げの芝刈りをします(「仕上げ」が終わるとライン引き)
散水は、季節、天候、ピッチの土壌の水持ち、芝生の傷み具合によって行います。そのため、毎日芝生の状態を確認しているそうです。散水機は移動式のものを使用。陸上競技場で半日、球技場では水圧の関係で3日(!)かかります。
施肥は基本的に月に1度。あとは芝の傷み具合によって量や回数を増やしていきます。
【使ってなんぼ、でも傷んだら悲しい】
芝生は人に踏まれること(圧がかかること)自体がストレス。芝生の傷みはすぐには気づかず、傷み始めてからわかります。ゴール周辺やPKマークなどの踏み込む動作が多い場所は特に芝生が傷みやすいエリアです。
芝生の補修は、傷み具合が軽ければ肥料と水で自力回復し、重度で枯れた場合は種をまいて一から育てます。種から芝生に育つまでは3週間から1か月を要するそうです。
補修用の種まき
種と砂を混ぜたもの
傷んだ箇所にまいて、踏み固める
3週間から1カ月で芝が育つ
大石「きれいな芝生だと評価されるとうれしいですが、傷んだら悲しいです。それを直すのが仕事ですが。」
【キャンプに向けての養生期間】
冬芝は12月頃から成長しないので10月から1月のキャンプまでの間は養生させます。養生とは芝生のストレスを減らし栄養をたっぷりあげて、回復するために休ませること。養生期間中は各競技団体にも協力していただき、極力使用を減らしているそうです。高知Uではピッチでの練習回数を減らしソフトボール場等で練習する機会が増えます。
ソフトボール場での練習後は土部分のトンボ掛けが必須(若手選手が担当)
【吹田スタジアムの視察】
昨年は西村監督の企画で、ガンバ大阪の吹田スタジアムを視察に行きました。吹田スタジアムのグラウンドキーパーによる試合前の整備作業の見学や全国トップレベルのピッチの芝生を間近でみることで刺激を受けたそうです。
松原「実際に見て、芝生が1年通して美しいことに驚きました。手押し芝刈り機を使い、芝を踏まないようにそっと歩きながら丁寧に芝生を刈っていました。」
大石「サッカー専用スタジアムと同じ条件で芝生を管理しろと言われたら、負けないくらいの芝生を作れる自信はあります。笑 県立春野総合運動公園では各種競技の利用、合宿、キャンプと臨機応変に対応しなくてはなりません。利用者にすごくいい芝生ですね、と言われるような維持管理をすることが使命です。そして春のキャンプで芝生が最高の状態だとホッとします。」
【芝生のクロス模様の意味とは?】
芝生のクロス模様は見た目の美しさもありますが、第2のラインの役割があります。クロス模様の幅は5.5m。キッカーが距離を測ったり、審判がオフサイドを瞬時に判断する目安にもなるのだとか。色の違いは芝を刈る方向で変わります。
松原「JFLに昇格してから芝生にクロス模様をきれいに入れるようになりました。YouTube配信されますから、芝生を見られることを意識しています。特にきれいに見せたい横方向は刈る回数が多いです。仕上げにかかる時間はピッチ全体で5時間ほど。1日仕事です。」
大石「YouTubeのコメント欄に「地方にしてはピッチの芝生がきれい」という書き込みを見つけてニヤリとしました。」
(西村監督のコメント)
「チームが毎日の練習や試合で傷んだピッチを丁寧に直してくれて、次に使うときにきれいな状態になっていると、芝生を通して「頑張れ」と応援されているように感じます。グラウンドキーパーも高知Uの大切な仲間です。」
自然相手の芝生の管理は、経験がものをいう職人技。大石さん、松原さんたちグラウンドキーパーは、選手が輝くピッチを作るため日々奮闘しています。
ではでは、来週の記事もお楽しみに~
次回は今季最後のホーム戦!
JFL第29節vsラインメール青森 11月22日(日)13:00キックオフ 春野陸上競技場 皆さんの応援がチームの力になります。ご来場お待ちしています!
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