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高知・室戸の新たな観光スポット!小学校をリノベした「むろと廃校水族館」に行ってみた

       

この情報は2018年4月29日時点の情報となります。

廃校となった小学校を改装した「むろと廃校水族館」が高知県室戸市にグランドオープン!地元の海で捕獲された生物を展示する地元密着の水族館を緊急レポート。

高知県室戸市の新たな観光スポットとして期待される「むろと廃校水族館」が2018年4月26日にオープンした。

 

「むろと廃校水族館」とは

この施設、12年前に閉校した室戸市椎名小学校の旧校舎を改修、再利用したもの。

大きな看板と搬入用のスロープが設置され、外観は水族館らしい水色に塗り替えられている。

入口で料金(大人600円、子ども300円 ※室戸市民は50円OFF)を支払い館内へ。

運営しているのはNPO日本ウミガメ協議会。2001年より始めた室戸市でのウミガメ調査で得た学術的な成果を公開する場として水族館の開設を考えたという。

館内では、様々な種類のウミガメだけでなく、主に沖合の定置網で捕獲された50種類1,000匹以上の多様な水生生物を間近に見ることができる。

館内の至る所に小学校の備品を使った飾りつけがされていて、今にも子どもたちの笑い声が聞こえてきそうな明るい雰囲気。

1階は受付のみ、2階と3階が展示室になっている。

面白いのがこの入場券。ブリに足がついたキャラクターがデザインされたユニークなシールは、室戸で産卵するアカウミガメの平均的な卵の大きさと同じだそう。

カツオ人間ならぬ、ブリ人間!?

 

2階の展示室へ

階段を上り2階へ。

まず目に飛び込んできたのは、小学校の手洗い場を利用した「タッチプール」。

トコブシ(高知ではナガレコと呼ぶ)を獲る漁師さんがもってきてくれたというナマコやヒトデを触ることができる。

 

順路を進んでいくと、何やら不思議な模型が…

実はこれ、沖合に設置されている大敷網の模型。

大敷網とは、沖合数キロメートルの場所にある全長500メートルにも及ぶ大型の定置網のことで、水族館のある椎名地区の沖にある大敷網の仕組みや漁師さんの仕事が分かりやすく解説されていて、とても面白い。

いよいよ水槽の展示スペースへ。

全国の水族館でお馴染み。高知の居酒屋でもおなじみのウツボ。

ブロックの中で生活する魚。

魚の種類によっては、人間のようにパーソナルスペースがあるそうだ。まるでワンルームマンションのよう。

たくさんの種類のフグや、色とりどりの魚の数々。

こちらは毒のあるゴンズイの群れ。

学校を意味する英語「school」には「群れ」という意味もあるらしく、学校に関連付けていろんな魚の群れが展示されている。廃校水族館らしい展示といえるだろう。

こちらは、川魚のイメージが強い鮎の稚魚。

生まれたばかりの鮎は海で生活して、成魚になると川に戻ってくる。このことを知識としては知っていても、海で生活している鮎の稚魚を見たことのある人は少ないのではないだろうか。

タカアシガニなど、深海生物の展示も。

こちらは大敷網で捕獲されたのではなく、海底300メートルにある海洋深層水の取水口から偶然獲れたものなんだとか。

また、3つある円柱状の大きな水槽には、定置網で捕獲されたブリやサバなどお馴染みの魚、サメやエイなどが飼育されていて、室戸の海の豊かさを感じることができる。

 

3階の展示室へ

階段を上り、3階の標本展示スペースへ。

理科室へと続く廊下には、沖合で捕獲された生物の標本が並んでいる。馴染みの薄いものが多く興味津々。一つ一つ見ていくだけで、時間があっという間に過ぎてしまう。

理科室にはさらに多くの標本が。深海生物はグロテスクな形態をしているものが多いが、怖いもの見たさでついつい見てしまう…。

大人にとっては懐かしい「理科室」というシチュエーションが、気分を盛り上げてくれているようだ。

理科室の隣は図書館。クジラ(?)と思われる骨格が本棚に乗っているのにはびっくり!

水生生物だけでなく、生き物に関する本や子供用の図鑑などが並んでいる。机と椅子が設置されているので、気になる本があればゆっくりと読むことができる。

 

屋外大水槽へ

続いては、25mプールを再利用した「屋外大水槽」へ。

25mプールを改装した大水槽には、十数匹のウミガメと深海魚らしき大型の魚がのどかに遊泳。

派手な展示ではないが、遠くに見える青い海と空を見ながら25mプールを泳ぐウミガメを見ていると、心が落ち着いてくる。

プールサイドにはパラソルと椅子が用意されているので、ゆっくり休憩しながら眺めるのも良いだろう。

 

館長の熱いメッセージ

最後に、館内に掲示されていた館長メッセージの一部をご紹介。

施設の開設に際して、館長は「廃校」という言葉をあえて施設名に加えたとのこと。

そのうえで、『「廃校」に再び、本来の主役である子どもたちの声や笑顔があふれるような「むろと水族館」を目指します。』という熱いメッセージが。

室戸の海がこんなにも豊かな場所であることを、改めて教えてくれるユニークな水族館。

ここでしか見られない展示を楽しみに、ぜひ室戸まで足を運んでみてはいかがだろうか。

 

施設情報

むろと廃校水族館

住所:高知県室戸市室戸岬町533番地2
営業時間:9:00~18:00(4月~9月)/9:00~17:00(10月~3月)
料金:(一般)大人600円、子ども300円/(室戸市民)大人550円、子ども250円
電話/FAX:0887-22-0815