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地域おこし協力隊に聞いた高知県の離島 宿毛市沖の島ってどんなところ?【自然あふれる土地風景編】

       

この情報は2021年7月27日時点の情報となります。

東は室戸岬から西は足摺岬と、東西に長い高知県。そんな高知県の最西端に位置する宿毛市(すくもし)沖の島。○○取材班は県民にもあまり知られていない宿毛市沖の島の生活を、宿毛市の地域おこし協力隊として沖の島で活動されている中垣慶祐さんに聞いてみたぞ。

高知県宿毛市 沖の島の紹介

沖の島とは高知県の最西部の宿毛市片島(かたしま)から更に南西へ約24kmにある、太平洋上に浮かぶ有人離島で人口は約110人(住基上はもっと登録されているが、約110人というのは学校職員や宿毛市職員等を除いた実島民の数)。

沖の島は裸島(はだかじま)・二並島(ふたならびじま)・鵜来島(うぐるしま)・三ノ瀬島(さんのせじま)・姫島(ひめしま)・水島(みずしま)の7島から構成されて沖の島町という。沖の島と鵜来島には人が住んでいるぞ。

【沖の島の新登山スポット( 国見ヶ碆 )から見た姫島(左奥)、三の瀬(左手前)、水島(小さいですが中央)、鵜来島(右)】

四国百名山に選ばれた標高404mの妹背山(いもせやま)が島の中央にあり、川が流れ、水が豊かな島だ。島の全体が花崗岩で形成されていて、周囲は白亜の断崖や急斜地が見られて平地が少ないのが特徴。その為、石垣・石段を積んだ独特の集落構造になっている。更にその景観を国土交通省から「石垣・石段とともにある暮らし」として「島の宝100景」に選定されているのだ。

【石垣・石段で形成されている集落】

沖の島の居住地域は母島(もしま)、弘瀬(ひろせ)、古屋野(こやの)、久保浦(くぼうら)、長浜(ながはま)の5つの集落で構成され、島の周囲は透明度30mにもなる綺麗な海が広がり、海中にはサンゴ礁や色とりどりの熱帯魚など約1,000種を超す様々な海洋生物が生息するダイビングスポットがある。また大型のグレや石鯛などが釣れるポイントが数多くあり、日本有数の磯釣りの聖地だ。

【沖の島久保浦地区にある海岸】

【沖の島弘瀬地区の港湾】

 

沖の島への行き方

離島である沖の島への生き方を中垣さんにうかがった。

中垣さん「宿毛市が運営している定期船で島へ渡るのが一般的ですね。1日2往復、宿毛市の片島(かたしま)港を出航して沖の島の母島港(もしま)や弘瀬港(ひろせ)、鵜来島(うぐるしま)を巡航する定期船を利用します。宿毛市の片島(かたしま)港から沖の島の母島港(もしま)は定期船で最短で約50分かかります」

宿毛市の片島港~沖の島の母島港/弘瀬港~鵜来島を定期船が結んでいる。

「他の船を利用する方法では磯釣りのお客さんを磯や島へ渡す渡船があります。

渡船業者は基本的には磯釣りのお客さんが中心ですが、依頼があれば宿毛市営定期船が運行する便以外の時間帯で島を行き来したい時や、団体の観光でのお客様、島の周囲を遊覧したい場合、体調不良等で島外の病院へ緊急搬送する等の場合に対応できます。

相談次第では1人でも乗ることはできますが、片道約37,800円かかるので団体や緊急時以外は宿毛市営定期船を利用するのが一般的ですね」

【定期船「すくも」から物資を運び出す中垣さん】

「因みに、沖の島にはヘリポートがあり、緊急時に島外の病院への緊急搬送や、災害時の物資の補給等の目的としてリコプターで離着陸することができますが、一般には利用することができません。いつか技術が発達して空の移動手段が自動車並に普及したら良いですね」

【島にあるヘリポート】

 

沖の島での地域おこし協力隊ってどんな仕事?

中垣さん「活動内容は各市町村によって違い、私の場合は集落活動センターの事務局を柱とした離島振興業務です。全般的に共通なのは都市地域から過疎地域に移住し、3年間その地域に居住して「地域協力活動」を行いながらその地域への定住・定着を図る。という総務省が推進している取組です」

【沖の島集落活動センター妹背家(いもせや)で炭窯を作り、炭を初収穫して真っ黒になっている中垣さん】

【沖の島特産品販売会へ参加】

【県民座談会「濵田が参りました」へ参加。右から5人目が中垣さん】

【沖の島のグーグルストリートビュー製作の為、カメラを背負いながら撮影】

 

地域おこし協力隊になるには?

中垣さん「所属するのは各自治体になるので、試験がそれぞれの自治体で行われます。宿毛市の場合は「宿毛市の地域おこし協力隊としてやりたいこと・できること」についての作文と面接でした。沖の島の地域おこし協力隊は宿毛市企画課所属なので、面接官は企画課課長、移住定住推進室室長、離島振興係長の方々でした。転職活動は初めてだったので面接はガチガチに緊張していましたが…後日、無事に合格をいただきました。この時に対応してくださった宿毛市の職員の皆さんがとても優しかったのが印象的でした」

【地域おこし協力隊の面接後に見た宿毛名物だるま夕日】

 

なぜ宿毛市沖の島を選んだのか?

中垣さん「私が移住先を決めた際のポイントは…

①自然が豊かな場所で暮らしたい

②他の人の役に立ちたい

という2点でした。

沖の島に住む前は、愛知県名古屋市に住んでいて自動車メーカーに勤めていました。

移住するならとにかく自然が豊かな場所で、人の役に立てる仕事がしたい。きっと誰かの為だったら頑張れる。そうして移住先と仕事を探しているうちに、高知県宿毛市が沖の島で地域おこし協力隊を募集しているのを見つけました。

高知県には旅行で訪れたこともあり、高知県の雰囲気も好きで、下見で沖の島に行った時も好印象で沖の島の地域おこし協力隊の業務内容もやりがいがあって楽しそうだったので、この島で生きてみようと決めました」

宿毛市沖の島の協力隊募集との運命的な出会いが中垣さんの人生を変えたんですね

下見で沖の島へ行った時に好印象とのことでしたが、どんなところが特に好印象だったのですか?

中垣さん「来島する際に、船からどんどん近づいてくる沖の島の岩肌を見てワクワクしていました。沖の島の周囲って断崖絶壁で穴がたくさん空いている場所があって大迫力なんです!島に着くと宿毛市沖の島支所の支所長さんと地区長さん、育休中の地域おこし協力隊さんが説明会の場を設けてくれていて、島のことについてお話いただき、優しく受け入れてくださる雰囲気に安心した覚えがあります。また、島のライフラインがしっかりと整っていたので問題なく生活できると感じ、全体的に好印象でした」

【七ツ洞と呼ばれる島の岸壁にある大穴群】

 

…と、今回はここまで!

後編は高知の離島、沖の島での仕事や生活ぶりを根掘り葉掘り聞いてくぞ。

では、後編も是非ご覧くださいね!