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小学校で朝ごはん!?子どもたちへの愛情がこもった「お話モーニング」

       

この情報は2019年1月8日時点の情報となります。

高知市上町にある高知市立第四小学校で取り組んでいる「お話モーニング」とは一体どういうものだろうか?

昨今、食事の提供を通じて、子どもや保護者の居場所になる「子ども食堂」の取り組みが拡大し注目されている中、高知市立第四(だいし)小学校では、少し違った目的から学校で朝食を提供する「お話モーニング」という取り組みがあるという話を聞き、高知家の〇〇取材班は朝の小学校へ向かった。

 

「お話モーニング」とは?

お話を伺ったのは、エプロン姿がよく似合っている校長の近澤先生。

この取り組みが始まったきっかけを伺うと、「前校長の発案で2014年11月から取り組みが始まりました。きっかけは、朝食を食べている家庭は多いですが、一方で共働きの家庭が増え、子どもたちが一人で食事をする『孤食』の子どもが多いことを知り、みんなで一緒に食べることで食事の楽しさを伝えたいという思いから始まったと聞いています。」とのこと。

この「お話モーニング」は、高知大学の小島副学長と教育学部の学生を中心に民生委員など地域の方々も一緒になって運営されている。

校長先生をはじめ全員が着用しているエプロンは、子どもたちにもわかりやすいように「おはなしモーニング」の文字が刺繍された思いやりがつまったものになっている。

 

シンプルなメニューにもこだわりがたくさん

子どもたちに提供されるのは、高知県産米のご飯と季節の野菜を使ったみそ汁。

シンプルな中にも、先生や学生のこだわりが詰まっている。みそ汁は学生が前日から10リットル以上の出汁を取って準備をしたもの。素材の味を引き立てる「うま味」を感じてもらうことで子どもたちの味覚を育てたいという思いからだそうだ。

「朝食はご飯とみそ汁さえあれば十分で、日頃から子どもたち自身でもこれぐらいなら作れるという思いを持って、自立への一歩につながれば嬉しいです」と校長先生は話す。

7時40分を過ぎると「おはようございます!」と元気なあいさつとともに次々と子どもたちが家庭科室へ集まり始め、一気ににぎやかな雰囲気に!

子どもたちは学生からご飯とみそ汁をよそってもらい、それぞれ好きな席に着く。

 

和食の配膳位置を学ぶ

ここにも子どもたちへの深い思いが込められているものを発見!

本日のメニューとコメントとあわせて、ご飯、みそ汁、お箸の配膳の位置が書かれた学生手作りのランチョンマット!
子どもたちは知らず知らずのうちに和食のマナーが身につくようになっている優れものなのだ。

家庭科室内は、「おいしい!」「みんなと食べると楽しい!」という、子どもたちの元気な声に包まれていた。
学生も子どもたちと一緒に朝食を食べる。はずむ会話に自然と笑顔がこぼれる。

 

孤食の解消だけではなく食育も

食事の合間には、子どもたちに「食」に関する知識を身につけてもらうため、学生たちがクイズ形式でプチ授業を開始。

この日のテーマは「基本五味」。学生はイラストやフリップを交えて子どもたちにわかりやすいようにと楽しく説明する。

子どもたちは身を乗り出して真剣なまなざしで学生の話を聞き、クイズには元気よく積極的に回答。

食べたあとは子どもたち自ら食器を洗い、片付ける。食育の面で抜かりがない。

学生のリーダーとして1年ほど前からこの取り組みに参加している戸梶さん(3回生)。
将来は高知県内の中学校の家庭科教諭を目指していて、「ここは子どもたちとふれあえる貴重な場なので大切にしていきたいです。」と話す。

校長先生は「子どもたちにとっては食育や味覚、日本の朝食が学べる場であり、教員を志す学生にとっても就業体験となり、双方がWin×Winの関係が保たれています。これからも高知大学と連携を図ってこの取り組みを継続していきたいです。」と話した。

 

最後は取材班も一緒に!

「せっかくなので味も取材していってください!」と校長先生に声を掛けられた取材班。

お言葉に甘えて…「いただきま~す!」
ふっくら炊きたてのご飯に旬のあまい白菜とかつおだしのうま味が染みたお揚げのみそ汁は、先生や学生の愛情が詰まった逸品だった。

孤食の解消だけにとどまらず、食育や味覚、食事のマナーなど楽しみながら学ぶことができる「お話モーニング」。第四小学校を参考に高知市内の別の小学校でも取り組みが始まったり、県外テレビ局のニュース番組で取り上げられたこともあるという。この素晴らしい取り組みが県内外の多くの学校に広まることを願わずにはいられない。