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この情報は2021年9月14日時点の情報となります。
高知市中心商店街「帯屋町」にある、高知大丸。
高知県唯一のデパートとして買い物客を楽しませている大丸の地下食品フロアが、9月にリニューアルしたと聞いて早速取材に訪れた高知家の◯◯取材班。
取材を進めると、大丸の「地域密着」の取り組みが見えてきた。
地下の食品フロアに新規出店したお店は、4店舗ある。
まず1店舗目が「LIME LAND vif」だ。代表の内田さんにお話を伺った。
元々、野菜や果物を飲食店や病院などに卸す青果店を営んでいた内田さん。
3年前に、個人のお客さんにも高知の新鮮なお野菜や果物を届けたいと青果店「LIME LAND」を高知市南川添にオープン。品揃えとお手頃な価格設定で、行列のできる八百屋さんとして人気を博している。
そして今回、青果コーナーでの野菜・果物の販売と、フレッシュジュースを提供するお店をオープンさせた。
内田さん:知り合いからの紹介で、出店することを決めました。創業以来「タベルヲ タノシメ」をコンセプトに掲げています。専門店として、お客様に喜んでもらい、珍しい食材に出会えるよう品揃えにはこだわっています。
フレッシュジュースのコーナーでは、酔鯨酒造とのコラボ「甘酒×LIME」など珍しいメニューのほか、季節のフルーツを贅沢に使ったジュースが並ぶ。
「甘酒×LIME」は甘酒のコクとライムの酸味で、ヨーグルトドリンクのような風味に。最後に甘酒の香りが鼻に残る、おすすめのメニューだ。
続いて2店舗目がおにぎりの専門店「イールファームのおにぎり」。店主の西岡さんにお話を伺った。
元々、介護食などを作るお弁当屋さんを営んでいたところから、今回おにぎり専門店として新しいチャレンジをすることとなった西岡さん。
特にこだわっているのはお塩だという。
西岡さん:お塩は「田野屋銀象」さんが作る天日塩を使用しています。「おにぎりに合うお塩」をオーダーして、当店のために作ってくれたものです。また、季節によって産地が変わりますが、お米は本山町で作られている「天空の郷」を使用しています。高知の食材を生かした商品づくりをしています。
おにぎりは常時14種類。唐揚げや高知の地鶏「土佐ジロー」の玉子焼きとセットになったお弁当なども販売していて、お昼時や夕方には多くの人がそれらを目当てに列を作っていた。
3店舗目は、数種類のパエリアとスペインのお惣菜などが並ぶ「Arroceria Lirio(アロッセリア リリオ)」。店主の瀬川さんは国際パエリアコンクール認定のパエリア職人だ。
ガラス張りの調理スペースでは今まさに作られている様子を見ることができ、完成したパエリアは大きな鍋から計り売りされる。
この豪快な雰囲気がまた、購買意欲を刺激する。
瀬川さんにとって、「Lirio」は実は2号店。帯屋町で「欧風バル アミスタ」というお店を営んでいる。
瀬川さん:「Lirio」では、「アミスタ」とは少し違ったメニューを提供しています。パエリアやお惣菜など、親しみやすいスペイン料理をという思いで作っています。ですが、共通しているのは高知県産食材へのこだわりです。野菜やお肉、魚介にいたるまで、添加物を使わず素材の良さを引き出すことに注力しています。
高知大丸の「地域密着」という姿勢が出店の決め手となったと言う瀬川さん。出店のきっかけから毎日の食材選びまで、一貫した高知への思いを感じた。
最後に紹介する4店舗目は「プルメリアラクーン」。テイクアウトのほか、イートインコーナーも備えている。店主の三谷さんにお話を伺った。
こちらのお店は香美市土佐山田の「プルメリアラクーン」、高知市介良の「シェイクアラクーン」に続く3号店目だ。
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三谷さん:2号店はテイクアウト専門店のため、これまで1号店のみでしかイートインはできませんでした。3号店となるこちらの店舗ではイートイン・テイクアウトの両方が可能です。また2号店でしか販売してなかったジェラートやカヌレも販売しています。1号店、2号店の良いとこどりのお店です。
看板商品の「八王子ロール」は、1号店のある香美市土佐山田の八王子神社から名付けられたのだそう。
そのほか、高知県産のフルーツを使ったケーキやフルーツサンドなど、見た目にも華やかなスイーツが並んでいて目移りすること必至。イートインスペースで、お買い物の休憩にお茶をするのもよさそうだ。
今回紹介した新規出店のお店以外も、美味しそうなお料理でフロアが埋め尽くされていて、目を奪われる。
デパ地下をウロウロとしているときの高揚感。どれにしようかと迷っている時間は、どうしてこんなにも楽しいのか。
デパートで過ごす時間は、何歳になっても特別だ。
今回は、「Lirio」のパエリアとスペイン風オムレツの「トルティージャ」、ズッキーニやパプリカをトマトで煮込んだ「ピスト」、サラダなどを持ち帰り、おうちごはんを楽しむことに。
お皿に盛り付けるとこんな感じ。彩鮮やかでグッと気分が上がる。
パエリアは、パスタで作られた魚介の「フィデウァ」をチョイスしてみた。
3〜4cmほどの細めのパスタは魚介の出汁をよく吸っていて、濃厚な味。
魚介出汁には高知のお魚をふんだんに使っているのだと、店主の瀬川さんが教えてくれた。
トルティージャやピスト、サラダといった他のメニューも、食材はほぼ高知県産のものを使用しているのだそう。
おうち時間が増えている今だからこそ、デパ地下グルメでプチ贅沢を楽しんでみるのはいかがだろうか。
高知大丸では、今回の食品フロアのリニューアルをスタートに、地域密着プロジェクトを進めようと取り組んでいる。
今回取材させていただいた4店舗、全ての店舗において共有していたのは、高知の食材をよく知り、素材の良さを生かしていたこと。取材を通して、食のプロたちが高知県産の食材に自信と信頼を寄せていることが垣間見えた。
こうした出店者たちが集まっている食品フロアのように、高知大丸では2022年春に地域密着のフロアを新設することを計画しているのだそう。
その全貌はまだ明かせないが、新しい試みをふんだんに盛り込んだフロアを企画中とのこと。
次はどんなフロアができるのか、高知大丸の今後の展開が楽しみだ。
高知大丸
住所:高知市帯屋町1丁目6番1号
営業時間:午前10時〜午後7時
定休日:不定休
文/長野春子