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【高知グルメ】「珈琲の魅力を伝えたい」薬剤師でもある店主の想いが詰まった「気ままに珈琲」ほっとこうちオススメ情報
この情報は2017年6月18日時点の情報となります。
日本最後の清流と呼ばれる四万十川で明治26年から酒造りをしている株式会社「無手無冠」。高知県民だけでなく、全国で愛される栗焼酎『ダバダ火振』の製造工程や、その魅力をレポート。
栗焼酎『ダバダ火振』といえば、栗独特の香りと口に含んだときのまろやかな甘みとコクが特徴。お酒があまり得意でなくても「『ダバダ火振』は好き」と言う人がいるほどに飲みやすい。
また、希少価値のあるお酒としても知られている。「『ダバダ火振』入荷しました!」と大きく宣伝している居酒屋や酒屋を見かけることもあるほど。
なにかと不思議な『ダバダ火振』。どうやって製造しているの? どうして栗で焼酎を作ろうと思ったの? なんですぐ売り切れちゃうの?
その理由を、ダバダ火振を作っている蔵元の番頭を務める福永太郎さん(写真右)にインタビューした。
福永さん「もともと四万十川の上流地域の大正、十和、西土佐あたりは栗の産地なんです」
記者「それにしてもかなり栗のサイズが大きかったり小さいように見えます」
福永さん「そうなんです。そこで採れた市場に売るには規格外のもの、いわゆる今でいう『ワケあり』のものを使用しています」
記者「この行程は手作業でなんですね」
福永さん「はい、ひとつひとつ丁寧に選別して手作業でやっています」
記者「どうして栗で焼酎を作ろうと思ったのですか?」
福永さん「弊社はもともと日本酒を作っていたんですが、昭和60年ごろ、当時の町長からワケありの栗を使用した焼酎を作ってみないかと言われたのがきっかけです。それから焼酎の製造免許も取得して、真摯に取り組んできました」
記者「免許まで…すごいですね」
福永さん「当時は『焼酎=安酒』という認識だったので、とても苦労しました」
記者「『ダバダ火振』が大ヒットしたきっかけはなんだったのですか?」
福永さん「『おもしろい焼酎がある』とJALのカタログに掲載されたんです。おかげさまで、それからヒットしました。いまでは『日本酒1:焼酎9』の割合で製造しています」
記者「いまでは入手するのが難しいとまで言われる大ヒット商品ですね」
福永さん「おかげさまで、手に取ってもらう機会も多く需要に対して製造が追いついていない時期が15年以上続いています」
記者「製造が追いついていない、とは?」
福永「醸造する樽や栗の数から、製造できる数にはどうしても限界があります。そのため、弊社ではお客様に『前年度に買っていただいた本数』を目安に販売数を限定して、なるべく多くの方に飲んでもらえるように取り組んでいます」
また、福永さん曰く、この栗焼酎に使う焼酎粕の有機肥料にはヒノヒカリという地元で作られたお米を使っているとのこと。
その米でできた地酒なので、鮎や鰻などの郷土料理との相性も抜群にいい。
無手無冠の販売所では『ダバダ火振』だけでなく、『無手無冠』などの日本酒も販売している。また、鮮やかなピンク色の栗焼酎リキュール『ダバダロゼ』や、栗焼酎ベースの梅酒『ダバダロゼ梅』などの限定商品を買うこともできる。
栗の選別や、製造されたお酒についているパンフレットまで、すべてひとつひとつ従業員たちが丁寧に手作業で行っている無手無冠。そういった真摯で温かみのある姿勢が、高知県のみならず全国から愛されるブランドを作り出しているのだろう。
また、無手無冠の近くには焼酎を預け入れることができる四万十川焼酎銀行という場所もある。通常では味わうことのできない希少な栗焼酎を手に入れることができるため、四万十川に行った際には、あわせて立ち寄りたい。