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【高知カツオ県民会議シンポジウム】「高知と言えばカツオ!」…だったのが高知の美味しいカツオを自慢できなくなる日がやってくるかも!
この情報は2019年8月23日時点の情報となります。
平成30年4月に開校した「高知国際中学校」。国際的な教育プログラムである「国際バカロレア」の導入に向けて取り組んでいる、全国的にも珍しい県立の学校だ。
平成30年4月に開校した「高知国際中学校」。現在は中学1年生、2年生の計120人が学んでいる。2年後には、1期生が高校生となり、高知国際高等学校も開校する予定だ。今回は高知国際中学校の佐野先生にお話を伺った。
-「国際バカロレア」の教育って、全国的にも珍しいんですか?
佐野先生:公立の中学校、高校では、現在、認定校が5校ぐらいかと。
-そんなに少ないんですね!「国際バカロレア」とはどんなものなのですか?
佐野先生:「国際バカロレア」は国際的な教育プログラムで、学ぶ人を中心としたカリキュラムです。生徒に対して、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。
-ざっくりと高知国際中学校の特徴を言うとしたら、何ですか?
佐野先生:生徒は「この学校は“考えないといけない”」とよく言いますね。
私は理科の担当ですが、例えば、「『被子植物』と『裸子植物』の違いは何ですか?」という問いがありますよね。私たちが習ってきたことは、その違いについて。私の授業では、「なぜ、被子植物と裸子植物があるのか?」という答えのない問いを生徒に投げかけ、生徒は議論します。
「いろいろな環境があって植物は進化した、環境の変化に応じて生物は進化する」という概念に気づくことが大切。大人になった時に覚えていてほしいのは、「被子植物と裸子植物」の違いではなく概念の方なんです。
-私も習ったはずですが、違いは全く覚えていません。笑
佐野先生:でも、クラスメイトと議論するためには、知識がないと議論できないので、必然的に被子植物と裸子植物の違いも理解することになります。答えが1つでない問いに対して、生徒は考えて議論するのでとっても頭を使います。
私は、「授業で5分以上しゃべらないこと」を目標にしています。授業では一方的に聞くのではなく、できるだけ“考える”時間を与え、教師は学びのファシリテーターに徹しています。
-5分ってすごいですね。自分が学生の時は、先生がほとんどしゃべってましたけど。
佐野先生:そうなんですよ!なので、授業参観の時、保護者の方に「先生は何してるんですか?」って言われてしまいました。笑 その授業の設計や準備には、相当時間がかかっているんですけどね。
-高知国際中学校のパンフレットには、「生徒が創る学校」とも書かれていますが。
佐野先生:まだできたばかりの学校なので、ある意味、今の生徒は自分たちが学校づくりに関わりやすいラッキーな年代。例えば、クリスマスパーティーを生徒が企画したのですが、学校では予定していないイベントでした。そのため、生徒が企画書を書き、校長先生にプレゼンをして実施できるようになりました。
実は、この学校案内のパンフレットも撮影やデザインを含めて生徒が作ったんですよ。それができる教育環境が、この学校にはあるんです。
-中学生が作ったとは思えないクオリティーですね!できたばっかりなので、大変だとは思いますが、やりがいがありそうですね!
佐野先生:そうですね、やりがいがあって本当に面白い!
教室も特徴的で、前面も後面もホワイトボード。
廊下には「スタディースペース」があったり、
講堂としても使える広々としたランチルームがあったりと、オープンな共有スペースもたくさん。
食堂内には、生徒に意識してもらうために『国際バカロレアの学び
同じ校舎内には「高知西高等学校」があり、これは高校生用の食券販売機。
令和5年度に、こちらの高知西高等学校・高知南中学校・高知南高等学校と統合を完了し「高知国際中学校・高等学校」となる予定だ。
-佐野先生は高知国際中学校の開校の年に高知に移ってきたと聞きましたが、どういった経緯で高知に来ることになったんですか?
佐野先生:高知に来る前は、2年間東京の大学院に通って、国際バカロレアの勉強を行いました。修了後、高知県に採用され、平成30年3月から高知で暮らしています。大学院の前は、島根の離島、海士町で4年間暮らしていました。
-仕事がきっかけで高知に暮らすことになったんですね。高知で暮らすにあたって、どんなことが不安でしたか?またどんな準備をしましたか?
佐野先生:京都出身なんですが、高知にほとんど来たことがなくて、“暮らす”イメージができていなかった。まずそこが不安でした。ただ、島根で働いていた時の友人が高知で暮らしていたので、知り合いがいたことは大きかった。あと、離島にも、東京にも住んだことがあったので、「来たら来たでなんとかなる」という感じもありました。
事前の準備としては、東京にいる間に高知県が主催する移住相談会に参加するなどして、住まいと妻の仕事、子どもの保育園を探していました。最終的に、住まいだけ先に決めて高知に来ました。
-先生自身が感じる高知の魅力、暮らしはどうですか?
佐野先生:高知市内に住んでいますが、何より食べ物とお酒が美味しいですね。普通のスーパーで買う刺身や野菜が、東京では何倍もの金額を出さないと食べられないクオリティだと思います。よく、日高村にある「村の駅」にトマトを買いにいきますが、生産者がブランドになっているところも安心して食べられるポイントですね。高知に来たら、外食だけでなくスーパーに行ってみることもオススメします!
「暖かいところ」というイメージどおりで冬は暖かく、夏は夜がしっかり冷える分、過ごしやすいです。
私の子どもはまだ小さいので、近所の方に関わってもらえるような、もっと田舎の地域で暮らしたいとも感じています。高知市は思ったよりも都会でした。「田舎暮らし」がしたいと思って高知市に移住したら、実際は「ちょっと違う」と感じる人もいるんじゃないでしょうか。
-先生が思う「高知」ってどんなところですか?
佐野先生:すごくチャレンジ精神があるところだと感じています。例えば、高知県内の小学校で、国際バカロレアの導入を検討している地域があって、全国的にも前例がほとんどないようなことに挑戦している。素晴らしいところですね。
高知国際中学校の生徒が、東京、大阪で開催するイベントで『高知県の魅力』をプレゼン!高知生まれ、高知育ちの中学生は、高知の魅力をどう感じているのか!?
高知国際中学校の取り組みに興味のある方は参加してみては。
地域の学校フェア ~高知の特徴的な小学・中学・高校・大学集合~
<東京>
日時:2019年8月31日(土) 午前11時~午後4時
場所:東京交通会館3階グリーンルーム(東京都千代田区有楽町2-10-1)
☆国際中学校生徒によるセミナー:午後12時~12時30分
詳細:https://bit.ly/2LRCWD0
<大阪>
日時:2019年9月1日(日) 午前11時~午後4時
場所:AP大阪梅田茶屋町(大阪市北区茶屋町1-27 ABC-MART梅田ビル8階)
☆国際中学校生徒によるセミナー:午後12時~午後12時30分
詳細:https://bit.ly/2XYy1qt