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響き渡れ我らの音楽よ!「第41回 高知フライデー・ウインド・アンサンブル 定期演奏会」開催!
この情報は2021年2月20日時点の情報となります。
今年で35年目を迎えた(株)サンプラザの移動販売車「ハッピーライナー」に密着取材してきたぞ。買い物難民を助けるため商品を運ぶだけではなかった。
高知県内の山間部を中心に走る、(株)サンプラザが運営する移動販売車「ハッピーライナー」。
今回は、ハッピーライナーについて、これまでの歴史や販売の現場に迫ってみた。
ハッピーライナーは、日用品からお刺身、野菜などの生鮮食品、飲料、保存食品、約150種500品目が揃う移動販売車。
現在、バスタイプ6台、ミニトラックタイプ5台を運行している。
その歴史について、移動販売車事業部の 小田 浩課長にお話を伺った。
-ハッピーライナーはいつ誕生したんですか?
小田課長:今から35年前です。その当時、移動販売ブームが起きていたんです。山間部を中心に、買い物に困っている方々を支えるために、スーパー各社や個店が移動販売を始めていて、弊社もスタートさせました。
当時はブームということで利用する方が多かったようだが、その後、中山間地域の過疎化が進むにつれて、採算があわず、移動販売に参入した企業は、次々に撤退していったそうだ。
そんな中、ハッピーライナーが35年続けてこられたのはなぜだろうか。
小田課長:過疎化により毎年赤字事業ではありますが、弊社は利益優先ではなく社会貢献、困っている地域の人を助ける取り組みとして継続しています。例えば、これまで多くの方が利用してくださっていた場所で、施設に入られる方が出てきたとします。そのエリアの利用客がたった一人になってしまったとしても、もう来れなくなりましたなんてことは言えませんよね。
毎年社内では存続をするかどうかの話が出ているというが、県や市町村からの支援を受けて、今後も継続していく方向だという。
もちろん赤字を少しでも抑えようという取り組みは行われている。
小田課長:商品の販売状況をデータ管理しながら、コース(エリア)ごとの売り上げ状況に合わせた仕入れを行い、ロスをなくすようにしています。また、「ウェザーマーチャンダイジング」といって、天気に注意して、気温が低い予報なら、鍋物の食品を揃えるなどなるべく効率よく取り組んでいます。
-商品の管理は、小田課長が行っているんですか?
小田課長:いいえ、すべてキャプテンが行っております。
-キャプテン?
小田課長:ドライバーのことをキャプテンと呼んでるんですよ。船の船長をキャプテンというと思いますが、航海するのと同じように山から山へ移動していくため、ハッピーライナーを船と見立てて、全てを取り仕切るドライバーはキャプテンなのです。
キャプテンの仕事はベテランが多いそうだ。
今回、特別にハッピーライナーに同乗し、販売の様子を取材させていただいた。
同行させてもらったのは、ドライバー歴25年と超ベテランの吉井 雅徳(まさのり)さんだ。
移動中、色々とお話をさせてもらったが「接客は好きですか?」という質問に対して「ん~あまり得意ではないです」と、とっても控えめな方。
○○取材班は、その発言が謙虚さから出ているのだということをすぐに実感。
お客さん一人一人に寄り添いながら、サポートしたり、お客さんの好みを聞いたり、「欲しいのにない商品があったら、また来週持ってくるき言うてよ~。」と常に気配りされていた。
重たいお米を購入された方がいれば自宅まで運んであげたり、電球を購入された方がいれば自宅で交換してあげたりと、お客さん本位で柔軟な対応を心がけているのだとか。
ハッピーライナーは、買い物に困っている方々に商品を届けるだけではない。
窓を閉めきっているお宅や、耳が遠い方のお宅には「来たよ」いう声かけをしている。このことが、地域の見守り活動につながっている。
小田課長:ハッピーライナーの到着までの間、おじいちゃん、おばあちゃんが井戸端会議をしたりと、コミュニティーの場にもなってますよ。
地域に元気な声が聞こえ、集落の活性化にも一役かっていそうだ。
取材日の最終停車場所は「羽尾」という香南市中心部から車で30~40分山奥へ入った場所。半日で5~6か所停車しながら販売し、この日は約20人近くの方が利用した。。
「月2回、社協の福祉サービスで市内へ行った時に買い物をしゆけんど、2週間食材をまわさんといかんき、大変よ。びっしり賞味期限を切らして、捨てたりもしよった。」
「選ぶのに迷うばぁ商品がいっぱいあるね~。定期的に来てくれて助かる。」
吉井さん:代わりのドライバーがおるわけじゃないので、休めませんよね。待ってくれている人がいるのでね。
悪天候等でやむなく運行を中止したことはあるそうだが、25年体調不良を理由に休んだことはないという吉井さん。冷静沈着ななかにも仕事への熱い思いを感じた。
ご高齢の方ばかりかと思っていたが、お子様連れのご家族も発見。
「車はあるのですが、交通費を考えると少し大変。ちょっとそこまでお買い物という感じではないので、ほしいものがあっても我慢することがあります。」
山間部の方々にとっては、ハッピーライナーが無くてはならない存在であることを実感した○○取材班。
コロナ禍において、量販店への買い物など密を避ける傾向にあり、需要が高まっているハッピーライナー。これからも社会貢献のため買い物に困っている方々へ商品と共に幸せを運ぶ存在として継続し、利用者が増えていくことを願いたい。