高知駅前にある高知警察署
落とし物や免許証の住所変更でなければ、あまり立ち寄ることはない警察署。署員食堂のかつ丼が人気だと聞けば、行かないわけにはいかない。
建物前にはパトカー。なんだか緊張してしまう。
勇気を振り絞って中へ。自動ドアの向こうには、制服姿の警察官がたくさん。
食堂はどこだとキョロキョロしつつ…
左手に進むと看板を発見し、案内どおり地下へ向かう。
階段を下りると、すぐに食堂が見えてくる。
店内はテーブル席とソファー席が50席ほど用意されている。
ワンコインの定食をはじめ、カレー、丼物、麺類など、リーズナブルで豊富なメニューが揃っている。
メニューの横には人気メニューベスト3が!
噂どおり、人気№1はかつ丼のようだ。警察署でかつ丼と言えば、思わず刑事ドラマの取調室を思い出してしまうのは私だけだろうか。
メニューが決まれば店員さんに直接注文し、お金を先に支払う仕組みのようだ。
人気№1のかつ丼を注文しテーブルへ。
マンガがずらりと並べられた本棚。料理ができるまでの間もお客さんを退屈させない。
「お待たせしました」と店員さん。
大きな豚カツと卵とネギの彩りに食欲をそそられる。
肉厚だがやわらかく、出汁がしっかり染みていて、思わずご飯を掻き込む。ボリューム満点だ。
毎日、市場に通うオーナーの田内さん
署員食堂を経営しているオーナーの田内さんにお話しを伺った。
−お店のこだわりはありますか。
「こだわりなんて特にありませんよ。」
−そうなんですか。人気№1のかつ丼すごくおいしかったですよ。
「お客さんに喜んでもらえるように丁寧に作ってるだけです。あとは、毎日市場に行って、新鮮な魚を購入して提供しています。」
−それ、こだわりですよ!
実は定食メニューには+100円で、マグロのお刺身がつけられるのだ。田内さん自らが毎朝市場に足を運び、鮮度のよいものが提供されている。
人気№2の唐揚定食とお刺身
やわらかくてジューシーな唐揚げにお惣菜(この日はレンコンのきんぴら)と新鮮なお刺身で600円。
お昼からお刺身もいただけてプチ贅沢気分。
取調室でかつ丼は本当?
ところで、どうしても気になったので、あの質問をしてみた。
‐取調室で田内さんが作ったかつ丼が出されることはありますか。
「出しませんよ。食堂に食べに来てくれた人と署内で働いている人に配達しているだけです。」
刑事ドラマと現実は違っていたようだ。
警察署での営業は残り約2年
現在の警察署は、約2年後に道路を挟んだ北側に移転することが決まっている。移転後は田内さんの食堂ではなくなるそうなので、この味を警察署で食べられるのは残り約2年。
「かつ丼もよくでますが、お客さんからはオムライスもすごくおいしいという声をいただくので、次回はオムライスを食べにきてください。まだまだ営業してますので。」という田内さん。
次は、オムライスもいい。いや、もう一度かつ丼もありだ。
24時間体制の警察署の食堂ということもあり、食堂としては営業時間が長め。朝ごはん、昼ごはん、夜ごはんの時間帯もカバーしてくれているのはうれしい。
警察署員の空腹を満たしてきただけあって、ボリューム満点でリーズナブルなランチがいただける署員食堂。飲食店が意外と少ない高知駅周辺の穴場ランチスポットだ。
店舗情報
高知警察署 署員食堂
住所:高知市北本町1‐9‐20
営業時間:午前9時~午後2時/午後4時30分~午後6時30分
定休日:土、日、祝日