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薪ストーブの炎を眺めながらいただくナポリスタイルのマルゲリータ「Pizzeria Liberta(ピッツェリア リベルタ)」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

       

この情報は2023年3月19日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹にとんかつ、フレンチにエスニック、そしてスイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす「美食おじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する高知家の〇〇の人気連載記事「高知満腹日記」。今回は、ピッツァ窯で焼き上げる「マルゲリータ」「ビアンケッティ」をいただいてきました。

炎を見ていると、人間はなぜ落ち着くのだろう。

危険な夜を守ってくれたという、先祖の遠い記憶だろうか?

火を得たことによって、調理をするようになり、消化吸収が良くなり、風味が増えたことによる安堵のD N Aが受け継がれているのだろうか。

高知市の菜園場から移転した「リベルタ」には、薪ストーブが五台も置かれていた。

その一つに薪が入れられ、煌々と火がついている。

聞けば、薪かまどの代理店もつとめているのだという。

炎を見ながらの食事ほど、心落ち着く時間はない。

仕事の汗が落ち、都会のスピードが緩み、自分の時間が戻ってくる。

そんなゆるやかで、安らぐ時間が待っている。

そこへ、前菜の「つぶ貝のソテー  ボツタルガ添え」が運ばれてきた。

クリっとした食感のツブ貝の甘みを、ボッタルガの練れた塩気が持ち上げる。

猛烈に白ワインが飲みたくなる。

続いて運ばれたのは、「セセリのフリット」である。

セセリとはご存知のように、鶏の首肉である。

せせり取っていたことからこの名がついた。

よく動く場所なので、筋肉というか、筋がある。

衣がサクッと弾けると、その中から見応えのある肉が現れる。

軽やかな衣と凛々しい肉の食感の対比が、楽しい。

こいつはビールだな。

次はいよいよピッツァである。

まず最初は、基本のナポリピッツァ「マルゲリータ」である。

チェリートマト、バジル、モッツァレラブッファラ(水牛のモッツァレラ)による、ナポリと変わらぬスタイルである。

トマトソースを使わず、チェリートマトによる甘みがよく、モッツァレラブッファラの牛とは違う、乳脂肪分は濃いもののあっさりとした味わいとの相性がいい。

これは一人前はもちろん、あと二枚はいけるね。

以前、菜園場でやられていた時は、廃校をリノベーションしてやられていた。

食べる場所は、以前教室だったであろう空間で、外には荒れているが遊具が置かれた庭(校庭)があった。

そんな不思議な空間で食べるピッツァは情趣があったが、薪ストーブの燃えさかる炎を見ながらのピッツァも最高である。

焼かれるピッツァの気分と同化するようなそんな、気分が生まれる。

次に、二枚目が運ばれてきた。

「ビアンケッティ」。生シラス  ケッパー  オレガノ  プチトマト  ニンニクによるピッツァである。

都会でオーダーすると、生シラスは申し訳ないほどの量で、ほの苦いが、さすが高知。そんなたっすいことはせんぜよ。

シラスが、こじゃんと(たくさん)乗っていて、そのはかなき甘みが生地の甘みと出会って、これまた旨い。

今回はピッツァだけで終わったが、よし今度はピッツァ釜で焼いたスペアリブや鶏肉にかじりつこう。

きっと間違いなく、肉を食べる喜びに溢れているぞ。

高知県高知市高須2丁目「Pizzeria Liberta」にて