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【高知家の後継者募集】碧い海を臨むブランド鯖「清水サバ」の聖地・土佐清水市で魚を売る 高知県土佐清水市「かどた鮮魚」

この情報は2025年8月19日時点の情報となります。

    高知県の西端に位置する土佐清水市は、水産業の街として知られる。

    特に全国区になっているのは、「清水サバ」。

    この地で水揚げされるゴマサバをブランド化して、全国に売り出しており、サバの聖地として有名だ。

    街には漁業に関わる人は数多く、最盛期には多くの魚屋さんが立地し、活気あふれる光景が広がっていた。

    往時の魚屋さんの形式は、「夫が漁師として魚を捕り、妻が店でそれを売る」というスタイル。

    このため、取り扱う商品が新鮮なのは当たり前。

    「美味しい魚を毎日頂く」という食文化は地域全体に広がっており、それは今も受け継がれている。

    今回の主役、「かどた鮮魚」は市街地の西端、小江港近くに立つ。

    一人で店を切り回しているのが、角田武(かどた・たける)さん(74)。

    両親の代から鮮魚店を営んでおり、武さんは2代目だ。

    青年時代は、両親の店で家業を手伝っていたが、結婚を機に独立し、現在地に店を構えた。

    以来約50年、ずっとこの地で包丁を握っている。

    武さんの商いは、営業車による行商がメーン。

    このやり方は独立当時からずっと変わっていない。

    同市は市制が施行されているが、いわゆる中山間地域であり、山間部の各地域には買い物に行きづらい交通弱者の方々が数多く住んでいる。

    この消費者のために、日曜日以外は車を走らせて、新鮮な魚を届けている。

    「年々人が少なくなって、お得意さんは減少傾向やけんど、首を長くして待ってくれている人はたくさんおるけんねえ。なかなか休めんがよ」

    朝に市場で魚を買い付けて、その日に売る魚を店内で手早く捌く。

    「今日はあの人が買ってくれるはずや。量はこれぐらいかなぁ」と、買い手を想像しながら、包丁を入れて刺身の舟盛りを作っていく。

    行商の時に車から流すのは「およげ!たいやきくん」。

    「まいにち まいにち ぼくらは てっぱんの~♪」。

    この曲が流れると、常連客がお決まりの場所に集まって来る。

    一度、流す曲を演歌に変えたが、「うちが来たという事が分かりづらくて、不評だった」そうで、すぐに元に戻したという。

    以来ずっと、たいやきくんの歌と共に、それこそ、毎日毎日、たいやきではなく、タイやサバ、カツオなど、地元の新鮮な魚を届ける。

    行商の他にも、お得意さんは数多くいる。

    市内の老人ホームや保育園、食堂、居酒屋など、安定的な顧客がついており、武さんの店はなくてはならない存在となっている。

    これまで大きな病気はほとんどせず、常に顧客に魚を届けてきたのだが、年齢も70代半ばとなり、そろそろ引退が頭をよぎり始めた。

    子供や親せきに後継者は見当たらず、このままでは廃業の可能性も。

    「自分が辞めるのは簡単だけど、地域のお年寄りなどお客さんが困ることが分かっている。何とか誰かに後を引き継いでもらいたい」。

    こうして、全国に希望者を募ろうということになったわけだ。

    引継ぎ条件は、店舗兼住宅、顧客などの営業資産の一括売却。

    店舗の建坪は約20坪で、2、3階部分が住居になっており、延べ床面積は約50坪。

    以前は、家族で住んでいた店舗兼住宅なので、家族連れでも十分住める広さの住居が付いて来る。

    1階には鮮魚店部分と別に、以前喫茶店を営んでいたスペースもある。

    後継者にパートナーがいれば、この空きスペースを改装して、新鮮な魚を提供する飲食店などを開くことも可能だろう。

    店を出て、南に歩けばすぐ小江港に着く。

    海の近くで暮らしたい希望のある方なら、マリンレジャーを始めとして、色々なライフスタイルを見つけることができそうだ。

    土佐清水市は日本の市の中で、東京から最も時間距離遠い場所とも言われる。

    しかし、だからこそ、自然豊かであり素朴な暮らしが今も息づいている街でもある。

    潮騒が聞こえる街で取れる海の幸を地元の人々に届けながら、地域に根差した暮らしをする。

    その営みの中にこそ、大都会では得ることのできない真実の幸せがあるのかもしれない。

    店舗情報

    かどた鮮魚

    高知県土佐清水市汐見町24-12

     

    経営は上手く行っているのに、後継者がいないために廃業せざるを得ない――そんな悩みを持つ企業が全国的に激増し、大きな社会問題になっている。高齢化先進県である高知県は全国に輪をかけて、事業承継の課題が山積している。「県内での事業承継を少しでも増やしたい」。このコーナーは、事業を譲りたい人と受け継ぎたい人を繋ぐ連載です。

    高知県事業承継・引継ぎ支援センター

    電話:088-802-6002

    メール:kochi-center@kochi-hikitsugi.go.jp 

    担当:野本 藤井

     

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