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3年ぶりにあの熱い「よさこい」が帰ってくる!そしてそこには運営スタッフの奮闘があった【万々競演場・前編】

       

この情報は2022年8月8日時点の情報となります。

新型コロナウイルス感染症に日本中が振り回される中、高知県で3年ぶりに「よさこい」が開催される。
ここでは万々競演場を運営する、万々商店街振興組合の奮闘を全3編でご紹介します。

高知の街に3年ぶりに「よさこい」が帰ってくる!

高知の夏を熱く盛り上げ、観客や祭り関係者、そして踊り子さんたちに笑顔と感動をもたらしてきた「よさこい」が3年ぶりに開催される。

2020年、新型コロナウイルスの感染が拡大したことで「第67回よさこい祭り」は中止となり、また翌2021年も開催はむずかしく、中止が決まった。

そして今年2022年。7月に入ってから新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、8月1日によさこい祭り振興会は予定どおり「よさこい」を開催すると決定した。

「よさこい祭り」ではなく「2022よさこい鳴子踊り特別演舞」という通常とは異なる形での開催ではあるが、高知に「よさこい」の熱気と鳴子の響き、踊り子たちの満面の笑顔が帰ってこようとしている。

 

いつもとは違う中でも、今できることを!

万々商店街振興組合のよさこいチーム「万々商店街 万々歳(ばんばんざい)」も、急ピッチで踊りの準備を進めている。

例年3月下旬から開始する踊り子さんの募集開始も、5月18日からとかなり遅くなった上に、踊り子さんの募集数は通常の半分の60名に限定。

動画を見ながらの個人練習がメインで、集まって練習するのは週末のみと、かなり限られたスケジュールのために、練習する姿は真剣そのものだ。

踊り子さんそれぞれの動きはもちろん、全体での踊りの美しさ、鳴子を持つ腕の角度まで合わせることを目標に、なんどもなんども同じことを繰り返す。

そんな踊り子さんたちのそばでは、フラフの練習が行われている。

フラフとは「旗」を意味する英語の「FLAG(フラッグ)」、オランダ語の「VLAG(フラフ)」が語源と言われ、大漁旗をイメージして出来あがったものだ。

高知県では男児の健やかな成長を願い、端午の節句に「こいのぼり」と並んで立てられるのだが、いつごろからか「よさこい」の踊りに合わせて振られることが多くなった。

チームの最後尾で振られる、色鮮やかで美しいフラフは「よさこい」の名物だが、重量のあるフラフを上手く振ることはかなり難しく、また全身に負担のかかる大仕事だ。

ましてやチームのシンボルであり、元来「縁起物」であるフラフを地面に落とすようなことなど許されないため、練習にも力が入る。

19:00を過ぎ少し気温が下がったとはいえ、まだまだ暑い。

こまめに休憩をとり水分補給もしつつ、集中した時間を過ごし、本番の「よさこい」に向け練習を続ける。

難しい状態で迎える「よさこい」だが、「万々歳」のみんなは、今できることを精一杯やっているのだ。

 

ギリギリのなかでも競演場を守るため

そんな「万々歳」が進む中、別の場所で集まり万々競演場の準備を進めているのが、万々商店街振興組合のメンバーたちだ。

今年の「2022よさこい鳴子踊り特別演舞」は万々競演場を含む5つの競演場と7つの演舞場の計12会場で行われる。

会場のうち、よさこい大賞などの審査を行うのが競演場で、審査を行わないのが演舞場なのだが、今回は審査は行われない。

とはいえ、競演場を運営する万々商店街振興組合にとっては、やらなければならない事前の準備は何も変わらない。

むしろ新型コロナウイルス感染症対策として、やらなければならないことは大きく増加している。

消毒・検温テントの設置、注意事項の告知看板の準備など、勝手の違うことが多くある中で、足りないことがないか確認を進めていく。

今年は新型コロナウイルス感染症の対策に多くの時間が割かれるが、通常通りの運営の準備も忘れることは出来ない。

備品のチェックや照明の設置場所の確認、運営スタッフのためのドリンク・食事の手配など、やらなければならないことは山ほどある。

どういったことを誰がやるのか。忘れていることはないか。

ひとつひとつ確認しながら準備を進めているうちに、時間はあっという間に過ぎていく。

とにかくやらなければならないことが多いが、もっとも大変なのは運営スタッフを集めることだ。

万々競演場で配布するプログラムの準備をしながらも、口をつくのは「誰か当日に手伝い来れる人おらんろうか」だ。

皆ボランティアで来てもらうために、無理も言えず毎年運営スタッフを集めるのには苦労するという。

真夏の炎天下で、なかなか休憩をまわすことも出来ないようなギリギリの状態で、万々競演場の運営は行われているのだ。

今年もどうにか万々競演場を運営できるだけの人数が集まったが、十分とは決して言えない。

それでも「よさこい」の歴史を守るため、万々競演場の誇りを守るため、踊り子さんの笑顔を守るために頑張り続けるしかないのだ。

日中、暑いさなかに取り付けられた提灯に、3年ぶりに灯りがともる。

高知の街を熱くする「よさこい」はもうすぐそこだ。【中編に続く】

【万々競演場・中編】3年ぶりにあの熱い「よさこい」が帰ってくる!そしてそこには運営スタッフの奮闘があった