高知のお座敷遊び「はし拳」全日本選手権!勝てば笑顔!負けても笑顔!「第57回土佐はし拳全日本選手権大会」開催
この情報は2025年11月12日時点の情報となります。

高知の宴席には欠かせない、土佐のお座敷遊び「はし拳」の王者を決める「第57回土佐はし拳全日本選手権大会」が、2025年10月11日に開催された。
今回の会場は、10年ぶりとなる高知県立県民体育館。
老若男女遠慮なし!熱気あふれる大会の模様をお届けします。
Contents
拳士たちが一年間心待ちにした戦いへ
お互いが握った箸の合計本数を当てあう、土佐の伝統的お座敷遊び「はし拳」の王者を決める「第57回土佐はし拳全日本選手権大会」が、2025年10月11日、高知市の高知県立県民体育館で開催され、63チーム190人の拳士たちが、土佐酒を酌み交わしながら楽しくも白熱した戦いを繰り広げ、今年の日本一を競い合った。
「はし拳」とは、お互い後ろ手に隠し持った3本の箸を交互に前に出し合いながら、握った箸の合計本数を当てあうという、土佐のお座敷遊びだ。
ルール自体は実に単純なのだが、そこには高度な手の読みあいや心理戦、当然知らず知らずに進んでしまうお酒の酔いも絡んできて、今回の敗因はと聞いてみれば「ただの飲みすぎよ!」という拳士が少なからずいる、それが土佐の「はし拳」なのだ。
今年の会場は10年ぶりとなる高知県立県民体育館
県立体育館での開催は、2015年の第50回大会以来、実に10年ぶりのこととなる。
土俵や拳士席などは前日に設営を済ませており、この日は朝から土俵の膳や箸、座布団、会場内の各掲示物などを一つ一つ確認しながら準備が進められていた。
そして拳士席には大会プログラムとともに、けっして欠かすことのできない参加賞、土佐酒300mlと3本入り竹輪が各チームに3つずつ配られる。
受付開始1時間前にはほぼすべての準備が終わり、わずかばかりの休憩時間となるのだが、そのころにはロビーや会場外には多くの拳士が集まっていた。
「元気にしよったかね」「今日はどうじゃろうね」と声を掛け合いながら和気あいあいとしているのだが、皆心の内では「勝つんはこっちじゃ」と静かに闘志を燃やしているのが見て取れる。
戦いの前の華やかな時「土佐はし拳節」
13時、いよいよ「第57回主催者の土佐はし拳全日本選手権大会」の開催となり、主催者の挨拶や来賓祝辞、前回の個人戦優勝者による拳士宣誓や模範試合など開会式次第は進んでいき、恒例となる大会の花、高知市の料亭「濵長」さんによる「土佐はし拳節」の披露へと続く。
艶やかで華やかな舞いから、流れるように「はし拳」へ。その美しい姿に拳士は目を奪われ、盛大な拍手と歓声が送られた。
拍手が収まるころ、拳士たちは土佐酒をあおり、気合を入れなおす。さあ、いよいよ競技の始まりである。
「さあ、いらっしゃい!!!!!!」威勢のいい声が響き渡る!
ジャンケンで負けた拳士の「いらっしゃい!」の声から始まる「はし拳」。
箸の持ち方や出し方、声の大きさや表情など、その「はし拳」スタイルはさまざまである。
1分ほどで決着がつくときもあれば、「はよ決めろや!」とまわりから声がかかるほど長くなるときもあるが、どの試合も真剣勝負!土俵上も土俵の周りも緊張感に包まれる。
負けた拳士が罰盃になみなみ注がれた土佐酒を飲み干し、お互いに「ありがとうございました」で一つの勝負が終わるが、「はし拳」においてよく見られる光景の一つが、負けた者が勝った者のところに土佐酒と盃を持ち挨拶に行く姿である。
はし拳を打つ姿は真剣そのものだが、勝負が終われば笑顔でお互いをねぎらい、初めて会ったもの同士であろうが、老若男女変わらずに乾杯して土佐酒を飲みくだす。
なんとも言えないこの空気感・関係性もまた「はし拳」の魅力なのだ。
あふれる笑顔!酒も勝負も真剣に!「ここにおるがは仲間やき」
今回の「第57回土佐はし拳全日本選手権大会」も大いに盛り上がり、会場にはたくさんの笑顔が広がった。
真剣勝負の「はし拳」、チームが一つにまとまる「はし拳」、皆で笑いあうツールとしての「はし拳」。
単純な遊びゆえに奥が深く、はまってしまえば抜けられない。
きっと来年も皆が集い、箸を差し合い、酒を酌み交わすのであろう。
土佐酒文化「はし拳」はこれからも
高知県酒造組合理事長の高木酒造株式会社代表取締役 高木直之氏はこれからの「はし拳」について、土佐酒文化としてずっと受け継いでいかなければならないものだと語ってくれた。
「参加者をいかにして増やしていくのかというのは大きな課題です。今回、県民体育館で開催したのも、どの会場でやるのがいいのかを考えるためでした。
今回は参加チームが増え一安心しましたが、10年前の第50回大会は83チーム249名の参加者でしたので、まだまだ頑張らなければいけない。
会場はどこがいいのか?土曜日開催がいいのか?それとも日曜日のほうがいいのか?今回参加していただいたみなさんにもお話を聞かせてもらいながら、少しでもいい方向へと進んでいきたいと思っています。
「はし拳」は高知が誇るべき大事な文化です。「はし拳」をやったことがないという方にどうすれば興味を持っていただけるのかをずっと考えていかなければいけないと思っています」
高知の町を歩いてみれば、どこからともなく「いらっしゃい!」「3本!」の声が聞こえてくるかもしれない。
もし「はし拳」に少しでも興味があるならば、恥ずかしがらずに声をかけてみるといい。
きっと誰しもが優しくルールを教えてくれるはずである。あなたもその時から一人の拳士である。
さあ、いざ「はし拳」の世界へ飛び込んでみては?
【はし拳ルール】
①まず、二人が差し向かいに座り、まん中に酒と杯と赤箸6本を用意します。
②先手・後手を決めるためにジャンケンをします。(このときに最初はグーの掛け声を忘れてはなりません)ジャンケンで勝った方が先手、負けた方が後手です。
③それぞれが箸を3本ずつ後ろ手に隠し持ち、ジャンケンに負けた後手の方から「いらっしゃい」の大きな声とともに、相手に見えないように箸を手に隠し、前に差し出します。
④先手は「3本」としか言えないルールなので、後手が持っている本数を推測し合計3本になるように箸を握り、威勢よく差し出します。
⑤これに対し、後手は「1本」もしくは「5本」と答えます。(この時、後手は出している本数が0本か1本なら必然的に「1本」、2本か3本なら「5本」と答えることになります)
⑥双方はっきりと出している箸を見せ合い、2人の箸の合計が3本なら先手の勝ち、1本か5本を言い当てたなら後手の勝ちとなります。
⑦これを先手後手入れ替わりながら3本勝負で打ち合い、負けた方は盃の酒を飲み干します。
取材協力:高知県酒造組合、「第57回はし拳全日本選手権大会」出場拳士の皆さま

















































