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この情報は2020年9月26日時点の情報となります。
いの町の地域おこし協力隊がお届けする、町の魅力!今回は、いの町の中心部から車で約1時間ほど山間部に向かったところにある、いの町本川地区。そんな山あいにある高知の自然を五感で味わえる小さなビストロ。
目次
西日本最高峰の石鎚山に連なる、雄大な山々を有するいの町本川地区。高知市中心部から約1時間半。清流仁淀川に沿って上流へとクネクネ道を上がっていった場所にあるのが、隠れ家のような小さなビストロ「Cafe&Bistro 木の根に萌(きざ)す。」だ。
高知の自然が育んだジビエや地元の厳選食材と、店主こだわりの自家菜園野菜を使った料理を自然のなかで味わえる。
(写真提供:Cafe&Bistro 木の根に萌す。)
こちらで一番の人気メニューは、猪と鹿の肉を使った「奥山育ちのハンバーグステーキ-3色のバリエ- 」。ジビエと聞いてイメージする臭みは全くなく、強い肉の旨みと甘みが味わえる。季節に合わせて、旬の食材を使ったソースが3種類添えられる。
2019年に開催された「高知よさこいジビエコンテスト」の料理部門で優秀賞を受賞した時のレシピをアレンジした一皿だ。
(写真提供:Cafe&Bistro 木の根に萌す。)
地元のおじいちゃん、おばあちゃんに人気なのは「荒くれ猪のタコライス」。
一見若者向けメニューのようだが、世代を問わず人気の味付けになっている。
(写真提供:Cafe&Bistro 木の根に萌す。)
ディナーは地元の食材を使ったコース料理(要予約)や、アラカルト。自家製スイーツやドリンクも充実している。
お店を営むカラキダユウタさんは、東京の飲食店で約10年の勤務経験を経て、いの町地域おこし協力隊として本川地区に移住。その後、本川地区でこのお店を開いた。
本格的なジビエと、見た目も華やかで美味しい料理たちが味わえる「Cafe&Bistro 木の根に萌す。」。でもこのお店は、食事を楽しめるだけの場所ではない。お食事をいただいた後、店主のカラキダさんにお話を聞いた。
カラキダさんは、お店で提供する料理に自家菜園で育てた野菜を使っている。
本川地区は標高750mの高地にあり、冬は最低気温が-10℃にもなる寒冷な土地。寒暖差の激しい土地柄、濃厚な味わいに育っている。農薬を使っていないので虫食いになりながらも立派に成長していて、見るからに力強い。
―メインはもちろん絶品ですが、付け合わせやスイーツの一つ一つまで、手の込んだ美味しさに感動しました!お店で特にこだわっていることはなんですか?
カラキダさん:ありがとうございます。こだわっているのは食材ですね。野菜は、ほとんどが栽培期間中に農薬を使わずに、僕が有機堆肥で育てた自家菜園の野菜。季節限定の天然鮎は自分で獲ってきています。
その他、大豊町のジビエ肉、いの町本川地区の特産品であるブランドきじ「手箱きじ」や本川じゃがいも、越知町の文旦なども使用しています。
僕は、嶺北地域・仁淀川地域・石鎚山など、この辺りを広く「地元」と考えています。その地元で育った、とびきり美味しい旬の食材。無農薬栽培など、自然に近く、安心して召し上がっていただける食材を選んで料理しています。
地元の食材を使うことで地元全体が盛り上がっていったらいいな、という想いもありますね。
(写真提供:Cafe&Bistro 木の根に萌す。)
まるで森の中にいるような昼間の店内は、時間と共に刻々と変化する光が美しい。窓辺には時折ヤマガラやシジュウカラがやってくる。
―窓の外の風景や音を感じながら、地元食材がたっぷりのジビエ料理をいただく。舌だけでなく体全体、五感でこの地域の自然を味わっているような感覚になりますね。
カラキダさん:そうなんです。お店のコンセプトは、「お客様に自然の中でゆったりした時間を過ごしていただく」こと。
お店のある「木の根ふれあいの森」は、コウヤマキなどの多様な樹木と、ムササビやアナグマなどの動物たちが暮らす、美しい自然林の中にあるキャンプ場です。
お店でのお食事やお茶の前後に遊歩道を散策して、自然もぜひ堪能してほしいですね。僕はいの町の「山の案内人」の資格も持っているので、散策していて気になることがあったらなんでも聞いてください。
お店のすぐそばには遊歩道の入り口が。自然林の散策もぜひ楽しんで。
(写真提供:いの町役場)
西日本最高峰の石鎚山に連なる、雄大な山々が並び立つ本川地区。登山はもちろん、「UFOライン」と呼ばれる四国山脈の尾根に沿って走るドライブもおすすめだ。
カラキダさん:周辺にはいい山がたくさんあります。山岳観光や登山も一緒に楽しんでいただくと、この地域の自然をより満喫できますよ。
周辺には、稲叢山(いなむらやま)、瓶ヶ森(かめがもり)、寒風山など、初級者から上級者までが楽しめる山がある。日中は山や森で全身を使ってお腹をすかせ、夜は山の静けさに包まれながら、お酒と地元食材とジビエ料理を味わう。みんなでお酒を楽しんで、満天の星空を眺めながらほろ酔いでコテージに泊まると、自然も食事も120%満喫できて、もう最高だ。
昼とまた違った、幻想的な雰囲気をまとう夜の店内。
(写真提供:Cafe&Bistro 木の根に萌す。)
お酒は「自分の好きなものを置いてる」という。海外ビールやワイン、カクテルなど、なかなかいいものが揃っている様子。コテージに宿泊すればハンドルキーパーもいらないので、とことん楽しめる。
カラキダさん:あとひとつおすすめしたいのが、実は雨の日なんです。僕は雨の日の山の中が結構好きで、雨の日のちょっと薄暗い感じ、静かさ、それが山の中にいるととても心地いいんです。
僕の理想ですが、そういう日に「一人で本でも読みながらゆっくりする」というようなお店の使い方もぜひしていただけたら。
雨音の中で青さを増す緑と、立ちのぼる森の香りに心が落ち着く、雨の日の風景。静かな心安らぐ時間を過ごすことができそうだ。
―食材選びや内装など、随所にこだわりや美意識が感じられます。お店の今後の展望をおしえてください。
カラキダさん:なんでも自分でやりたいし、やりたいことがいろいろあって。狩猟免許も持っているので、いずれは自分で仕留めたジビエを使いたいですし、山の案内活動もしているので、そういうやりたいことをこのお店に詰め込んでいけたらなと思っています。
お店でのコラボイベントも年に数回やっていて、流星群の観察会とジビエ料理のディナーなど、「この地域ならではの環境と食」を活かした企画をしています。「ジビエを食べてみたい」という方はもちろん、「高知の山と森をまるごと味わいたい、体感したい」という方も、ぜひお越しいただけたらと思います。
後日、流星群の観察会に子連れで参加させてもらった。
2歳になりたての我が子が、料理の美味しさとお店の幻想的な雰囲気に感嘆。この日のメインのジビエ料理、鹿ロースのローストはクセがなく深い味わいで、ほとんど子どもに食べられてしまった。
森の中の静かな店内にいると、心が澄んで研ぎすまされていくような感覚になり、本格ジビエ料理を一層堪能することができた。
豊かな自然を舌だけでなく、まさに五感でまるごと体感できるビストロ。天候、時間、季節によって変化する店内の表情も、ぜひ楽しんで欲しい。
店舗情報
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Cafe&Bistro 木の根に萌す。
住所:高知県吾川郡いの町戸中171(木の根ふれあいの森 研修館内)
TEL:080-8632-0841
営業時間:金曜 午後6時〜午後10時、土曜日曜祝日 午前11時〜午後10時(ランチ:午前11時〜午後3時)
※席に限りがございますので、ご予約をおすすめします。
※コースは1週間前までにご予約ください。
※宿泊についてはお店または木の根ふれあいの森にお問い合わせください(割引あり)。
高知県いの町市街地から車で約1時間
愛媛県西条市から車で約30分
WEBサイト:www.nikizasu.com
Facebook:https://www.facebook.com/nikizasu/
Instagram:@nikazasu
文/いの町地域おこし協力隊 フルヤアサミ