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【高知グルメPro】地元愛されイタリアンから人気の和食屋に夜の〆の屋台餃子までそろう「廿代町」のおススメグルメ6選 食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記セレクション
この情報は2019年7月28日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。
繁華街から離れた、閑静な住宅街に、粋な料酒亭を見つけた。
店は清潔感に満ちて、白木のカウンターがすくっと伸びている。
小上がりもテーブル席もあるが、こうした店は、カウンターがいい。
おしぼりで手を拭き、品書きを見る。おお、魚の種類が多い。
男前の板長と相談しつつ、カツオ、アオリイカ、グレのあぶり、ホウボウ、めんどりを盛り合わせで頼み、別に真鯛の薄造りを頼む。
突き出しは、ミナミマグロの握りと、ほうれん草胡麻和えである。
それで杯を傾けていると、お造りが運ばれた。
人数に合わせて、それぞれに一切れずつ盛り合わせてくれるではないか。その気働きが、心憎い。
アオリイカは分厚く、ねっとりと甘い。カツオは鉄分の血潮を上げる。
ホウボウは、海の香りを放ち、グレの炙りは、活かった身が歯に食い込んで、ほの甘い滋味を滴らせる。
めんどりとは変な名前だが、おじさんとも呼ばれる赤い魚で、海ヒゴイである。意外にしっこりとした歯ごたえでで、脂はあまりない。
かすかに甘い 流れ子の煮付けを頼み、また聞いたこともない、がっちょの唐揚げを頼んでみた。
これはメゴチである。サイズがいい。
「この大きさがが味が濃いんです」とご主人がいうように、大きくもなく、小さくもなく、ちょうど少年といったサイズで、噛んでいくとしぶとい味が湧き出てくる。
2キロ近いというタチウオの塩焼きは、香りが豊かで、噛むほどに甘みがある。
「こいつは旨いんですけど、値が下がった時を狙って買っているんです」。
この言葉こそが、いい店の証左である。
「大キスの塩焼き」は、中心が少し半ナマでエロい。
「アコウのあらだき 」は、皮や皮下のコラーゲンがてろてろで、口腔内の粘膜に甘えてくる。
最後は、「鯛めし 」にした。
鯛の出汁で炊いたご飯を、炊き上がりに、焼いた鯛の身と骨を入れて蒸らしたご飯である。なんと品がいいのだろう。
米一粒一粒に、鯛の味が回って、しみじみと旨い。
こりゃいい店を見つけた。また来るな、確実に。
高知県高知市はりまや町3丁目「凛々 鈴のや」にて