高知家の◯◯高知家の◯◯ 高知県のあれこれまとめサイト
高知県のあれこれまとめサイト
  • facebook
  • x
  • instagram
  • youtube
 

高知からロケットが飛ぶ日がやってくる!?「宇宙港」誕生に向けた取り組みの舞台裏

この情報は2025年6月17日時点の情報となります。

    四国銀行が開設している、高知県の地方創生の推進に寄与することを目的とした地域特化型クラウドファンディング「EINEE高知」。「いいね!」を表す土佐弁「えいねぇ」に由来しており、「えいねぇ」と言いたくなる高知の魅力のあるモノ・コトや、「えいねぇ」という気持ちが広がるような取り組みを紹介している。
    今回は、『EINEE高知』にて現在クラウドファンディングが行われている、スペースポート高知が取り組むクラウドファンディングを紹介する。

    “高知からロケットを打ち上げる”

    夢のような話に感じるかもしれないが、ロケットを発射するスペースポート(宇宙港)を高知に作ろうと本当に取り組んでいる人たちがいる。

    一般社団法人スペースポート高知 代表理事の古谷文平さんと共同発起人で理事の小松聖児さんだ。

    今回は、発起人の2人にスペースポートの建設に向けて取り組むことになったきっかけや実現までの道筋を伺った。

    ※ニュージーランドに拠点を置く小松さんはリモートで参加。

     

    中学校で出会った2人が、時を経てまた同じ夢を追うことに

    写真提供:スペースポート高知(写真左から5番目が小松さん、右から5番目が古谷さん)

    2人の出会いは土佐中学校だった。

    中学1年生の時のクラスメイトで、2人ともサッカー部。

    右サイドバックと左サイドバックという対となるポジションで、大学受験ギリギリまでサッカーを続けていたチームメイトだ。

    大学進学後は、古谷さんは東京、小松さんはアメリカに拠点を移したが、長期休みには古谷さんがアメリカを訪ねたこともあったのだそう。

    そんな2人がスペースポートの建設に向けて動き出したのは、2024年4月の古谷さんのFacebookへの投稿だった。

    古谷さん:2019年に家族とともに高知にUターンしました。過疎や高齢化が進む高知。自分の仕事の先行きを見るだけではなく、もっと広い視野で高知の次の方向性を検討する必要性を感じて考えていた時に、このスペースポートのアイデアを思いつきました。スペースポートを核に、地域の活性化を図れないか。この考えをFacebookに投稿すると、反応してくれたのが小松でした。

    小松さん:アメリカやニュージーランドで人工衛星や月面着陸機の設計など宇宙産業に従事してきた経験から、高知にスペースポートを建設することは実現可能なアイデアだと思いました。それから日本の宇宙産業の現状や高知の地理的条件を改めて見てみると、「本当にやれるぞ」と確信に変わりました。

    高知とニュージーランドという2拠点で、リモート打ち合わせなどを重ねて、2025年2月に一般社団法人スペースポート高知を設立。スペースポートの建設に向けて、本格始動した。

    画像提供:スペースポート高知

     

    高知からロケットが打ち上がる未来はすぐそこ!?

    画像提供:スペースポート高知

    スペースポート完成までのロードマップは以下となっている。

    2025年 一般社団法人設立、高知県への提言、調査予算確保、本格調査開始
    2026年 スペースポート建設予算確保、スペースポート設計開始
    2027年 スペースポート建設開始
    2028年 スペースポート建設
    2029年 スペースポート運用開始、射場拡張

    スケジュール通りに進めば、2029年には高知からロケットが打ち上がる計画だ。

    古谷さん:この事業の目的は、ただ単にロケットの打ち上げ場所を作ることではなく、都市の変革です。スペースポートを核に宇宙産業を振興し、国内外から投資を集めることによって、高知という街が活性化することを目指しています。高知に暮らす人たちが希望を持って働き、夢を描ける未来を実現したい。そのために始まったプロジェクトです。

    小松さん:このプロジェクトを進めることによって、高知の既存産業と宇宙産業とのシナジーが生まれ、地域が活性化していく未来を創りたいと思っています。ですが、現状ではスペースポートという言葉や宇宙産業に馴染みがない人が大半だと思います。私たちが思い描いている未来を、1人でも多くの人に理解していただくための取り組みが大切です。

    そして現在、高知の人に宇宙やロケットを身近なものとして感じてもらうためにスペースポートの模型を制作するというクラウドファンディングに取り組んでいる。

     

    スペースポートの模型を制作して、高知県民に宇宙を身近に感じてもらいたい

    画像提供:スペースポート高知

    クラウドファンディングは、スペースポートの全体像を模型にし、たくさんの人に見てもらうことでスペースポート高知が目指す世界観を知ってもらおうとするものだ。

    古谷さん:模型という3Dにすることで得られる情報量が格段に多くなりますし、その分インパクトも感じていただけるのではないかなと思っています。私たちの取り組みを頭と心で理解していただくために、まずは模型制作に取り組みたいと考えています。

    小松さん:画像や模型はスペースポートの将来的な全体像をイメージしています。実際に稼働が開始する時には、20mくらいの小型ロケットの打ち上げから始めることになると思うので、そのための最低限の施設を整えることになります。100m×200mくらいの敷地を確保し、射場としてはミニマムな設備で。そこから始めて、理想とする形に拡張していければと考えています。

    ▼▼▼クラウドファンディングはこちらから▼▼▼
    https://readyfor.jp/projects/15732
    ※クラウドファンディングの募集は、2025年7月15日午後11時まで

     

    このワクワクするプロジェクトに参加したい!仲間や支援者が続々増える

    「高知からロケットを打ち上げる」この前例のない取り組みに、県内外からたくさんの共感や支援が集まっている。

    そんな応援している企業のひとつが、四国銀行だ。

    四国銀行は一般社団法人の理事として、また企業正会員としてスペースポート高知に参画している。

    ちなみに、四国銀行の担当者は土佐高のサッカー部で2人の後輩だった小栗充裕さん。

    地域イノベーション部の行員として、偶然の再会を果たした。

    写真左から四国銀行 小栗さん、スペースポート高知 古谷さん

    後輩である小栗さんは「スペースポートをフックに関係人口が増え、賑わいが創出されるというアイデアに共感しました。課題先進県である高知の起爆剤になればと思っています。」と2人の取り組みを支援している。

    夢のような話を現実に。

    まずは、その一歩となる模型の制作に向けて取り組んでいるスペースポート高知にたくさんの応援が集まることを期待したい。

    スペースポート高知
    https://spkochi.org/

    文/長野春子