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【高知グルメPro】地元愛されイタリアンから人気の和食屋に夜の〆の屋台餃子までそろう「廿代町」のおススメグルメ6選 食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記セレクション
この情報は2018年6月3日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなすタベアルキストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。
「もうこれ以上先に人家はありません。道も行き止まりです」。
そんな場所で飼育されているからだろう。
横山牧場の牛たちは、みな穏やかな顔をしていた。
牛舎の責任者である横山大河(たいが)(26歳)さんもまた、柔和な笑顔をいつも浮かべて、穏やかな話し方をされる。
山から湧き出る清流を飲み、澄んだ空気に包まれ、車の騒音や人の声から遠く離れて暮らせば、人間だって伸びやかになる。
牛たちは、清々しい環境の中でのんびりと育てられる。
牛にも人にもストレスがない。
人家からすぐ近くに、深い里山が多くある、高知特有の環境だからこそこういう牧場ができるのだろう。
そして村落に降りれば、「焼肉よこやま」がある。
横山大河さんの弟である横山元紀(げんき)(22歳)さんが切り守る。
この焼肉店は、横山牧場で育てられた四万十牛(黒毛和牛)がいただける店である。
自分たちが大切に育ててきた牛を、その牛の素晴らしさを、お客さんに味わってもらおうと思って作った店だという。
だからどの肉にも思いがある。
ガラスケースに収まった各部位の陳列の仕方も、メニューの構成も、カットの仕方も、焼き方も無駄がない。
1グラム、1滴も逃さず食べてもらおうという、愛がにじみ出ている。
フィレは、赤身のすっきりとした味わいがあり、肩ロースは、たくましさと穏やかさが内在した醍醐味があり、ハラミは、脂の野太さにコーフンさせられ、サーロインは、きれいで甘い脂の魅力にうっとりとする。
ホルモン(大腸)は、身厚で輝く質の高い脂がたまらなく、レバーはほんのりと甘い。
そして豪勢にタンモトを分厚く塊で出す「幻のタン」は、脂のキレよく、柔らかな滋味が幸せを呼び込む。
その肉の部位も、優しく品のある味わいである。
それは清廉な空気や水と戯れあった、牛だけが生み出す慈愛なのかもしれない。
高知県四万十市西土佐江川崎「焼肉よこやま」にて