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おかあさん目線の優しさあふれる四万十のハンバーガー「BUZZ」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

       

この情報は2023年3月26日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹にとんかつ、フレンチにエスニック、そしてスイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす「美食おじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する高知家の〇〇の人気連載記事「高知満腹日記」。今回は四万十市のハンバーガーショップ「BUZZ」にお邪魔してきました。

こういうハンバーガーを待っていた。

最近のハンバーガーは、少し威張りすぎている。

パテがどうの、バンズがどうの、ソースがどうのと、自己主張が強いものが多い。

それはそれで、多様なハンバーガー文化が日本で育って嬉しいのだが、この料理は毎日食べても飽きないという側面が大切なのではないかと思う。

ここにはそれがあった。

2022年10月に、四万十市にできたばかりのハンバーガーショップである。

店主の山崎さんは店を始めるときに、料理好きを生かせるものを、とハンバーガー選ばれたのだという。

「どういうハンバーガーを目指されたのですか?」と聞くと、

「お母さんの目線で作っていきたい」。

そう言って、微笑まれた。

お母さん目線のハンバーガー、いいじゃないですか。

男性オーナーが多いハンバーガー界に、今までその目線はなかったなあ。

まずシンプルなハンバーガーにかじりついた。

優しい。

一口食べて、舌は、脳は、そう直感的に感じた。

何よりもパティの味わいが柔らかで、たっぷり入ったレタスのみずみずしさを弾けさせながら、バンズのほのかに甘い味と一体化する。

まろやかなうまみが、食欲を刺激する。

聞けばパティは、合挽きでニンニクが少し入っているのだという。

ああ、これはニンニクか。

直接は感じないが、その優しいハンバーガをかじっていくと、後引き感がある。

それが隠されたニンニクのチカラなのだろう。

次にいただいたのは、自家製カレーバーガーである。

そんなには辛くない、スパイス香も抑えめなカレーが、優しいバーガーと馴染む。

どこかでニンニクと手を結んだのか。

こちらは一層の後引き感がある。

きっと食べて数日後には、また無性に食べたくなるであろうバーガーである。

ちなみに今回はいただけなかったが、マスタード風味のソースを入れた「俺バーガー」、自家製照り焼きソースとチーズを使った「クリームチース照り焼きバーガー」、スパイスをきかせたという「BUZZスペシャルバーガー」にも、惹かれた。

次回、四万十市を訪れたら、これらを食べよう。

青色の地に、BUZZの文字をバンズで挟んだデザインは、ハワイやオーストラリアの雰囲気を感じさせる。

店名はトイストーリーのバズライトから取ったのだろうか。

トイストーリーのおもちゃと熱帯植物が飾られ、受け渡しカウンター下の牛模様が可愛い。

お子さんに喜ばれそうな店内だが、おそらくこの優しい味わいに魅了されてだろう、「年配のお客さんが多いんです」。

そう言って若い店主は、嬉しそうに笑われた。

毎日食べても飽きない、温かみがあるバーガーは、今日も店を開いている。

高知県四万十市中村大橋通6丁目「BUZZ」にて