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【高知グルメPro】地元愛されイタリアンから人気の和食屋に夜の〆の屋台餃子までそろう「廿代町」のおススメグルメ6選 食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記セレクション
この情報は2018年12月24日時点の情報となります。
立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなすタベアルキストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。
ウツボといえば今では高級魚だが、昔は雑魚だったという。
「昔は市場で笑いよったら、漁師が「取っていけ」いうてタダでくれよったがよ。けんど、いつの間にやら高級魚になりよった。ガハハハ」。
そう久礼の川島昭代司さんは言って、豪快に笑った。
川島さんは青柳裕介の漫画「土佐の一本釣り」のモデルになった人である。
漁師の純平と鰹節工場で働く八千代との、不器用で純な愛の話だったなあ。
川島さんは今漁師を引退し、久礼でスナック「ろんどなあ」を経営されている。
その川島さんが「ウツボのすき焼き」を作ってくれるという。
「えっ? ウツボといえばタタキじゃないの?」と聞く。
タタキは高知市内の居酒屋には必ずある、高知の名物料理である。
「いやウツボは、すき焼きよ」と、川島さん胸を張る。
すき焼き煮で食べるようになったのは事情があるらしい。
「昔の爺さんの頃は、牛肉が高いき手に入らんろう。それやき、すき焼きという料理に憧れちょった。そんで安いウツボで代用したがよ」。
可愛い話である。でもそんな爺さんたちも、ウツボの値段が肉と肩を並べる時代になるとは、思いもしなかっただろうなあ。
まず、ウツボの解体を見せてくれるというので、大正町市場の田中鮮魚店に向かった。
基本的には鱧やウナギ、穴子と一緒だが、よりぬめりがあり、より硬く、骨が太いため、一筋縄ではいかない。
出刃を使い、慎重に、ゆっくりさばいていく。