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藁焼きかつおとナチュールワインがいただける土佐の台所兵庫県神戸市「miacuci（みあくち）」

藁焼きかつおとナチュールワインがいただける土佐の台所兵庫県神戸市「miacuci（みあくち）」

この情報は2022年4月15日時点の情報となります。

グルメ

1 イタリアンとフレンチレストラン20年の修業を経て店舗オープン
2 神戸で珍しい「藁焼きかつお」と「土佐ぬた」高知の定番料理を提供
3 無借金で店をオープン！家族で手がけた内装
4 高知のアンバサダー随所にあふれる高知愛
5 店舗情報

神戸市の三宮駅から徒歩5分のところにある食堂「miacuci（みあくち）」は、土佐の藁焼きかつおとナチュールワイン、土佐地酒を提供するお店として2017年にオープンしました。店名は、イタリア語で「私の台所」を意味します。家庭の台所のように、日替わりで、その時々の旬の料理を提供。20年間、フレンチやイタリアンといった飲食店で修行を積んだ店主・村田さんが1人で切り盛りするお店です。

今回は、仕込みをされている最中にお店にお邪魔させていただき、店主の村田さんに、開業のきっかけや高知愛についてお話を伺いました。

イタリアンとフレンチレストラン20年の修業を経て店舗オープン

─どのような経緯でお店をはじめられましたか？

村田さん：アットホームにお酒を楽しめる台所みたいなお店として、2017年11月に開店しました。学生のころから、大阪や神戸のほかに出身地である高知のイタリアンやフランス料理店で修業を積んできました。いつかは自分の店を持ちたいという思いがありました。

─お店の特徴を教えてください。

村田さん：高知の地酒とナチュールワインを看板にしています。ナチュールとは自然派ワインのことです。ほかには、高知のユズや仏手柑（ぶしゅかん）などを使ったシロップなども扱っています。

※仏手柑とは、柑橘類の一種で、見た目が仏様の手に似ていることから名付けられた。

神戸で珍しい「藁焼きかつお」と「土佐ぬた」高知の定番料理を提供

─高知の地酒が飲めるのは珍しいですね。いろいろなお料理があるようですが、なかでも人気のメニューは何でしょうか？

村田さん：「藁焼きかつおの土佐ぬたカルパッチョ」ですね。高知から藁焼きかつおを仕入れ、店で改めて藁（わら）でスモークしたかつおのタタキに「土佐ぬた」を添えてお出ししています。

土佐ぬたとはニンニクの葉をすりつぶした酢味噌のことで、高知の居酒屋では定番でも神戸では珍しいです。ほかには、イタリアンやフレンチと融合した料理、季節に応じて高知の旬の味を提供しています。

お料理で使うニンニクやショウガは、高知に住む親から送ってもらっているんですよ。

高知風チキン南蛮

─高知県の食材も使われているとのことですが、お料理を作られる際に、高知のどんなところを意識されているのでしょうか？

村田さん：高知県への愛は人一倍あり、高知県民として高知のおいしい物をご案内したいと思ってやっています。おいしいと言われたら本当にうれしいですね。

店前に「高知家」の看板や酒瓶を出していると、

「店の前を通ったら『高知』って書いちょったき、入ってきた」

という高知出身のお客様もおられます。

高知の人は、本当に高知が好きで、知り合いじゃなくても、高知人の店と知ったら来てくださいます。

無借金で店をオープン！家族で手がけた内装

─開店する上で、大変だったことはありますか。

村田さん：このビルが新築で建ったときに、スケルトンという物件で入居しました。スケルトンは、内装が本当に何も施されていない状態。内装だけでなくコンセントや電気、水道さえも自分で店に引っ張らないといけなくて、最初は費用がかかりました。なるべく費用を抑えるために、高知から親が出てきてくれて、家族で一緒にペンキを塗ったのは良い思い出です。

─全く新しい場所に開業されたんですね。開店時の集客はどうされたんでしょうか？

村田さん：今どきのSNSは使わず、口コミだけで広がっていきました。お客様がお客様を呼んでくれました。そのうち常連さんもついてくださいました。

─新たに挑戦されていることや目標などありますか。

村田さん：4年目に入り、2021年に改装したところです。今まではカジュアルに楽しんでいただける店舗でしたが、新しい展開として、ナチュールワインを売っていくため、カウンターテーブルを高く変えて大人な雰囲気にしました。

高知のアンバサダー随所にあふれる高知愛

─常に新しいことに向かっておられるんですね。お話から高知愛を感じますが、高知への恩返し構想はありますか？

村田さん：いつかは、高知に帰りたいと思うほど高知が好きです。恩返しというところでは、高知の食材や料理をご紹介していることでしょうか。先ほども出た「土佐ぬた」は、高知県人以外でこちらで出しているお店はあまりないと思います。

ほかにも、お客様に高知のおいしいお店や新鮮な市場の情報など、おつなぎするようにしています。

─高知の楽しさが伝わってきます。高知には帰郷されますか？

村田さん：毎年、8月に開催されるよさこい祭りの応援に帰ります。よさこいに出演するチーム「十人十彩（じゅうにんといろ）」の一糸乱れぬ演舞を見ようと、前夜祭から後夜祭までおっかけしています。とにかくパワーと情熱があるんで、高知出身ではない主人もすっかりファンになりました。ぜひ一度、見ていただけたらと思います。