高知市比島町の幹線道路沿いにある「アミューズメントパーク プレイプラン」。ビリヤードやゲームが楽しめるお店だが、その一角に「コインスナックプラザ」という自動販売機コーナーがある。
ここには普段見かけるような自動販売機だけでなく、今や“絶滅危惧種”と言える昔懐かしい麺類やトーストの自動販売機が残っているのだ。
平成が幕を閉じようとしている今もなお、昭和の香り漂うレトロな自動販売機が現役で稼働しているなんて…。
昭和レトロな自動販売機たち
早速店内へ。
道路側はイートインスペースになっていて、反対側に自動販売機が並んでいる。その中に…
あった!昭和レトロな自動販売機!
かつては全国各地のドライブインなどで見かけることがあったが、今となっては希少なレトロ自販機だ。
ここにあるのはラーメン、うどん・そば、トーストサンドの3台。昭和の香り漂う堂々とした佇まい…懐かしさを感じずにはいられない。
せっかくなので全種類食べてみた
トーストサンド
味はチーズとハムの2種類がある。
お金を投入してまずはチーズのボタンを押す。
すると「トースト中」の表示が点灯。しばらくすると…
アルミホイルに包まれたトーストサンドが出てきた。熱々だ!
アルミホイルをはがすとしっかり焦げ目のついたトーストが。中身はもちろんチーズ。
食べてみるとチーズだけでなくマヨネーズの風味も感じられる。
こちらはハム。見た目はチーズと同じだが、中には1枚半のハムとレタスがさりげなく入っている。
うどん・そば
続いてはそばだ。ボタンを押すと出来上がりまでの秒数がカウントダウンされる。
カウントダウンが終わり出来上がり。と、同時に売り切れランプが点灯。危なかった…。
出来上がったそばの麵は色が濃い目。
具は三角の揚げ、かまぼこ、かきあげ、ねぎがのっている。
味はさながら駅の立ち食いそば、といったところだろうか。
こちらはうどん。かまぼこがなるとになっている以外はそばと同じ具がのっていて、麵のコシは柔らかめだ。
ラーメン
最後にラーメン。電飾のデザインに時代を感じる。
こちらもうどん・そばの自動販売機同様、出来上がりまでカウントダウン。
出来上がったラーメンは醤油のスープ。具はチャーシュー、メンマ、もやしにねぎ。
立ちのぼる湯気が食欲をそそる。シンプルな中華そばといった感じであっさりいただける。
気さくでお話好きなオーナー
こちらを管理されているオーナーの浜田さんにお話を伺った。
-この自動販売機が設置されたのはいつですか。
「44~45年ぐらい前かな。麺類の自動販売機は一度入れ替えたけんど、トーストサンドは設置当時のままやきね。」
-昔から味は変わっていないんですか。
「味は昔のまんま。変わったのは値段とメニューだけやね。昔は1コイン(100円)で食べられたし、最初はカレーの自動販売機もあったきねぇ。」
-人気商品を教えてください。
「うどんかな。うどんの汁がおいしいと言うてくれるお客さんが多いね。」
-45年近く続けられているのはお客さんに愛されているからなんですね。
「コンビニができたときは店を閉めようかとも思うたけんど、コンビニでラーメンやうどんを食べるがやったら湯を注いで待たんといかん。でもここは25秒で食べられる。そこがお客さんに好評やきこれまでやってこれちゅうがやないろうか。」
-これからも続けていかれますか?
「販売機がちゃがまる(※『壊れる』『ダメになる』という意味の土佐弁)か、自分がちゃがまるか、いつどうなるかわからんねぇ。(笑)」
コインスナックの歴史を知る浜田さんの楽しい話は尽きない。
朝の6時半ごろから深夜12時まで開店しているので、ビリヤードやゲームを楽しみに来たお客さんだけでなく、朝食としてうどんやそばと一緒に写真の自動販売機に入っている寿司の盛り合わせを食べていく方もいるそうだ。
かつては春野(高知市)や高岡(土佐市)にもあったという昭和レトロな自動販売機。
県内で残っているのはもちろんここだけで、中でもトーストサンドの自動販売機は西日本唯一となってしまったそうだ。
希少な自動販売機目当てに県外から訪れる方も珍しくないという「コインスナックプラザ」。
昭和世代にはどこか懐かしく、平成世代には新感覚?なその味を実際に確かめてみてはいかが?
店舗情報
プレイプラン
住所:高知市比島町3-16-17
電話:088-823-3133