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この情報は2020年10月17日時点の情報となります。
高知市から東へ30分ほどの香美市にある「きてみい家(や)」という民家が、月に2回、子ども食堂「子ども0円きてみい家食堂」として地域に開放されている。その名の通り、子どもたちが利用するときの料金は、なんと「0円」!その秘密は…まるで家族のような子どもたちへの愛だった。
今回、高知家の◯◯取材班が訪れたのは、高知龍馬空港のある南国市の北に位置する、香美市土佐山田町にある「子ども0円きてみい家食堂」。新型コロナウィルス感染症の影響で数カ月運営をストップしていたが、感染対策を行いながら再開した。
子ども食堂とは、地域の子ども達や保護者などを対象に、食事を提供するコミュニティのこと。 主にNPO法人や地域住民で食事の提供を通じて子どもや保護者の居場所となる目的として運営されている場所だ。
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食堂に到着すると、すでに外まで美味しそうな匂いが漂っていた。
中をのぞいてみると、
8名ほどの方々が、この日提供されるお弁当(約50食分)の準備を手際よく進めていた。
今回お話しを聞かせてくれたのは、高知医療生活協同組合香美支部 支部長 池上 健夫さんと、
奥さんで元学校教諭の池上 圓(まどか)さん。
健夫さん:長年、自分たちの拠点となる場所を作りたいという夢がありました。どこか空き家があればと思っていた矢先、この建物が空き家になるということを聞きました。すぐに借りて、2015年からここを拠点として活動を始めました。
当初は、組合員が集まって食事会をしたり、日頃の近況報告を行ったりと交流の場として使っていたという。
健夫さん:地域には、一人ぼっちの高齢者が多い現状を知りました。一人ぼっちの高齢者は、たまにしか食事をとらない人もいると。そんな高齢者のために、まずは「きてみい家サロン」という、高齢者向けの昼食会を毎月1回スタートさせました。
この取り組みを進めるなかで、家庭環境によって、子どもたちも十分に食事を取れていない状況があることを知り、すでに子ども食堂を実施していた団体から情報を得ながら、2017年4月「子ども0円きてみい家食堂」をオープンさせたのだ。
子ども食堂は、毎月第2・4土曜日のお昼。月2回の開店だ。
料金はその名のとおり、子ども(大学生まで)は0円!大人は300円で同じ弁当を提供している。
取材当日のメニューはこちら。
豚肉とウィンナーの焼肉風、卵焼き、スパゲティサラダ、かぼちゃグラタン、漬物にくだものと、ボリューム満点の内容。
メニューは、圓さんが手に入った食材から献立を考えている。
-食材の確保はどうされてますか?
圓さん:一部県からの補助金を活用していますが、その他、子ども食堂の県内ネットワークがあり、弘化台(高知市の市場)の八百屋さんからハネ(傷もの)や規格外で販売できないものを無料で提供してもらっています。
こちらが無料でいただいた野菜や果物。
量販店で販売されているものと遜色ないものや、表面は少し痛んでいるものの十分に使えるものばかり。
健夫さん:近所の方が作られた野菜を持ってきてくれたり、スーパーでお買い得だったからと持ってきてくれたりと、少しずつ私たちの取り組みを知ってくれるようになって、地域の方に支えていただいています。
11時過ぎになると、近くの小学校が下校となるため、子どもから大人まで、お友達同士や家族と一緒に「きてみい家」に立ち寄っていく。
「今日子どもは?」「お姉ちゃんはお家?」「〇〇君は今日は来てないの?」と、親戚のように会話が飛び交う。
よく利用されているという、恥ずかしがりやなお子さんと一緒に来られたお母さんにお話を伺った。
-子ども食堂を利用された感想を教えてください。
お母さん:家で作るとメニューも偏ってしまいますし、食べる機会がないおかずなどが食べられて、子どもも喜んでいます。量が多く食べ応えがあって、子どもたちの分が0円というのは助かりますね。
基本は持ち帰っていただくこととしているが、希望者は感染防止対策をしたうえで、隣接している教育会館の広いスペースで食事をすることが可能だ。
大満足の子どもたち。
「新しい友達ができるし、宿題も一緒にできるし楽しい」「畳が好きやき、居りやすい」とお腹だけではなく、気持ちも満たされているようだった。
そんな子どもたちに対して、常に笑顔でコミュニケーションを図る健夫さん。
ペットのブルドッグをよく散歩させているという理由から、子どもたちからは「ブルドッグのおんちゃん」という愛称で呼ばれている。
みんなに優しい健夫さんだが、子どもたちがダメなことをしたときには、きちんと注意する一面もある。そんな子どもたちとのやりとりを見て、家族のような関係性が生まれる場所でもあるなと感じた取材班。
健夫さん:子どもたちとこうやって接することは楽しいですね。おもしろいのは、子ども食堂だけど、地域の高齢者の方が来てくれること。中には90歳の方もよく来てくれます。話を聞くと、その方には孫がおらず、ここにくれば子どもたちと一緒に話ができることが嬉しくて、毎回楽しみなんだそうです。
子どもだけ、高齢者だけではなく、世代間の交流が生まれている。
-今後の展望を教えてください。
圓さん:ここへ来たらなんか食べれるということが、子どもたちに根付いてくれたら嬉しいですね。もちろん、食事だけではなく、新しい友達ができたり、子ども同士が遊べたり、子どもの居心地のいい場所になればいいなと思ってます。
-読者の方へメッセージをお願いします。
圓さん:地域の方だけではなく、近くを通る方など、どなたでも利用いただけます。数に限りがありますので、事前にご連絡をいただければ、ご準備しておきます。お気軽にお立ち寄りください。
子どもから高齢の方まで、世代を超えて、みんなが笑顔になる愛があふれた「子ども0円きてみい家食堂」だった。
子ども0円きてみい家食堂
住所:土佐山田町東本町2丁目1-33
電話:080-5076-2157(池上さん携帯)
開催日時:毎月第2、4土曜日11時~(なくなり次第終了)
料金:子ども(大学生まで)0円、大人300円
※事前予約可