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うどんに蕎麦にメカ屋台まで!なんでも手作りする大将にいただく〆の一杯「和楽路屋(わらじや)」

       

この情報は2023年3月17日時点の情報となります。

    「始めのうちは土佐弁を使うの、嫌やったがよね」。

    高知市中心部の繁華街、帯屋町壱番街商店街に酔い客が姿を見せ始める21時半過ぎに店を開く、屋台「和楽路屋」のご主人は笑いながらそう言った。

    愛媛出身で、前職は寿司屋もやっていたご主人。

    高知に来て50年。ここ帯屋町で屋台を始めて44年だそうだ。

    冒頭の言葉は高知に来た頃のこと。

    しかし、長く高知にいる間に高知の人が好きになり、

    「高知の人は口は荒いけんど、腹の中には何も無いところがえいがよ」

    とおっしゃる。

    そんな話をしているうちに、頼んだ肉うどんが出てきた。

    あっさり目の出汁に、煮込んだ肉の脂の甘みとほのかなゴボウの香りが、さんざん飲み食いしたはずの胃袋を再び元気づける。

    ここは、うどんと蕎麦を提供する屋台である。

    「うどんは手打ちですか?」

    と尋ねれば、

    「そうよ、うどんも蕎麦も自分で作りゆう。出汁はカツオと昆布ね」。

    ひとくちすすると、

    「この屋台も自分で作ったがよ」

    と平然とおっしゃるご主人の傍らで、ガシャンガシャンと音をたててグラスがぐるぐる回っている。

    「これはグラス自動洗い機。これも自分で作った」。

    使い終わったグラスを機械に乗せると、洗浄からグラス置き場まで自動で移動する。

    いやはや、これはただモノではない気配だ。

    「寿司屋やうどん屋より、機械を作るほうが好きながよね。時々、小学校に行って、作ったものを見せちゃったりしゆう」。

    飄々としていつつ、なんとも興味深いご主人だ。

    「この屋台もかなり年期が入ってきたき、新しいのを作るか、それとも店を辞めるか、どうしようか考えゆうけんど、たぶん新しいのを作ることになるろうねぇ」。

    そりゃ、是非とも続けてもらわなきゃ、高知の夜が寂しくなっちゃう。

    まだまだ話をお聞きしたい取材班は、肉うどんをたいらげたあと、ご主人が「これだけで、おなか一杯になるよ」とおっしゃった“全部乗せ”の「スペシャル」を頼んでしまったのだった。

    無限にいただける大将の手打ちうどんと蕎麦。

    飲んだ後の習慣になってしまいそうだ。

     

    高知県高知市帯屋町1丁目大丸北「和楽路屋(わらじや)」にて

     

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