高知家の◯◯
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何度も通いたい!酒にも飯にも合う女将の惣菜で一杯いただく「龍の膳」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

この情報は2022年9月18日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす美食おじさんことマッキー牧元さんが高知の美味しいお店や生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は、高知の旨い惣菜をつまみに飲める「龍の膳」にお邪魔してきました。

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また「龍の膳」にやってきた。

再び、女将さんである永森由美さんが作った高知のお惣菜が食べたくて、やってきてしまった。

古くから「おばあ」が代々伝えてきた郷土料理である。

「もう作っている人は、おらんようになった」という、消えゆく料理である。

しかしそれは、どれも素朴ながら心を掴む。

酒を飲みたくなり、ご飯が恋しくなる。

そんな料理であるから、また厚かましくもリクエストしてしまった。

「今度は違う料理が食べたいなあ」と、ゆみ姉に甘えてしまったのである。

まず出されたのは、胡瓜の酢の物であった。

別に珍しい料理ではない。

しかし、一口食べて目を丸くした。

キュウリの食感が実に爽快なのである。

パリパリッと、隣の人が食べてる音が聞こえるほど、痛快な音が響く。

「これ何かやってます?」と、聞けば

「塩でちょっと絞って、生姜をたくさん擦り込んで、お酢に味の素におかかだけ。白だしを少し入れました」と、さりげない。

しかし実際のきゅうりを見せてもらい納得した。

太く長く、重い。

ゆみ姉さんは、「こんな胡瓜やないと、美味しゅうない」という。

だから威勢がいいのだ。

この痛快な音こそが、うだる夏を吹き飛ばしてくれる。

そしてもう一つ取り出したのが、マクワウリであった。

「子供の頃は、親にこれがメロンと言われてきたがやけど、大きくなって本物のメロン食べた時に、騙されていたことを知ったんです」と、ゆみ姉さんは笑う。

噛むと、うっすらと香るメロンの香りが、甘くはないのに、甘いように感じさせる。

確かにメロンとはほど遠いけど、甘くないからって食べないのは、マクワウリ に失礼だ。

やはり、燦々たる太陽の光を浴びた高知の野菜は力強い。

次々とそんな野菜を使った料理が並ぶ。

「ピーマン浅漬け生姜風味」。これは面白い。

生で縦に切り、そのまま浅漬けの素につけておいて、一回出してから、鰹出汁と新生姜を合わせたのだと言う。

甘みと生姜の辛味と出汁の旨みにまみれて、ピーマンの味が太くなっている。

次には、金子味噌と味醂、酢、豆板醤を合わせたという「なす酢味噌炒め」。

味噌のうまみ、味醂の甘み、酢の酸味、豆板醤の辛味が、くったりと炒めた茄子を持ち上げ、「ご飯食わんかい」と、迫ってくる。

ポテサラは芋の甘みが優しく出ていて、

「大根とイカの煮物」は、大根にじっとりとイカの味が染みて、しみじみおいしい。

味が濃すぎることなく、ご飯と静かに食べたいお惣菜である。

さらには、「いいイワシがあったから煮たんだけど」と、出してくれたのが「うるめいわしの煮つけ」である。

食べれば、味が浸透しているが、身がしっかりとしている。

煮汁のあわせ調味料を作って火を入れ、一旦火を止めて鰯を入れ、梅干しを入れ、そこから中火で煮すぎないところがポイントだという。

最後は、「沖うるめのメンチカツ」である。

イワシカツである。

ソースをかけずにそのまま食べれば、イワシの味が舌に広がって、こりゃあ肉より庶民の味である。

今回は、すべて酒のお供としたが、いつかずらりと卓上に並べて、白いご飯をかっこみたいなあ。

 高知県高知市帯屋町1丁目「龍の膳」にて