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【高知グルメPro】作り手の人柄がにじむ香り高いうどんがいただける「さぬきうどん将元」食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記
この情報は2017年7月21日時点の情報となります。
前回の記事では、高知市のおいしいものめぐりに没頭するあまり本誌取材班に置いていかれそうになった編集長・田島。
次の目的地・西土佐でも、その放浪癖はあいかわらずなようで…。ひとり四万十川を下流に向かったその先で出逢ったのは、元気な商店街とそれを支える「高知家の家族」でした。編集長・田島のインスタグラム(@rotajima)から写真を抜粋してお届け。
Hanako編集長の田島です。高知市での取材を終え、無事、次の目的地である西土佐へ。西土佐といえばなんといっても四万十川。全長約196キロと四国最大の大河は、日本最後の清流としても名高い川。というわけで、まずは今回の取材先でもある道の駅〈よって西土佐〉で、駆け付けビールならぬ駆け付け鮎をパクリ!
ンマーイ! 天然鮎の塩焼き、旨すぎます。ミネラルもチャージできたところで、今回の誌面のトビラ候補、沈下橋のロケハンに行くとしますか。ちなみに沈下橋とは、川の増水時には水面下に沈んでしまう橋。欄干もない簡易的な、そのミニマルなたたずまいが旅情をそそるのです。
どうですか、この美しさ!この第一三島沈下橋は、上に鉄道が通り、下に沈下橋が架かるウルトラフォトジェニックなスポット。今回の撮影の有力候補ですな。ちょっと川辺に降りてみようかしら。
見てください、この透明度の高さ! 靴を脱いで、足をつけてっと。わー気持ちいい!夏休みみたい!……あ、本誌取材班の冷ややかな目……、体を張ったロケハンですからね、みなさん。コホン。
さらに下流に向かい三里沈下橋へ。なになに、こっちで撮影しますか。了解、ではそうしましょう。でも一応、もっと下流にもまだありそうなのでね、私、見に行っとくのでとっておきの場所を発見したら電話しますね。エヘン。
というわけで下流へと沈下橋ロケハンを進めるものの、特にめぼしい沈下橋には出会えず、気がつけば河口の町、中村へ。実は西土佐(村)と中村(市)が合併してできたのが今の四万十市。中村城を擁するこの地は、土佐一条氏による京都を模した街づくりで、中心街は碁盤の目状に区切られています。〝土佐の小京都〝と呼ばれる所以ですね。ところで中村といえば天然鰻。ならば〈四万十屋〉さんで駆け付け鰻と行きましょうか(駆け付けてばかり)。
ンマーイ!四万十川で採れた天然鰻は、養殖モノより身がしまっていて、まさに川の恵み。実は私の出身地である埼玉県の浦和は鰻の一大消費地でして、鰻は子供の頃からの大好物。なので天然モノを食べられるだけでも涙なのに、それが目の前の川で採れたものだなんて!四万十川、もう頭あがりません。またもや満腹なので、腹ごなしに小京都を歩いてみましょうかね。
ぷらぷらと歩いていたら、立派な神社が。ここ一條神社は、地元の方々には「いちじょこさん」と親しみを込めて呼ばれているらしいです。毎年夏には、「全日本女郎ぐも相撲大会」が行なわれているとのこと(今年は8月5日。第67回!)、行司もいて、真剣に女郎蜘蛛(持ち込み可、というか持ち込み必)を闘わせていると……なにそれものすごく気になる!
そしてそのすぐ横には、立派なアーケードの商店街が。てんじんばし、という名前の商店街らしい。入ってみましょうか。なんか面白い店、ないかなあ。わくわく。
「いらっしゃい! 何しゆうが?」
いきなり声をかけられ目の前を見ると、ふたりのオジサマたちが。あ、「進入禁止」って書いてありますね、ここから先、入っちゃダメですか……?
「いや、これはクルマとバイクのことだから!歩行者大歓迎!ところであなた、東京の人?よかったら事務所でお茶でもどうですー?」
声をかけてきたのは、天神橋商店街理事長の國吉康夫さん(左)と、副理事長の大田文雄さん。じゃ、遠慮なく頂きます。ところで、そもそもこの商店街って、どんなところなんですか?
「経済産業省が全国から選んだ『がんばる商店街30選』にも高知から唯一選ばれた商店街なんですよ。地元では〝おまち〟とも呼ばれ、昔は近隣の町からもここぞというお買い物の時にはわざわざやってくるような場所で。特徴といえば『チャレンジショップ』かな。お店を持ちたいと考えている人に、店舗スペースを半年間お試し期間として賃料なしでお貸しするという取り組みで。こちらにとっては空き店舗対策にもなる。その後、もしウチの商店街で引き続き店舗を構えてくれるのなら、店舗探しから家賃交渉までサポートします。今までも、自転車店やミシン店、楽器店などがチャレンジショップを経てこの商店街に自分の店を出してくれました。今は元プロボクサーの方が営む時計修理店が入っていますよ」(國吉さん)
へぇ、それはすごい。商売を始めたくても、店舗を持つってやっぱりハードルが高いものですものね。今までになかった、新しい業態の店が商店街に集まりつつあるということですね。
「チャレンジショップ制度以外にも、個性的な移住者の方々による店舗も増えているんです。ちょっと見に行きません?」(大田さん)
大田さんに連れられて向かった先は、この商店街に華を添える、なんだかとってもいい感じの店。〈Hiyokomame〉は横浜から移住した、舞台照明の仕事をされていた原田英樹さんと由美さん夫婦によるお店。2人は〈いきものがかり〉など、多くのアーティストのステージを手がけていた。また由美さんはフラワーアレンジメントの教室も全国に持っているのだという。
「私は実家が隣の宿毛市で。フラワーアレンジメントの教室を宿毛市やここ四万十市でも持っていて横浜から通っていたのですが、こっちのほうが住みやすいなと思い移住を決断しました。横浜ではレストランバーをやっていたので、こちらでもカフェ兼フラワーアレンジメント教室にできる店舗を探していたところ、この商店街に出逢ったんです」(由美さん)
当初は住宅街で店を開こうと考えていたものの、地元の人たちがまるで家族のように愛情たっぷりにつながっている天神橋商店街を見て、ここにお店を出したいと思ったのだとか。その結果、思っても見なかったことが起こったそう。
「高校生たちが多く来るようになったんです。この町には、ランチや雑貨を扱っている店が今まで無かった。そして、たまり場になるような店もね。ここで宿題やったりする子もいますから。まさに天神橋のマクドナルドです(笑)」(英樹さん)
店内を見渡せば、由美さんが大好きな猫グッズがずらりと。店のいたるところには彼女が手がけたフラワーアレンジメントも置かれ、まさに奥様の好きなものが集まったセレクトショップとなっています。
と、店内を見回していたら、天井に近い棚にクレーン車やらダンプカーやら、マニアックなミニチュアカーが。あれってもしかして、英樹さんのセレクション?
「そうなんです。僕の趣味で……。でもあれ、例えば、『クレーン車はアウトリガーを張り出さないと倒れるよ、と子供に分からせる知育玩具なんですよ』」(英樹さん)
な、なるほど。奥様の世界観あふれるお店の片隅にある旦那ワールド。なんだか微笑ましく感じたのは私だけでしょうか。
「商店街とは人々がわざわざ逢いにきてくれる場所。欲しいモノをただ揃えたいだけなら、郊外にある大型量販店に行けばいい。それよりも、居心地のいい空気がいかに流れてるか、その雰囲気が好きで人がどれだけ集まってくれるかなんです。もちろん〝よそ者〟ウェルカムですし、この商店街を愛してくれる全てのみなさんと、商店街の新しい定義をつくっていきたいですね」
どこから声が聞こえてきたのかと思ったら大田さん、なんで花の影から……(苦笑)
とにもかくにも、まるでひとつの〝家族〟のように商店街を支える人々の魅力を感じることのできた〈天神橋商店街〉。明日7月23日には「土曜夜市」も開かれるとのこと、ぜひ元気な商店街の姿を一目見に遊びに行ってみてはいかがでしょうか。おいしい屋台もたくさん出るそうなので!
天神橋商店街(天神橋商店街振興組合)
住所/高知県四万十市中村天神橋29
電話番号/0880-31-0280
ホームページ/http://tenjinbashi.web.fc2.com/
Hiyokomame
住所/高知県四万十市中村天神橋32
電話番号/0880-34-8511
営業時間/11:00〜17:00
定休日/月・火
Facebookページ/https://www.facebook.com/Hiyokomame-412379862256123/
鮎市場(道の駅よって西土佐)
住所/高知県四万十市西土佐江川崎2410-3
電話番号/0880-52-1398(よって西土佐)、0880-52-1148(西土佐鮎市場)
営業時間/8:30〜17:00(鮎の実演販売は10:00〜15:00)
定休日/無休(12月〜2月は火、年末年始休)
ホームページ/http://40010.chu.jp/
四万十屋
住所/高知県四万十市山路2494-1
電話番号/0880-36-2828
営業時間/10:00〜16:00
定休日/年末年始休
ホームページ/http://www.shimantoya.com/