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この情報は2021年12月6日時点の情報となります。
四万十川が流れる自然豊かな高原台地の中土佐町大野見。その大野見の新たな農産品、大野見の未来を担う、集落活動センターおおのみきたの「乾燥きくらげ」をご紹介します。
目次
中土佐町大野見は、標高300m、四万十川が流れる、高知県中西部の自然豊かな山間の地である。
面積の約97%を山林が占めており、かつては森林事業が非常に盛んであった。
豊富な森林から切り出された良質な木材は、地区の真ん中を流れる四万十川やその支流をつかい、「管流し(くだながし)」「筏流し(いかだながし)」といった手法で下流まで運ばれたのち、久礼港や須崎港より、主に近畿地方に輸送されていたのである。
その四万十川には22本の沈下橋があるが、上流の3本は大野見に架かっている。
四万十川本流の最上流にかかる高樋(たかひ)沈下橋と、地域をつなぐ生活道の役割を担う久万沈下橋、そして路線バスも橋の上を通る、長野沈下橋の3本である。
四万十川やその支流の周辺には、豊かな農地が整備され、秋になると金色の稲穂が一面に広がる。
高原台地特有の昼夜の大きな寒暖差や立ち込める霧、良質で豊富な水が優れた「大野見米」を育んでいるのだ。
そんな大野見の新たな農産物として、栽培に取り組まれているのが、「集落活動センターおおのみきた」の「菌床きくらげ」である。
狭い面積で栽培ができるため、初期投資が少なく、また高齢化が進む農家の方々でも管理がしやすいことが、栽培を始めた理由だ。また生活排水の流れ込まない、川の水を利用できることも大きな一因となった。
栽培のための遮光性の高いビニールハウス、上流の清冽で安全な水を引くためのポンプや、きくらげが乾燥しないように散水するためのスプリンクラーの整備ををすすめ、栽培を始めたのである。
温度と湿度の管理や、最初の収穫後も3度4度と生えてくるために、絶え間なく続く収穫など、思いもよらなかった大変さはあったが、収量の増加・販路拡大も徐々にすすみ、大野見の収益の大きな柱になることが期待されているのだ。
2021年のきくらげの栽培・収穫は終わったが、来年にむけての取り組みはもう始まっている。
栽培を担う農家のみなさんは、「どうやったらもっと売れるろうか」「ポンプが凍って水が通らんなるんをどうにかせないかん」などと、話し合う。また加工場の増築工事も進んでおり、2023年4月には完成を見込んでいる。
「集落活動センターおおのみきた」の「菌床きくらげ栽培」は、大野見の未来を担っているのだ。
「きくらげ」はキクラゲ目キクラゲ科キクラゲ属のきのこで、プルプルとした見た目と、コリコリとした独特の食感、クセのない味わいが特徴である。
「きくらげ」は、「不溶性食物繊維」が多く含まれるため、便通の促進・改善効果が高く、またカルシウムやリンの吸収を促す働きがあり、骨を健康に保つ効能がある「ビタミンD」も多い。
また、ビタミンB群の一種である「ナイアシン」も含まれており、アルコールを分解してくれる働きがあるため、二日酔いにも効くという、酒飲みの高知県民にはうってつけの食材だ。
「乾燥きくらげ」はぬるま湯やお湯で戻す方法もあるが、栄養や風味がそこなわれやすく、食感も悪くなるため、冷水でもどすことをおすすめする。「乾燥きくらげ」5gに対し、300mlの冷水につけ、保存容器などに入れ冷蔵庫に6時間程度いれておけばよい。時間はかかってしまうが、ゆっくりじっくりと戻した、美味しい「乾燥きくらげ」を楽しんでいただきたい。
「きくらげ料理」と言えば、すぐに思い浮かぶのは「きくらげと玉子の炒め物」。
ふんわりとした玉子とコリコリとした「きくらげ」の食感が、箸を進める定番料理である。
今回はチンゲン菜と炒め合わせたが、ネギや小松菜、トマトなどと合わせても美味しく、豚肉や海老をいれてもよい。
味付けも、塩胡椒でシンプルに炒めてもよいし、オイスターソースや鶏ガラスープで濃い目の味付けにすれば、ご飯のおかずにはうってつけである。
「きくらげ」を細かく刻んで、鶏ミンチに練りこんで鶏団子にすれば、中華風スープにぴったりである。
フワフワの鶏団子の食感に、「きくらげ」のプチプチした食感がアクセントとなり、舌ざわり歯ごたえと口の中全体で食感を楽しむことが出来る。
春雨を入れたスープなら、さらに新たな食感が加わるとともに、満腹感を得られるのでおすすめだ。
「きくらげ」は中華風だけでなく、和風料理にもよくあう。
煮込んでいくことで、柔らかなクニュクニュとした舌ざわりなのに、コリッとした歯ごたえがある、不思議な感覚を楽しめるのだ。
おでんや、鍋料理にいれるのもおすすめであるし、茶碗蒸しやみそ汁の具としても、その味わいを楽しんでいただきたい。
炊き込みごはんの具材としても「きくらげ」は秀逸である。
炊きあがったごはんに、独特の食感と優しい風味をあたえてくれるのだ。
今回は「きくらげ」と油揚げだけでシンプルに炊き上げたが、様々な具材を加えてもいいだろう。
クセのない「きくらげ」の風味は、ほかの具材の味を邪魔することなく、独特の食感のアクセントを加えて、一段も二段も味わいを増してくれることであろう。
集落活動センターおおのみきたの「乾燥きくらげ」は、中土佐町の「道の駅なかとさ」や、四万十町の「四万十ハマヤ」やその他のスーパーなどで購入することが出来る。
集落活動センターおおのみきたの「乾燥きくらげ」を見かけたら、ぜひ購入して、その食感と味わいをお試しいただきたい。
集落活動センターおおのみきた
住所:〒789-1415 高知県高岡郡中土佐町大野見寺野153
電話番号:0889-57-2999
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