高知家の◯◯高知家の◯◯ 高知県のあれこれまとめサイト
高知県のあれこれまとめサイト
  • facebook
  • x
  • instagram
  • youtube
 

【高知グルメPro】お店を始めた理由を忘れた?滋味深いつゆでいただく高知市朝倉横町「土佐うどん まるかや」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

       

この情報は2024年2月4日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす「美食おじさん」ことマッキー牧元さんが、高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回はなぜお店を始めたのか忘れちゃったうどん屋さん「土佐うどん まるかや」にお邪魔してきました。

高知のうどん屋は、もう行き尽くした。

勝手にそう思っていたけど、まだ知らないうどん屋あったんだね。

やはり、高知のうどんシーンは深い。

訪れたのは高知市朝倉横町にある、うどん屋「まるかや」である。

店に入ると、若い店主とサービスの女性の2人でやられていた。

温かいうどんは、つゆ系と釜あげ、つけめん。

冷たいうどんは、ぶっかけ、醤油と、ざるである。

店名から推察するに、博多には「◯加」、香川には「丸香」があることから,博多系か香川系か。

だが、品書を見ている限りでは、わからない。

その中で面白いものを見つけた。

米粉うどんである。

全国のうどん屋を巡っているが、米粉で打たれたうどんを出す店は、非常に珍しい。

そこで「きつねうどん(米粉で)」、「ざるうどん」、「カレーつけ麺」、「ぶっかけ」、「ごぼ天うどん」を頼む。

そしてトッピングでこれまた珍しい「ぬた」をお願いした。

「ぬた」とは、高知県人にはおなじみのにんにく葉をすりつぶしたペーストである。

だがここは、にんにく葉ではなくニラを使っているという。

「ざる」が運ばれた。

何よりうどんの実力と個性は、ざるが一番わかりやすい。

おお、これはコシがたくましい。

40回弱噛んでようやく喉に消えていく。

これはやはり、さぬき系か。

次に運ばれたのが米粉のきつねうどんである。

うどんを持ち上げると、湯気が立ち上って、その中でうどんの艶が輝いている。

思わずつばを飲み、うどんをすする。

小麦粉で打った麺よりコシは柔らかい。

だが温かいうどんなのに、30回ほど噛ませる。

米のうっすらとした甘みが旨味の深いつゆと合い、そのつゆをたっぷりと吸ったお揚げとも良き相性を見せる。

次は「カレーつけ麺」である。

熱々のカレー汁に、冷たいうどんをつけて食べようっていう寸法である。

これはカレーがいい。

スパイシーさの奥に、やさしいうま味が満ちていて、しみじみとうまい。

そんな熱々のカレー汁に冷たいうどんをたっぷりとつけて、すすり込む。

すると程よい温度となって、うどんをすする箸を持つ手が止まらなくなる。

次に名物だという「ごぼう天うどん」が運ばれた。

おお、丼の上にはごぼう天が9本そびえ立っているではないか。

一本ずつかじっては、うどんをすする。

ごぼうの土の香りが、気分を穏やかにし、滋味深いつゆを高めていく。

これは良いうどんだなあ。

さあ、お次は、ぬたを従えたぶっかけうどんである。

つゆをぶっかけて、まずシンプルなぶっかけうどんの味を楽しみ、次にぬたをうどんに、よくよく混ぜ込んでみた。

ははは!コレは和製ジェノベーゼである。

ずるるっとうどんをすすった瞬間に、爽やかな香りが鼻に抜けていく。

揚げ玉を加えてみると、これまた食感が楽しく、病みつきになる。

こいつは夏にも食べたいうどんだな。

上質なつゆといい、ぬたや米粉のアイデアといい、他とは違うごぼう天の出来といい、うどんのコシといい、これは相当うどん愛に満ちた人に違いない。

そう思って、うどん屋を始めた理由をご主人の加志﨑 健太さんに聞いた。

「なんで始めたんだろうな」。

いきなり肩透かしを喰らった。

開店は去年7月だという。

店名は、自分の名前から取ったそうで、香川とも博多とも関係ない。

うどんは、独学だそうである。

ご主人は、父親と近所で居酒屋をやられていたという。

「昼の店がやりたくて、色々業種を考えたんですが、うどんがしっくりきたのが、始めた理由かな」。

そんな軽い動機で、ここまで素晴らしいうどんができてしまうのか。

つゆの素晴らしさを褒めると、なにげに入っているものを教えてくれた。

「いりこ、あじこ、昆布、しいたけ、むろぶし、ソウダガツオ、うるめぶし,鯖ぶしで、うるめとソウダが一番多いです」と、サラリと答えられた。

道理でうま味が深いわけである。

カレーも美味しかったと伝えると、「トマトをいっぱい使ったカレーにしてます」とのことだった。

やはり只者ではない。

最後に「ぬた」について尋ねると、

「普通はにんにく葉ですが、違うものでやりたかったんですよね。土佐うどんと名乗っているので、高知の特産品でもあるニラでやってみたんです」。

好きなうどん屋は「藤家」と「國虎」だそうだが、その2軒とは違う個性豊かなうどん屋を作られた。

これだから高知県のうどん屋は面白い。

高知県高知市朝倉横町20-35「土佐うどん まるかや」にて

 

関連記事