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【高知グルメPro】どんぶりでかき込む旨さ!鰻丼にうなぎのタタキに天ぷらまでいただける「鰻屋 成八」食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記
この情報は2023年11月19日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす美食おじさんことマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は、ランチから大勢のお客さんでにぎわう南国市「韓国料理 景福宮(きょんぼっくん)」にお邪魔してきました。
田んぼの真ん中の韓国である。
こんなところに店があるのかという市街地から離れた畑の中の道を走っていくと、数軒の住宅街があり、その外れに韓国風の屋敷が突然現れた。
門をくぐった入り口までの石畳は、韓国の郊外にありそうな雰囲気である。
中に入ると、堂々たる庭が広がっている。
枯山水のようでいて、こちらもどこか韓国をしのばせる。
実に立派な屋敷で、よくこんな物件を見つけたものだと思う。
店内に入れば、50数席はあろうという座敷はなんと満席で、賑やかに韓国料理を食べている。
みなさんこの店の韓国料理を楽しみに、わざわざ車でやってくるのだろう。
そう思うと、俄然お腹が空いてきた。
店の名前は「景福宮 キョンボックン」という。
言わずと知れた韓国の王宮で、ソウルの中心部に12万坪以上の広大な敷地に建つ、勇壮かつ美しい宮殿である。
ご主人は日本海に面した江原道(カンウォンド)地方出身で、26年前に来て商売を始めたのだという。
この地に移ってからは14年目で、韓国料理が少ない高知にあって、異色な存在である。
店の昼ごはんはバイキングが主流で、チャプチェやキムチ、各種炒め物などが大皿に用意されていて、好きなだけ自由に食べられる。
しかし我々は、あえてアラカルトで頼むことにした。
まず前菜がわりに、「キムチの盛り合わせ」と「ポッサムキムチ」をもらう。
キムチは糖分や化学調味料に頼りきらない正統派で、発酵による酸味がいい。
さらに茹で豚肉をキムチとともに、サンチュやえごまの葉に包んで食べるポッサムキムチは、葉類の香りと薬念味噌の複雑なうまみ、そして豚肉の滋味が絡み合い、美味しい。
いろんなものを混ぜて食べる韓国食文化の真骨頂である。
酒が恋しくなったが、昼なのでぐっと我慢する。
次に「チヂミ」を頼む。
チヂミの命は食感だと思う。
表皮と中身の違いが明確なチヂミほどおいしい。
こちらのチヂミがそうだった。
外はカリッと香ばしく、噛めば中はふんわりとして歯が包まれていく。
この対比こそチヂミの美味しさである。
調子に乗ってきた。
次は「スンドゥブ」といってみよう。
熱々の汁をすすれば、魚介出汁が効いて、うまみが丸い。
その中で、熱々豆腐の優しい甘みが崩れていく。
さらに本日のメニューから、「ジャンジャン麺ソースのかかった石焼ビビンバ」を頼んでみた。
珍しい。
ジャンジャン麺(ジャージャー麺)は韓国でも人気で、チャンジャン麺と呼ばれている。
いわゆる豚肉のひき肉と野菜類と八丁味噌を炒め合わせて、麺にかけて絡めていただく甘しょっぱいソースである。
これはただでさえ濃い味のビビンバが、さらに濃い味となっている。
お腹がペコペコの時に食べたら、たまらない味である。
さて、もう一品頼もうか。
特別メニューの「コングッス」といってみた。
大豆から作ったまろやかな冷たいスープの麺料理である。
今度は舌に優しい。
豆由来の豊かでいて穏やかな甘みが、広がっていく中を麺が走り抜ける。
ビビンバで興奮させられ、コングッスでなだめられる。
なにか殴られてから、頬を撫でられるようで気持ちが良かった。
ランチだけでも、まだまだ食べたいものがたくさんある。
これはまた来なくちゃ。
高知県南国市上末松316「韓国料理 景福宮(キョンボックン)」にて