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【高知グルメPro】地元愛されイタリアンから人気の和食屋に夜の〆の屋台餃子までそろう「廿代町」のおススメグルメ6選 食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記セレクション
この情報は2018年10月14日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなすタベアルキストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。
「いらっしゃい」。
「一軒家」に行くと、お母さんがなんとも優しい笑顔で「いらっしゃい」と言ってくれる。
僕はもうそれだけでいい。
「なににしますか?」 穏やかな口調である。頼むものは決まっている。
冷たいだしを張った冷奴、
ネギを入れてトロトロに焼き上げた卵焼き、
そして花ニラを使ってシャキシャキと香りがいい「ニラトン」さ。
こいつらを焼酎のお湯割りで、迎え撃つ。
時間がふわりと柔らかくなって、夜の笑顔に包まれる。
とり足は、雛と親、タレと塩がある。
連れが、隣の親父客二人に、どちらがいいですか?と、聞いた。
「俺は年だから固い方の親だな」。
言っている理由がよくわからない、だがここは断然親といこう。
鶏は、精いっぱい生きてきた証の弾力に満ちていて、噛む喜びが湧きあがる。
「固いものは?」「豆腐」。「柔らかいものは?」「プリン」とか答えるという最近の子供と、遠く離れた、生きた味わいだ。
命をいただく感謝の味だ。
さらに冷やしトマトは、太陽の匂いと酸味があり
焼き茄子は、身が滑らかで甘みがある。
名物冷奴は、張られた出汁の味が深く、牛すじ煮込みの汁は、なんと優しい味なんだろう。
ここの料理は、当たり前のものが当たり前以上である。
だが少しも気取っていない。
本来贅沢とは、こんなことを言うのではないだろうか。
普通のありがたみに震える。
そのせいで、三軒目だというのに、ヤキメシを頼んでしまった(単なる言い訳です)。
またこれが。困ってしまうんです。
パラパラで。醤油のうまさがほんのり回って、人参、玉ねぎ、椎茸、紫蘇といった具が、極微塵に、ほぼ同寸に切られて混ざる仕事の良さ。
おかわりしたくなって、困るんです。
ああ明日も、ここに来たい。
「タレかけますか?(ソースじゃなくて“タレ“ですよ)」と、お母さんが聞く、海老フライやキスフライも、食べなきゃなあ。
高知市「一軒家」にて。