観光, 商店街
データとアイデアで描く高知市中心エリア「帯屋町商店街」の未来
この情報は2024年11月22日時点の情報となります。
日本を代表する植物学者であり、朝の連続テレビ小説「らんまん」のモデルにもなった牧野富太郎博士の故郷・佐川町は、昔ながらの古き良き街並みが残る町である。
佐川町上町地区にある「酒蔵の道」と名付けられた通りでは、創業400年を超える老舗酒蔵「司牡丹酒造」が酒造りを行なっており、酒造りが行われる季節にはふわりと仕込みの香りが一帯に漂う。
この地域で2008年から行われているのが、毎年この時期に開催する「さかわ・酒蔵ロード劇場」だ。
「さかわ・酒蔵ロード劇場」は、当時アーティストの卵であった酒井敦美さんと町内で書家として活動していた人物の偶然の出会いから始まったイベント。
「歴史ある街並みを劇場に見立てて、白壁にアート作品を投影したらおもしろいよね」というアイデアが「さかわ・酒蔵ロード劇場」として形になったことからスタートした。
写真提供:さかわ観光協会
第1回からこれまで、投影される作品もスタッフも、すべて有志のボランティアで行われてきた。
そのため、投影するためのプロジェクターが置かれている台は、なんと司牡丹の一升瓶ケースという場所も。
写真提供:さかわ観光協会
写真提供:さかわ観光協会
すべて手作りのイベントだが、開催を重ねるうちに人気となり、2019年には6000人を超える来場者があったという。
写真提供:さかわ観光協会
写真提供:さかわ観光協会
コロナ禍の2020年、2021年にはリモートで開催するなど、第1回からイベントの灯火を絶やさず開催を続け、2022年からリアルでの実施を再開することができた。
そして第17回目の開催となる今年は、11月30日(土)に開催が予定されている。
事務局を務める「さかわ観光協会」の山﨑正和さん(写真)にお話を伺うことができた。
山﨑さん:17回目となる今回は、人気のイラストレーター・絵本作家の柴田ケイコさんをゲスト作家に迎えて、10名を超えるアーティストによる絵画の投影や、音楽などのアート作品を楽しめるイベントになっています。佐川町の街並みが、一夜限りの光と音楽の幻想的な劇場へと変化します。
-すべて手作りのイベントというのがすごいですね。
山﨑さん:来場者が増加していて嬉しい反面、安全面の確保などで不安を感じる部分はあります。暗い中で開催するイベントのため足元の段差など危ない場所があり、安全面での対策は急務です。そこで、現在実施しているのがクラウドファンディングです。
クラウドファンディングは、「EINEE高知」という四国銀行・高知新聞・READYFORの3社が共同で行う「高知特化型のクラウドファンディング」サイトにて行われている。
▼▼▼クラウドファンディングはこちらから▼▼▼
https://readyfor.jp/projects/sakawa20241130
集まった寄付金は、照明機材や会場内の安全対策に使用される。
山﨑さん:誰もが楽しめるようにと開催当初から入場無料としてきたので、今後も入場無料を続けていきたいです。また、年々増加する来場者のみなさんに安全に楽しんでいただけるよう対策をして、今後も進化をしていけたらと思っています。
四国銀行佐川支店としてクラウドファンディングをサポートする井上遼さん(写真右)は「文教の町・佐川町で、こうした文化的な事業にクラウドファンディングで貢献できるのは意義のあることだと感じています。このイベントが持続的なものとなるように、精一杯サポートしていきたいです。」と言います。
クラウドファンディングは11月25日まで。目標金額には既に達しているが、一人でも多くのサポートを引き続き求めている。
そして11月30日のイベント当日には、光と音の幻想的な空間を、ぜひ現地で体感してほしい。
写真提供:さかわ観光協会
第17回 さかわ・酒蔵ロード劇場
日時:2024年11月30日午後5時〜8時30分
場所:佐川町上町 酒蔵の道
電話:0889-20-9500
https://sakawa-kankou.jp/event/50
文/長野春子